BTCC:全チーム承認で2021年規定を変更。予選フォーマット改定にサクセスバラストも増加

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権を運営するTOCAは、参戦する全チームとの協議を経て、2021年シーズンに向け細部のレギュレーション変更承認を得たことを発表。予選フォーマット、タイヤオプション、サクセスバラスト運用、そしてファンサービスの多岐にわたるアップデートを実施するとアナウンスした。

 まずは2020年の第8戦スネッタートンで実施された予選トライアル“トップ10ショーダウン”が一定の成功を収めたことを受け、予選フォーマットの見直しを決定。来季2021年は同様の方式をドニントンパーク、スネッタートン、シルバーストンの3戦で実施する。

 通常は30分枠の計時予選で争われるセッションは25分に短縮され、5分のインターバルを挟んで上位10台のみがトップ10ショーダウンに進出。10分間の短い計時セッションで上位グリッドとポールポジションが決定する。

 そして2020年からシリーズにワンメイクタイヤの供給を開始したグッドイヤーは、全10戦中4戦で『オプションタイヤ』を段階的に導入し、変則スケジュールの過密日程で一時棚上げとなっていた戦略面での多様性を担保する。

 これは2020年が通常シーズンよりも人員削減によるロジスティックの課題が増えることを考慮し、チームに追加の作業負荷を与えないよう延期されていたアイデアで、2021年はすべてのイベントが“通常のプロトコル”に基づいて実施される、という前提に基づいたもの。

 その内訳はオールトンパーク、クロフト、スネッタートンではグッドイヤー・ソフトコンパウンドが『オプション』タイヤとして使用され、ノックヒルではミディアムコンパウンドが『オプション』として用いられる。

 この4イベントでは、週末に開催される3ヒートのうち少なくとも1レースで『オプション』を選択することが義務付けられ、チームによって予選のポジションと合わせてどのヒートを優先するか、戦略の幅が広がることが期待される。

 ただし、チームは予選前に『オプション』使用ヒートを指定する必要はなく、コンパウンドの宣言はピットレーンを離れる前までに完了する手筈となる。 また、2回のブランズハッチ、ドニントンパーク、シルバーストーンでのイベントではミディアムコンパウンドのみが割り当てられ、同じく年間2度開催のスラクストンはハードコンパウンドのみが持ち込まれる。

グッドイヤーは、全10戦中4戦で『オプションタイヤ』を段階的に導入する

■ファンがガレージ内の作業を見て楽しめる“リバースガレージ”を導入

 そして最大の焦点とも言えるサクセスバラストの運用に関しては、最新世代のNGTC規定ツーリングカーが、重量増の状態でも高いパフォーマンスを維持する傾向があるとの全チーム了解が得られたことで搭載量が改められ、優勝車両は現在の60kgから75kgへとバラストが増量され、以下は成績に応じて下記のような数値となり、以前にも採用されていた最大積載量が再導入される形となった。

1st:75kg
2nd:66kg
3rd:57kg
4th:48kg
5th:39kg
6th:33kg
7th:27kg
8th:21kg
9th:15kg
10th:9kg

 最後に、ファンサービス向上の一環として採用されるのが、2019年にもトライアルを実施した『リバースガレージ』制で、ピットガレージの運用を「実際に実現可能な設備を有するサーキットでのみ」ファンに向けガレージ内の作業を開放する意図で、パドック側へ逆転させた配置でレースウイークを進行する。

 これによりチームとドライバーは、観客にはっきりと見渡せるようにセットアップや準備作業のすべてを進めていくこととなり、ファンは週末の進捗とレースでの戦いを直接的にリンクさせ、より臨場感を持ってその勝負を楽しめるようになる。

 もちろん、この施策はパドックとピットレーンエリアのスペースとレイアウトが安全確保の面で充分な猶予を持つトラック(シルバーストンetc.)で実施される予定で、チームのトランスポーターはピットガレージから少し後ろに配置され、ファンがガレージ環境でBTCCのマシンやドライバーを観察するのに充分なスペースが確保される。

ファンにとっては、ガレージ内でどんな作業が行われているか。レースと合わせて楽しむ要素が深まることになる