山本尚貴がレコードタイムを1.4秒削る圧巻の走りでポール獲得。平川はまさかのトラブルで勝負できず【第5戦鈴鹿予選】

 12月5日(土)、2020年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選が行われ、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がコースレコードを1.4秒塗りかえてポールポジションを獲得。2番手には野尻智紀(TEAM MUGEN)が入り、前戦オートポリス大会で緊迫のトップ争いを繰り広げた2台が今大会の予選でも息をつかせないような戦いを展開した。

 一方で、ポイントリーダーで鈴鹿にやってきた平川は前日の公式練習でトップタイムをマークしポール獲得の可能性があったものの、予選走行直前にまさかのトラブルに見舞われ、マシンに乗り込むこともなく勝負の機会を失ってしまっている。

 第4戦終了時点のランキングで振り分けられるQ1の組み分けは、A組がニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、山本、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、大嶋和也(ROOKIE Racing)、笹原右京(TEAM MUGEN)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、シャルル・ミレッシ(Buzz Racing with B-Max)、牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)というラインアップで、定刻9時10分にスタートした。

 10台のうち、フェネストラズ、山本、笹原、牧野の4台はチェックラップの後にピットイン。キャシディは一旦、1分36秒902をマークしてからピットに戻ってきた。それぞれニュータイヤを装着して、残り3分のところで再びコースへ。

 まずはミレッシが1分36秒053でターゲットタイムを記録すると、続いてフェネストラズが1分36秒029で上回ってみせる。さらに石浦が1分35秒800とコースレコードを更新すると、その後は続々とトップタイムが塗りかえられていった。

 最終的にトップ通過を果たしたのは山本で1分35秒153を記録。キャシディが0.2秒差で2番手につけ、笹原が1分35秒480で3番手通過を果たした。

 コースインラップの後に1周のウォームアップラップを挟んでアタックを開始した小林が1分35秒547で4番手。以下、牧野、石浦、関口までがQ2進出を果たした。フェネストラズ、ミレッシ、大嶋の3台はQ1敗退を喫した。

 B組は、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、山下健太(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(carrozzeria Team KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、野尻、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(Buzz Racing with B-Max)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)という顔ぶれに。

 B組の予選開始が迫るなか、モニターにはピットの隅でエンジニアと話し込んでいる平川の姿が映し出される。その次の瞬間には、ノーズを外されて高馬に載せられるマシンの姿が。

 開始直前に駆動系のトラブルが見つかったようで、平川は残念ながら予選出走は断念することに。前週、わずか数百メートルでスーパーGTのタイトルを逃した悪い流れから立ち直るチャンスだったが、そのための勝負すらさせてもらえず、ヘルメットを被ったまま、ピットの奥へと姿を消して行った。

 衝撃のスタートとなったB組予選は、A組と比べて全体的にタイムが伸び悩んだ。トップ通過は福住で、1分35秒601。国本が1分35秒636で2番手につけた。以下、大湯、松下、坪井、中嶋、野尻までがQ2進出を決定。

 山下は1分36秒333で8番手となり、A組のフェネストラズと揃ってKONDO RACINGは2台ともにQ2進出を逃すことになった。また、カルデロンも9番手で予選終了となった。

■20台中、14台がコースレコードタイムを上回る、ハイスピードな展開

 9時50分から始まったQ2は、周りが開始早々にチェックラップに向かうなか、山本はピットで待機。ほぼ全車がピットに戻ってきた残り7分のところでコースインすると、コース上がクリアな状態でアタックし、1分35秒055をマークした。

 残る13台は、3分を切る辺りで続々とコースイン。KCMGの2台はウォームアップラップを挟むためか、それよりもやや早くコースインしている。

 まずはキャシディが1分35秒598で暫定2番手につけるが、すぐさま野尻と笹原がこれを上回った。さらにNAKAJIMA RACINGの2台、福住らHONDAエンジンユーザーがキャシディよりも速いタイムを記録していき、キャシディのポジションはどんどんと下がってしまう。

 ウォームアップラップを挟んだKCMGの2台は、国本が1分35秒429でギリギリ8番手に入ったが、最後にチェッカーフラッグを受けた小林が1分35秒338で5番手に入り、国本は9番手に押し出されることに。以下、関口、キャシディ、松下、坪井、石浦の6台がQ3進出を逃すことになった。

 Q3開始と同時にニュータイヤでピットを出ていったのは山本とNAKAJIMA RACINGの2台で、山本はこのタイヤでQ2までのトップタイムを大きく塗り替える1分34秒749をマーク。大湯は1分35秒099、牧野が1分35秒174をマークしてピットに戻ってきた。

 残る5台のうち、TEAM MUGENの2台と小林はユーズドタイヤでチェックラップ。最後のアタック合戦は残り時間が3分を切ったところからで、牧野、野尻、笹原、大湯、山本の順でコースへ入っていった。

 先にアタックに入った野尻が、セクター1で山本のタイムをわずかに上回り全体ベストを表す赤文字が表示される。しかしすぐさま山本がさらに0.2秒詰めて見せると、セクター3では野尻がまた全体ベストをたたき出すなど、セクターごとに山本と野尻がお互いのタイムを破りあっていった。

 先にチェッカーフラッグを受けたのは野尻で、1分34秒648。暫定トップに立つも、セクター3が野尻と同等のタイムだった山本がセクター4で自己ベストを縮め、1分34秒533で野尻のタイムを上回った。

 これで、第5戦のポールポジションを獲得したのは山本。現行のコースレコードをなんと約1.4秒も削って新たなコースレコードが樹立された。

 2番手には野尻が入り、オートポリス大会でワン・ツーを飾った2台がここ鈴鹿でも激しい戦いを繰り広げそうだ。3番手に入ったのは福住。Q3進出車両のうち、トヨタユーザーの2台は中嶋が4番手、小林が6番手となっている。

 予選を戦うことができなかったポイントリーダーの平川は、果たして決勝スタートまでにトラブルの修復は間に合うのか。そして、最後尾からスタートする決勝で悪い流れを断ち切ることはできるのか。

 30周で争われる第5戦決勝は13時15分、スタート予定となっている。

2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 Q1走り出し目前でトラブルに見舞われた平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 Q1走り出し目前でトラブルに見舞われた平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 約コンマ1秒差でポールを逃した野尻智紀(TEAM MUGEN)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 約コンマ1秒差でポールを逃した野尻智紀(TEAM MUGEN)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 予選3番手につけた福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2020年スーパーフォーミュラ第5&6戦鈴鹿 予選3番手につけた福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)