日本の希望、F1への権利確定。角田裕毅が最終戦見事な追い上げで2位&ランキング3位【FIA-F2第12戦バーレーン レース2】

 12月6日(日)、2020年FIA-F2第12戦バーレーンのスプリントレース(決勝レース2)がバーレーン・インターナショナル・サーキットの高速レイアウトで開催され、ユアン・ダルバラ(カーリン)が優勝。8番グリッドからスタートした日本の角田裕毅(カーリン)は2位表彰台を獲得しポイントランキング3位でシーズンを終了、佐藤万璃音(トライデント)は16位だった。

 シリーズ王座争いは215点のミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)と201点のカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)の一騎打ち。アイロットは1位もしくは2位+ファステストラップがマストだ。

 また角田がシーズン2位となるには優勝+ファステストラップが最低条件だ。加えてシーズン3位を自力で確定するには、角田が6位もしくは7位+ファステストラップ以上が必要となり、ロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)が優勝+ファステストラップを逃した瞬間にシーズン順位が決まる。

 視程は確保できるものの砂と靄(もや)が目立つサクヒール。気温26度、路面温度33度でドライコンディション。規定周回数は34周、タイヤ交換義務はなし。

 ポールポジションにはダニエル・ティクトゥム(ダムス)、2番手はユアン・ダルバラ。3番手にシューマッハー、4番手にアイロット、シュワルツマンは5番手。

 フィーチャーレース(決勝レース1)で優勝しシーズン4位以上を確定させた角田は8番手、佐藤は17番手につける。日本時間21時20分に今シーズン最後のフォーメーションラップが開始した。

 ホールショットはティクトゥムが奪いシューマッハーが2番手に上がるもターン4のブレーキングでタイヤをロックさせ1つ後退。角田は12番手までドロップして1周目を完了した。

 ティクトゥム、ダルバラ、シューマッハーの上位3台は後続よりも1秒以上速い1分5秒台で周回しギャップを築いていく。そんなシューマッハーは無線でフラットスポットを訴えながらもダルバラを抜き2番手へ。また角田は1周1台のペースでマシンを抜いていき4周目には9番手となる。

 角田は6周目のターン1でニキータ・マゼピン(ハイテックGP)をインからを抜き去りポイント圏内の8番手に。さらに1分4秒812のファステストラップを刻みながら周回を重ねていく。

 8周目、マシンの振動が目立ち始めたシューマッハーをダルバラがターン4の進入で並びオーバーテイク。タイヤマネジメントに徹したい思惑とは裏腹に各所では1秒以内の間隔で前後を気にする展開となった。

 11周目、ルイ・デレトラズ(チャロウズ・レーシング・システム)のバージボートと思われるパーツが1つホームストレート上に転がったためバーチャル・セーフティ・カー(VSC)が導入。ここは迅速な回収が行われVSCはすぐに解除された。

 その2周後、ダルバラが首位ティクトゥムの0.683秒後方に急接近。そしてトップから7番手のフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)までがホームストレート上で一画面上に収まる距離となる。

 ダルバラは毎周のようにティクトゥムのサイドへマシンを並べるが抜ききれず。これにより後方勢はそれぞれ0.3〜0.4秒差となる。これによりクリーンな状況で走行する角田は1周1秒近いペースでパックに近づき、18周目には7番手ドルゴヴィッチとは1.6秒差に。

 その翌周、タイヤに限界を迎えたシューマッハーがライバル勢に交わされやむなくピットイン。ソフトタイヤに交換し20番手でコース復帰する。また角田はドルゴヴィッチを最終コーナー手前で抜き6番手となった。

 ダルバラはホームストレートでイン側からティクトゥムを追い抜きにかかるもコース外までブロックされる走りで順位を上げられず。ダルバラは25周目の最終コーナーでようやく捉え首位に浮上する。

 後方では周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)とシュワルツマンが4番手争いを数周に渡りバトルする。その様子を見ながらチャンスを虎視淡々と狙っていた角田が24周目から順に抜いていき26周目にはアイロットも捉えて表彰台圏内の3番手に到達した。

