BMW 530e M Sport Edition Joy+は高速道路60km/h以下限定でハンズオフOK、コイツは新時代のMスポーツ!by清水和夫【SYE_X】

■「走る・止まる・曲がる」の自動化技術が抜群!

●Dレンジの右足だけでギヤ選択が可能、パドルみたいな余計なことなんかしないでイイ by 清水和夫

今回ご紹介する、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんの試乗は、BMWのPHEV「530e M Sport Edition Joy+」。フットワークチェックのワインディングドライブと、自動運転レベル2のハンズオフ機能を確かめるためのハイウェイテストです。

●新時代のMスポーツを清水和夫が試す!

BMW 530e M Sport Edition Joy +
BMW 530e M Sport Edition Joy +を清水和夫が試す!

今乗っているのはBMWの新しい5シリーズ、BMW 530e M Sport Edition Joy +…ちょっと長い名前なんだけど、要はプラグインハイブリッド(PHEV)のMスポーツモデル。

走りは電動車という感じじゃないね。M5のような強烈な個性というわけではないけど、乗り心地、ドライバビリティ、安全、環境性能含め、これが新しい時代のMスポーツという感じ。

BMW 530e M Sport Edition Joy +
いや~気持ち良く走るわ!

M550i xDriveのV8に乗ると、そちらは今までのBMWの価値観の延長線上にあり、コチラのPHEVは新しいBMW。実際、乗ってみるとエンジンは4気筒だから軽いし、バッテリー10kW強が入っているので重心が低いというのは当然。

多分、バッテリー回りはフロア含め、安全性を考えてしっかりとボディを固めているので、足腰が凄くガチっとしていて、でもサスペンションはしなやか。

BMW 530e M Sport Edition Joy +のエンジン
直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載。

走るとモーターがあるので8速ATとエンジンとの協調が見事。一定速でクルージングしているときにアクセルペダルをバン!と叩くと、エンジンが最大回転数まで瞬時に上がる。Dレンジでもドライバーの右足の動きだけでギヤ選択ができ、パドルを使わなくてもいいというところも、ドライバーの意思がクルマに伝わる。

こういったところは元々、BMWは得意だったんですけど、さらに電動車両でもクルマと人のインターフェイスが良くなっていますね。

●3つの目でしっかりレーンキープ

BMW 530e M Sport Edition Joy +
しっかりとしたボディにしなやかなサスペンション。

今、セットボタンを押してレーンキープの状態ですけど、ステアリングの反力がしっかりしているので、システムがパワーステアリングのアシストをした時がすごく良く分かりますね。

BMW 530e M Sport Edition Joy +のコクピット
BMW 530e M Sport Edition Joy +のコクピット

何よりも重要なのは、カメラで正確に白線を読むこと。コンピューターで電動パワステをちょっと動かすところがあり、そのときのクルマの動き方が、上手いドライバーが運転したときと同じような動きが作れれば最高! BMWはそういったところに凄くこだわりを持っていますから、センサーとコンピューターの認知・判断のところだけではなく、自動加速・自動減速・自動操舵、この3つの「走る・止まる・曲がる」の自動化技術が見事にバランス良く出来上がっています。

いや~、気持ちイイなぁ。

BMW 530e M Sport Edition Joy +
アクセルをバンと踏むだけでその時の最適ギヤへダウンしてくれます。

ちょっと驚いたのは、このトルコンAT。今はクルージングなので一番高いギヤに入っていると思いますけど、アクセルをボンと蹴っ飛ばすとワンッ!とその時の最大回転数のギヤまで瞬時に落ちるんですね。落ちてもガクッとしたショックが無いので、多段化したATとエンジンとのマッチングが本当に素晴らしいです。

右足のアクセルの踏み方だけでギヤの調整が出来るし、ギヤダウンもスムース。パドルシフトが要らないですね。変にマニュアルモードにするとか、そういう余計なことをしなくても、ベースのDレンジで物凄く上手に走れます。

