マツダ「CX-30」がカーデザインオブザイヤー受賞! 日本自動車殿堂が考える自動車デザイン賞の意義とは?

■「2020~2021 カーデザインオブザイヤー」にマツダの「CX-30」が選出!

自動車殿堂・メイン
カーデザインオブザイヤーを受賞した「マツダ CX-30」

自動車開発の専門家で組織されるNPO法人「日本自動車殿堂」が主催する「2020〜2021日本自動車殿堂カーデザインオブザイヤー」に、マツダの「CX-30」が選ばれました。

国内外で設けられるデザイン賞の中で、この賞にはどんな意義があるのか? さっそく選考委員に話を聞いてみました。

●チャートによる客観的な評価が特徴

── まず最初に、貴会ではカーデザインの役割についてどのように捉えているのでしょうか?

「自動車デザイナーは、個人やアイテムによってそのプライオリティは必ずしも同一ではありません。しかし間接的なことも含め、クルマと接する人の持つ五感に、心地よさ、安心感、嬉しさなどを与え、幸せを感じ取っていただくことを目的として活動しています」

── 選考委員はどのように選んでいるのでしょうか?

「自薦と他薦がベースで、その案をイヤー賞選考委員会で審査・決定、理事会の承認を得ます。また、推薦の基本はデザインに絡む学識経験者、大学教授、専門職、教職経験者、研究機関出身者など。さらに、自動車メーカーや同研究機関でのデザインを含む車両開発の実務経験者、研究開発管理者を対象としています」

自動車殿堂・チャート
賞は客観的な項目によるチャートで評価される

── 国内外には様々なデザイン賞がありますが、本賞独自の意義はどこにありますか?

「他の賞は自動車媒体やジャーナリストが選考しているのに対し、先のとおり学識経験者、専門職、教職、学術経験者、自動車研究の開発職、開発実務経験者、自動車研究機関の研究者など、総合集団あるいは専門職集団による評価であることだと思います」

── 選考評価のチャートはどのような意味があるのですか?

「これについては代表的な6項目を示したのみで、選考委員が独自に各項目の重み付けをすることができ、自由に評価点を付けることが可能なのです。人間の感性をもって、そのコンセプトに基づき、専門的視点や市場の顧客視点で、客観的に本質・理論・技術・表現力を評価します。選考は性能評価ではなく感性評価です」

自動車殿堂・授賞式
カーデザインオブザイヤー授賞式の様子

── 選考項目の中に「経済性」「安全性」「環境性」が設けられているのはなぜですか?

「あくまでも車両デザインの視点で、自動車開発の総合デザイン(産業・工業・製品など)として、専門的見地から生産性やコストなどの「経済性」、室内外突起や材質等の「安全性」、内外装材質やカラーコーディネート、リサイクル等の「環境性」の観点で評価するということです」

●自動車研究開発の将来を見据えた賞

── 今回のマツダ「CX-30」の受賞理由はどこにありますか?

自動車殿堂・CX30
アートの領域に届いたマツダ・デザイン

「プレスリリースにもありますが、アートの領域に迫るデザインコーディネイト、走りを主張させるエクステリアデザイン、安心して楽しめるインテリアデザイン、以上3点がすべての投票内容に集約・要約された決定内容となります」

── 最後に。今後、この賞が目指すものはどこにあるとお考えですか?

「自動車の開発研究には幅広い知識や学問、技術、見識などが要求されます。表彰は車両だけでなく、開発エンジニアやデザイナーなどの開発グループにモチベーションを与え、意識付けを行い、さらに次世代を担う若手の健全な育成に寄与することで自動車研究開発の将来への布石とすることです。また、開発の記録を残すことで歴史を刻み、夢のある未来のクルマ社会、世界構築に貢献できる歴史の一助になることと考えています」

── 狭い意味のデザインに止まらず、自動車開発の広い知見に貢献するということですね。本日はありがとうございました。

●語る人
イヤー賞選考委員会
委員長 寺本 健
副委員長 坂口 善英

(インタビュー・すぎもと たかよし)