スーパー耐久:2勝目を手にしたD’station Vantage GT3。「レースラップが良く、終わってみれば大きな差に」と藤井

 12月13日にオートポリスで開催された、ピレリスーパー耐久シリーズ2020第5戦『TKU スーパー耐久レース in オートポリス』で、今シーズン2度目となるポール・トゥ・ウインを飾った777号車D’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)。レース後、第3スティントを担当した藤井、そして第2、第4スティントを担当した近藤に話を聞いた。

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 12日に行われた公式予選では、まずAドライバー予選で星野が888号車HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の山脇大輔を0.78秒引き離す1分49秒400というトップタイムを記録した。

 続くBドライバー予選では藤井が1分48秒121を記録し、Bドライバー予選のなかでは5番手という結果だったが、Aドライバー予選で星野が築いたギャップは大きく、合算タイムで2番手となった31号車DENSO LEXUS RC F GT3に対し0.4秒のギャップを残して2020シーズン4回目、3戦連続となるポールポジションを獲得した。

「オートポリスはタイヤの摩耗が厳しいので、そのコンディションに合わせたクルマを持ち込みましたが、ベースのセットが結構よかったですね。練習走行ではロングランばかりやっていたのでニュータイヤを履いていなくて、予選はどういう状況になるのかなと思っていたのですが、やはりしんどかったですね」と藤井は振り返る。

 13日に行われた5時間の決勝レースでは、888号車に先行を許すシーンもあったが、星野が搭乗した第1スティントから1分51秒959と、ほかのジェントルマンドライバーを1秒上回るベストラップを記録するなど、序盤から777号車はポテンシャルの高さをみせた。

 ST-Xクラスは、3番手スタートの888号車のみ、エキスパートドライバーの根本悠生が第1スティントを務めており、777号車を含む4台はジェントルマンドライバーが第1スティントを担当した。

 4周目の1コーナーで888号車が777号車星野をかわし、トップに浮上する。888号車は第1スティントで大量リードを築き、第2スティントでジェントルマンドライバーに交代するという、ライバル勢とは違った作戦を進めていた。

 しかし、リードを築くはずだった888号車はスタート違反によるドライブスルーペナルティを受けることとなり、大きくタイムをロスしてしまう。ペナルティ消化後、888号車は18周目に再び777号車をかわしてトップに返り咲いたが、ジェントルマンドライバーの最低搭乗時間である60分を経過した30周目、2番手の777号車星野がピットに入った時点で、トップの888号車とのギャップはわずか22秒となった。

 777号車は第2スティントを近藤が務め、43周目に888号車がピットに入ってからは一度もトップを譲ることなく、ライバル勢に対し1秒〜1.5秒速いペースで周回を重ねると、58周目には2番手とのギャップを1分17秒まで広げた。

 レース中のベストラップこそ、81号車DAISHIN GT3 GT-R、9号車MP Racing GT-RのニッサンGT-RニスモGT3勢に及ばず3番手の1分50秒882だが、レースペースは一貫しており、第3スティント、第4スティントでライバル勢の接近を許すことなく、154周目、2位の9号車に1分1秒226差を築き、さらには、3位81号車を1周遅れにし、トップでチェッカーを受けた。

 40周の第3スティントを担当した藤井は「一発のタイムは出ないですけど、レースラップはすごく速く、クルマのバランスも本当によかったので、レースに向けての自信はありました。各スティントの平均アベレージが速かったため、終わってみたら大きな差になりました」と決勝を振り返った。

 第2、第4スティントに搭乗し、合わせて84周を走った近藤は「今年2回目の優勝ができて、非常に嬉しいです。今回は誰一人ミスなく完璧に走ることができ、チームも最高の状態のクルマを用意してくれて、非常にいいレースができたなと思います」

「1周の速さだけみればニッサンGT-RニスモGT3の2台の方が速いのですけど、タイヤが落ちないというか。タイヤが摩耗してきてからもクルマのバランスがそこまで変わらない、というのが非常に強みだと感じました。それもアストンマーティン・バンテージAMR GT3の強みなのかなと、今日のレース中に走りながら思いました」と今季2度目の勝利を喜び、777号車がみせた強さの一因を語った。

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 ポイントランキングトップの888号車が4位でチェッカーを受けたことで、ST-Xクラスのシリーズタイトル決定は、2021年1月23日に鈴鹿サーキットで開催される第6戦『SUZUKA S耐』に持ち越されることとなった。

 第1戦、第2戦とシーズン序盤で苦しんだ777号車は、第3戦岡山、第5戦オートポリスでの2度のポール・トゥ・ウインにより、第5戦終了時点で、有効ポイントランキング3位に浮上した。一方、第4戦終了時点で有効ポイントでランキング3位につけていた31号車は、第5戦を5位で終え、有効ポイントランキング5位と沈んでしまう結果に。

 第5戦終了時点で888号車が有効105ポイントを獲得しており、有効ランキングで2位につける81号車に22.5ポイント差、3位の777号車に26ポイント差をつけてトップをキープしている。888号車は最終戦で規定周回数以内でチェッカーを受けてしまえば、ST-Xクラス最後尾となる5位(12ポイント)でもシリーズタイトルを獲得する状況となった。

 年をまたいで開催される第6戦『SUZUKA S耐』は、公式予選と5時間の決勝レースが1日で実施される1デー開催となる。そして、2018年から3シーズンにわたってコントロールタイヤを供給してきたピレリタイヤにとってもラストレースとなる。1月の鈴鹿、さらに1デー開催という異例づくしの最終戦、そして2020年シーズンのピレリスーパー耐久シリーズはどのような結末を迎えるのだろうか。

 ピレリスーパー耐久シリーズ、2020年シーズン最終戦となる第6戦『SUZUKA S耐』は2021年1月23日に鈴鹿サーキットで開催される。

2020 スーパー耐久第5戦 オートポリス ST-Xクラス スタート
2020 スーパー耐久第5戦 オートポリス ST-Xクラス スタート
スーパー耐久 2020第5戦を制したD’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)
スーパー耐久 2020第5戦を制したD’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)
スーパー耐久 2020第5戦を制したD’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)
スーパー耐久 2020第5戦を制したD’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)
スーパー耐久 2020第5戦を制したD’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)
スーパー耐久 2020第5戦を制したD’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)