フェラーリと自分をもっと近づける純正アクセサリーという特効薬

フェラーリと自分をもっと近づける純正アクセサリーという特効薬

スポーツドライブの魅力に目覚めた原体験

青森市街から伸びる国道103号線は、奥入瀬渓流沿いで102号線に繋がる。そこからもっと先へ進めば十和田湖だ。緩やかなカーブを続けるアルファルトの左右ではブナやトチノキ、ミズナラ、カツラなどの木々が四季折々に色を変える。この絶景、絶好のワインディングロードで大学時代に愛車のMGミジェットを走らせていたのが向山敬介さんである。

「冬になったら、当時は許されていたスパイクタイヤを履いて奥入瀬へ走りに行くんです。ミジェットはFRなので、知り合いの農家から肥料を分けてもらってウェイトにして、重量配分を整えて(笑)」

ミジェットでお尻を振りながら走った青森の雪深い峠道。それが向山さんのスポーツドライブの原体験だった。

フェラーリ フォー GENUINE装着車のフロントイメージ

ペルシャ湾の色をまとった4人乗りのフェラーリ

2017年正月、向山さんが大阪のコーンズに向かっていたときも雪が降っていた。ウェブで見つけた1台のクルマに引き寄せられるように、向山さんは一路西へ。そこで待っていたのはブルーのフェラーリ フォー(FF)だった。

フェラーリが“BLU ABU DHABI”と呼ぶその外板色は、名前の通りペルシャ湾のターコイズブルーをそのまま掬いあげてボディに染みこませたような色合いが特徴だ。ピニンファリーナの描いた流線的なプロポーションにとても似合う。走行2万kmの個体は内装の状態もすこぶる良く、ブラウン×グレーのバイカラー仕様という配色の妙も気品を感じさせた。もちろん、家族4人で乗ることもできる。

「その場ですぐに購入を決めました」

フェラーリ フォー GENUINE装着車のパドルシフトイメージ

カーボン製パドルシフトを装着したワケ

FFの納車から1年後、あまたあるフェラーリ純正アクセサリー「GENUINE」のメニューから向山さんが選んだのは、トリコロールカラーの入ったカーボン製パドルシフトだった。「ロングタイプだから操舵の際にも変速操作がしやすい」というのがその理由。運転好きの顔はこんなところにも覗く。

右がアップで、左がダウン。左の指をパン、ひとたたきすれば一斉に12気筒が鳴く。そのサウンドはいやがおうにも気持ちを昂ぶらせる。

「FFはフロントにV12を積んでいるので、音を後ろに置いていく感じではないんですね。走りながら自分で音を拾っていくような感覚です」

だからトンネルに入ると、向山さんは決まって窓を開けて音を“拾い”にいくという。

「普通、トンネルに入ったら窓は閉めるものなんですけど(笑)」

フェラーリ フォー GENUINE装着車のホイールイメージ

一番最初に選んだ純正アクセサリーは

フェラーリに乗ると、クルマとの付き合い方が変わると聞く。向山さんも「まんまとフェラーリの戦略にハマっているのかもしれませんが」と笑い、続ける。

「よりのめり込む、というか。サーキットイベントにも出かけて行ったり。いまは子供が大きくなったので2人乗りの812はどうかな、それとも軽くてスムーズな8気筒のF8もいいかな、なんて思ったりもしています」

でも、12気筒のムードとFFのデザインはやはり捨てられない。だからもし次のフェラーリを買ってもいまの愛車は残しておくつもりだ。そう向山さんは言う。

フェラーリ フォー GENUINE装着車のフロントグリルイメージ

ところで、向山さんがFFの納車後いちばんに選んだ純正アクセサリーはホイールである。元々装着していたシルバー塗装の5スポークデザインから、一度ブラック仕上げのものに変更して、いまはダイヤモンドポリッシュの10スポークホイールを履く。その繊細な光沢は、やはり向山さんが後付けで装着したフロントのクロム仕上げの格子状グリルとマッチしている。

ちなみに、黒のホイールはまだガレージの隅に眠っているそうだ。

「スタッドレス用にしようと考えていまして」

実は向山さん、雪原をFFが走るムービーをインターネットで見て以来、「こういうクルマで雪の中を走りたい」とずっと考えていたという。フェラーリ初の4輪駆動(正式名は4RM。基本的にはFRで、1〜4速時のみ後輪のスリップを検知すると4WDシステムとなるオンデマンド式)、スキー場にも行けるキャバリーノ・ランパンテに向山さんの心が傾いたのは、当然といえば当然のことだったのかもしれない。

フェラーリ フォー GENUINE装着車のテールイメージ

雪道を奔るキャバリーノ・ランパンテ

富士スピードウェイで開催された日本で初めてのF1グランプリ。お金がないから芝生の方の席で、じっとマシンの音に耳を澄ました子供時代。風吹裕矢のロータス ヨーロッパにも憧れたし、73カレラもかっこよかった。ディーノの美しさに心奪われ、カウンタックに驚き、スーパーカーのカタチは頭の中にすっかり入っていた。青森の大学時代、自動者雑誌の編集部員になりたいと、わざわざ東京まで面接に出かけたこともあった。

そして今もやっぱり向山さんは根っからのクルマ好きだ。ガレージには屋根もドアも、フロントウインドウさえもない英国製のスポーツカーや、水平対向エンジンをミッドシップに積んだドイツ製のオープンカーも収まっている。仕事で使うデスクの壁には、クルマのリトグラフに、カレンダー。PCのデスクトップには愛車FFのステアリングホイールが大写しになっている。そしていまも、FFの用意万全整えて、いずれまっ白な雪道を思う存分走れる日が来るのを待っている。

今年の冬は、難しいかもしれない。でもいつか。夢中で無心で走り回った奥入瀬の道を、雪を盛大に巻きあげFFを走らせる日がきっとやってくるはずだ。あの日あの時の大学生みたいに。

フェラーリ フォー GENUINE装着車のリヤビュー

PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

取材協力/コーンズ モータース