F1サクヒールGP木曜会見(2):ラッセル、深夜2時の電話で代役決定。メルセデス特有の問題にも対処

 バーレーンの衝撃は、レースでのクラッシュだけでは終わらなかった。レース翌日の11月30日には、そのレースで優勝していたルイス・ハミルトン(メルセデス)が不調を訴え、新型コロナウイルスの検査の結果、陽性反応となったことを発表。今週末開催されるF1第16戦サクヒールGPの欠場を発表した。

 そこで代役として白羽の矢が立ったのが、メルセデスと育成契約を結んでウイリアムズからF1に参戦しているジョージ・ラッセルだった。

 サクヒールGPの木曜日の会見に、メルセデスのチームウェアに身を包んで登場したラッセルは、最初にメルセデスからコンタクトがあったときの状況を、笑みを浮かべてこう振り返った。

「月曜日の深夜2時にトトから電話が入ったんだ。でも、そのとき僕はバスルームにいて。ちょっと手間取りながら、電話に出たんだ。そうしたら、トトが『ジョージ、いまバスルームにいるのか?』と言われて、『すみません、そうです』と答えるしかなかったんだ(笑)」

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2020年F1第16戦サクヒールGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 その後、ウォルフはハミルトンが新型コロナ検査で陽性となったことを説明した後、ラッセルにこう言ったという。

「幸い彼の体調は悪くなく、ほとんど症状はないが、レースには出られない。だから、我々は代役が必要になった」

 そして、ラッセルは次のように即答した。

「わかった、やるよ」

 それからはほとんど眠れなかったというラッセルは夜が明けて、スマホをチェックして驚いた。

「64件の着信があったんだ。しかも、すべて違う人からね。だから、最終的にそうなって(ハミルトンの代役としてメルセデスからサクヒールGPに出場することになって)よかったよ」

 過去に何度かメルセデスのマシンでテストし、ファクトリーでシミュレーターも操縦してきたラッセルにとっては、マシンもスタッフもよく知っているので、メルセデスからレースに出場することは心配はしていないという。しかし、ハミルトンのマシンに乗って参加することが少し大変だという。

「じつはコクピットの足元のスペースが狭いんだ。僕は靴のサイズが11(日本の29cm)なんだけど、10(日本の28.5cm)のシューズに変更してレースすることにしたんだ(ちなみにハミルトンは9)」

 果たして、今シーズン、ノーポイントのウイリアムズからやってきたラッセルが、チャンピオンマシンのメルセデスに乗って、どんな走りを披露するのか。今回の一件はハミルトンには気の毒だが、『成績に占めるマシンとドライバー割合』を知るまたとない機会となるだけに、楽しみな一戦でもある。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2020年F1第16戦サクヒールGP ルイス・ハミルトンの代役としてメルセデスのマシンをドライブするジョージ・ラッセル