荒れた路面だけど乗り心地は悪くないね。ダンピングが良いから、多少バツンバツンと固めのサスの入力を受けても、ブルンッとバネ上が震えないのですごく気持ちよくクルマがダンピングしている感じがあります。

●高速道路限定、60km/h以下限定でハンズオフも可能なレベル2搭載

新しいBMW、ハンズオフの機能とACCレベル2の機能がありますので試してみますね。

ハンズオフ
高速道路限定、60km/h以下限定でハンズオフも可能。

BMWは、実は日本メーカーよりも先にハンズオフ機能を市場に出しました。考え方は、60km/h以下、この状態で手を離すことが出来ます。BMWでは、ステアリングをドライバーが握っているかどうかは、静電気で判断しているので、ハンドルにタッチしていればいいんですね。

このわずかに触るか触らないかでハンズオンの状態を検知できるんですが、さらに一歩進めてハンドルから完全に手をちょっと放してもハンズオフの状態が続くので、ここがすごくシームレスというか、実際にリアルワールドでドライバーの気持ちが良く理解されているクルマだと思いますね。

ハンズオフを使うには条件がいくつかあり、まずは高速道路のみ、もうひとつは速度が60km/h以下。今、時速54km/hなのでずっとハンズオフの状態。ACCで前のクルマをロックオンしているので、設定速度は高速道路の規制速度に合わせて80km/h。

ハイウェイテスト
自動での車線変更は、レベル3で可能になる技術です。

前のクルマが60km/h以上のスピードに上がったときに、こちらも追従しながら80km/hまで自動的に速度を上げていきますが、60km/hを超えるとハンズオフは止めましょう、という合図が出ます。今、前のクルマのスピードが上がりました。こちらは60km/h…、60km/h超えました。あ! ぴったり60km/hを超えた瞬間にハンドルマークが出て「ハンズオンしてください」という合図が出ました。

60km/hを超えたのでドライバーはBMWからの指示に従ってハンズオンの状態にしていますけど、もしクルマからの要請に応じないでハンズオンしない場合…たとえばドライバーが寝ちゃったんじゃないかとか、病気でおかしくなっちゃったんじゃないか?と懸念した場合は、緊急自動停止の措置を講じます。

BMW 530e M Sport Edition Joy +のフロントビュー
BMW 530e M Sport Edition Joy +のフロントビュー。
BMW 530e M Sport Edition Joy +のリヤビュー
BMW 530e M Sport Edition Joy +のリヤビュー。

今、前のクルマが急に割り込んだんですけど、自然に70km/hくらいまでスピードを落としましたね。急にブレーキをウンッと踏む感じではなく、非常に上手いドライバーがあたかも走っているように、自然にスピードを調整してくれました。

このレベル2の状態ですけど、60km/h以下で手を離すことが出来るし、ウインカーを出すと自然に車線変更します。今、ハンズオンの状態だけどハンドルに手を触れています。車線変更はやはりハンズオンの状態でないとやらせていないですね。ハンズオフの車線変更はレベル3の世界で達成できることだと思います。

(試乗&レポート:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

BMW 530e M Sport Edition Joy +の主なスペック
BMW 530e M Sport Edition Joy +の主なスペック。

◼SPECIFICATIONS
車名:BMW 530e M Sport Edition Joy +
全長×全幅×全高:4975×1870×1485mm
ホイールベース:2975mm
トレッド(前/後):1600/1595mm
車両重量:1910kg
最小回転半径:5.7m
乗車定員:5名
エンジン:B48B20A 直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1998cc
最高出力:135Kw(184ps)/5000rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1350〜4000rpm
モーター最高出力:80kW(109ps)/3140rpm
モーター最大トルク:265Nm(27.0kgm)/1500rpm
WLTCモード(ハイブリッド燃料消費率):12.8km/L
駆動方式:後輪駆動
トランスミッション:電子制御油圧式8速AT
サスペンション形式(前/後):ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(前/後とも):ベンチレーテッドディスク
タイヤ(前/後):245/40R19/275/35R19
車両本体価格(税込):8,400,000円