ポルシェが「ターボ」という名称に込める信条。911が生んだ「永遠の称号」は引き継がれる

ポルシェが「ターボ」という名称に込める信条。911が生んだ「永遠の称号」は引き継がれる

911のフラッグシップの称号として

ポルシェにとって、「ターボ」は単なる部品名ではない。過去45年にわたり、それは911のフラッグシップを象徴する称号であり、最も速く最も刺激的な、最高の2+2スポーツクーペにこそ与えられる単語となった。いつか「ターボ」はポルシェの全ラインナップにおける旗艦モデルの代名詞となったのである。

現代の“ミスター911”、フランク・シュテファン・ヴァリザー博士(911開発責任者)は、ポルシェ・ターボという彼らにとっての原理について、次のように語っている。

「ターボはビジュアルの差別化はもちろんですが、なによりフィーリングそのものに違いが無くてはなりません。デザインをはじめ、シャシーやエンジンに他モデルとの明確な差を作り出すために、相当の労力を費やす必要があるのです」

フランク・シュテファン・ヴァリザー博士(911開発責任者)と新型911ターボ

992型のターボSは650psを発揮

新型の911ターボを例にとってみよう。大型のリヤウイングやフロントスポイラー、ワイドなスタンスは歴代911ターボに相通ずる特徴だ。

搭載する3745ccの6気筒水平対向ユニットは、「ターボ」が580ps、「ターボS」で650psを発揮。ベースモデルから優に200ps超も上回る圧倒的なパワーは、やはりいにしえからの称号に欠かすことのできない要素である。

歴代ポルシェ911 ターボイメージ

シャシーの性能を最大限に引き上げる

さらに、ターボは常にパフォーマンスのベンチマークを築く存在でなけれなならない。

新型では最新の4輪駆動システム(PTM)や、電子制御式冷却エアフラップやアクティブフロントスポイラーを備えたアダプティブエアロダイナミクス機構、10ピストン固定キャリパー付きPCCBセラミックブレーキシステムなどを総動員してシャシーのポテンシャルを最大限にまで高めている。

歴代ポルシェ911ターボのテールイメージ

EVにも「ターボ」の銘が相応しい理由

そして「ターボ」の称号は、SUVのカイエンやセダンのパナメーラ、そしてEVのタイカンにまで継承されている。タイカンはもちろんターボチャージャーの類は搭載していないが、ポルシェが継承する命名の原理原則(最も速く最も刺激的な、最高のバリエーション)に則り、最強グレードには「ターボ」の名前が充てられた。

なにしろタイカンの「ターボS」は最高出力625ps(オーバーブースト時761ps)/最大トルク1050Nmを発生し、0-100km/h加速は2.8秒という驚異のパフォーマンスを実現している。その圧倒的な加速性能に対応するべく、ブレーキシステムにも同社の市販車史上最大クラスの420mm径セラミックディスク+10ピストンアルミ固定キャリパーを採用。性能という点ではポルシェ・ターボの銘を冠するのにまさしくふさわしい。

歴代ポルシェ911 ターボの俯瞰イメージ

ポルシェは将来のプロダクトを「電動化」「プラグインハイブリッド」「ガソリンエンジン」の3本柱で展開していくという。EVであろうとHVであろうと、水平対向エンジンであろうと、これからも“ポルシェ・ターボ”は王者だけに許された称号であり続ける・・・とポルシェは断言している。