 残り5周となった30周目の時点でトップはダルバラ、2番手にティクトゥム、その2.6秒後方にふたりよりも0.5秒以上速いペースで3番手角田。またアイロットが7番手に後退した。

 32周目、タイヤが厳しくなったアイロットがなす術なく順位を下げポイント圏外の10番手までドロップ。前方では角田が2番手ティクトゥムの0.8秒差に接近。33周目の最終コーナーで追い抜き2番手に浮上。

 しかしティクトゥムがホームストレートで角田のスリップに入り1コーナーで抜き返す。だが角田は最後まで全力を尽くし最終コーナーを回ったところで2番手を奪い返しそのままチェッカー。

 ダルバラが優勝し角田は2位でカーリンの2台がワン・ツー・フィニッシュ。3位にはティクトゥムが入り佐藤は16位でゴールした。

 王座争いを繰り広げたアイロットは10位、シューマッハーは18位とともにノーポイントでフィニッシュし、シューマッハーがシリーズチャンピオンを獲得している。

 そしてファステストラップも記録した角田は今季7度目の表彰台獲得、シリーズランキング3位でシーズンを締めくくることとなった。

編集部計:2020年FIA-F2ポイントランキング上位6台 得点推移
編集部計:2020年FIA-F2ポイントランキング上位6台 得点推移

 最終的なポイントランキングトップ6は1位に215点のシューマッハー、2位に201点のアイロット、3位に200点の角田、4位に177点のシュワルツマン、5位に164点のマゼピン、6位に151.5点の周冠宇となった。

 レース後のインタビューで角田は「(この結果は素晴らしくて)信じられません。先週は予選で失敗しすごく難しい週末で、残念でした。それでもチームはシーズンを通じていつも私をサポートしてくれて、カーリン、そしてレッドブル、もちろんF4からサポートしてくれたホンダにも心から感謝したいです」とコメントした。

 またF1について質問されると「それについてはまだコメントできません。レッドブルからお知らせできることを願っています。来年はぜひ日本のファンの前、鈴鹿でレースできることを願っています」と語った。

 さて2021年シーズンは週末に3レースが行われるレースフォーマットが変更され、全7戦21レースが開催される。今季FIA-F3王者でルノー育成の19歳、オスカー・ピアストリはプレマ・レーシングから参戦することが決定。ピアストリと3点差の選手権2位だったザウバー育成で17歳のテオ・プルシェーもステップアップが濃厚であり、来季もF1育成ドライバーを中心に白熱した戦いが展開されそうだ。

■FIA-F2第12戦バーレーン スプリントレース(決勝レース2) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 8 J.ダルバラ カーリン 34Laps
2 7 角田裕毅 カーリン 3.561
3 2 D.ティクトゥム ダムス 3.902
4 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 5.615
5 21 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 7.585
6 14 G.アレジ MPモータースポーツ 9.040
7 25 L.ギオット ハイテックGP 11.093
8 15 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 13.878
9 24 N.マゼピン ハイテックGP 14.536
10 4 C.アイロット ユニ・ヴィルトゥオーシ 16.023
11 12 P.ピケ チャロウズ・レーシング・システム 16.157
12 6 C.ルンガー ARTグランプリ 17.051
13 11 L.デレトラズ チャロウズ・レーシング・システム 20.176
14 5 M.アームストロング ARTグランプリ 21.844
15 22 R.ニッサニー トライデント 23.639
16 23 佐藤万璃音 トライデント 26.089
17 1 S.ゲラエル ダムス 26.559
18 10 G.サマイア カンポス・レーシング 26.759
19 20 M.シューマッハー プレマ・レーシング 28.529
20 16 A.マルケロフ BWT HWAレースラボ 59.769
21 17 T.プルシェー BWT HWAレースラボ 1Lap
9 R.ボシュング カンポス・レーシング DNF