WRCモンツァ:オジエがトヨタ5人目の世界王者に。代表退くマキネン「チーム全員に感謝」

 12月6日、WRC世界ラリー選手権第7戦モンツァの競技最終日、デイ4がモンツァ・サーキットで行われ、シリーズチャンピオン獲得を目指して戦うTOYOTA GAZOO Racingはセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタ・ヤリスWRC)が前日から首位を維持して総合優勝を飾り、自身7度目となるワールドチャンピオンに輝いた。チームメイトのカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合5位、デイ3でコースオフを喫したエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)は再出走を果たし総合29位でラリーを完走している。

 大雨や降雪の影響もあり波乱に満ちた展開となったWRC初開催のラリー・モンツァ。2020年シーズンを締めくくる同イベントの最終日はサーキット内で計3本のステージ、SS14~16が行われた。
 
 その最初のステージとなったSS14では、デイ3終了時点で首位に立ち総合2番手に17.8秒のギャップを築いていたオジエがベストタイムをマーク。その差を25.5秒にまで広げると、続くSS15、最終SS16をミスなく走りきり、最後は2位となったオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)に13.9秒の差をつけて今季2度目の総合優勝を飾った。
 
 この勝利によってランキング2番手につけていたオジエが獲得ポイントでエバンスを上回り、自身7度目のドライバーズチャンピオン獲得を決め、トヨタのドライバーとしてはカルロス・サインツ(1990、1992年)、ユハ・カンクネン(1993年)、ディディエ・オリオル(1994年)、オット・タナク(2019年)に続く5人目のワールドチャンピオンとなっている。

「信じられないような週末だったし、本当に、本当に難しいラリーだったよ」と2018年以来の王座に返り咲いたオジエ。

「間違いなく最終ステージは自分のキャリアの中で、あまり楽しめないステージのひとつだった。路面がとても荒れていたので、とにかく生き残り、ミスをしないように走ったんだ」

 そのオジエと最終戦までタイトルを掛けて戦ってきたエバンスは、前日のコースオフによるデイリタイアからラリーに復帰。総合29位でフィニッシュし最終的にオジエに次ぐ選手権2位で、コロナ禍によるイレギュラーなシーズンを終えることとなった。

「セブ、ジュリアン、タイトル獲得おめでとう」とチームメイトを祝福したエバンスは、選手権2位は望んでいた順位ではないが、それでも決して悪くない結果だと語った。

「TOYOTA GAZOO Racingでの1年目は本当に楽しかったし、チームのモチベーションはとても高いので、今後も改善を続けていけば来年はさらに上の順位を得られると信じている」

エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ
エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ
カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ
カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ

■トミ・マキネン「これからも彼らのフォローを続ける」

 最高峰クラスのルーキーイヤーを過ごしたロバンペラは総合5位でフィニッシュし、ポイントを持ち帰ることに成功した。今季は7戦中6戦でトップ5フィニッシュを果たす安定感のある走りをみせるとともに“パワーステージ”では最多タイとなる2度のベストタイムを記録するなど持ち前のスピードを発揮。最終的なドライバーズランキングは5位となっている。

 また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムを通じて今戦にヤリスWRCで参戦した勝田貴元は最終日も好調を維持し、オープニングのSS14で4番手タイムをマークすると、パワーステージに設定された最終SS16ではWRC参戦後初のベストタイムを記録してみせた。順位こそ初日のデイリタイアが響いたことで総合20位と沈んだものの、たしかな成長をタイムで証明してみせた。

「今年もドライバーズタイトルの獲得に成功し、しかも選手権2位も獲得できたので素晴らしい気分だ。ドライバーもコドライバーも、皆本当に良くやってくれた。良いシーズンだったよ」と語るのは、今大会をもってチーム代表から退くトミ・マキネンだ。

「セブ(セバスチャン・オジエ)が7回目のタイトル獲得を、我々のクルマで成し遂げてくれたのは信じられないくらいうれしいことだし、エルフィン(・エバンス)も我々が契約を結んだ時の期待にしっかり応えてくれた」

「そして、チームの全員にも感謝している。彼らは本当に素晴らしい仕事をしてくれましたし、今後もこれまでと変わらずいい仕事を続けてくれるだろうと確信している」

 2021年以降はトヨタのモータースポーツアドバイザーに就任するマキネンは最後に「今回の結果は、強固なチームワークと、皆の頑張りによってもたらされたものだ」と述べ、「これからも間近で彼らのフォローを続け、つねに見守っていきたいと思う」と続けている。

勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ
勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ
セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ
セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) 2020WRC第7戦モンツァ
TOYOTA GAZOO Racing WRT 2020WRC第7戦モンツァ
TOYOTA GAZOO Racing WRT 2020WRC第7戦モンツァ