【F1第15戦無線レビュー(3)】単独走行中のペレス「何も無線が来ないけど、みんな寝ちゃった?」

 2020年F1第15戦バーレーンGP決勝レースは、スタートから大クラッシュが発生。幸いにもロマン・グロージャン(ハース)は自力でコクピットを脱出し、最悪の事態は免れることになった。その後、再開されたレースを無線とともに振り返る
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 ダニール・クビアト(アルファタウリ)との接触事故で横転したランス・ストロール(レーシングポイント)のマシンを撤去するために、レースはセーフティカーが導入される。するとメルセデスからバルテリ・ボッタスへ無線が飛ぶ。

メルセデス:ターン3と4で最初のスタート直後の事故でコース上に落ちていたと思われるデブリを拾ってパンクしている

 これでボッタスはピットインし、4番手から16番手へ後退。8周を終了したちところで、セーフティカーが退去して、レースは9周目にローリングスタートによって再開される。

 2番手のフェルスタッペンがマシンの違和感を訴える。

フェルスタッペン:僕のマシンは至る所でカンガルーみたいに跳ねまくっているよ

 3番手のセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)は快調な走り。

レーシングポイント:プランAのままでいく

 18周目、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がタイヤに不調を訴える。

ハミルトン:リヤタイヤがオーバーヒートし始めている

 19周目にハミルトンが先頭集団で最初にピットイン。すると2番手のフェルスタッペンと3番手のペレスもピットへ向かう。しかし、フェルスタッペンはこのピット戦略に納得がいかない。

フェルスタッペン:僕たちは失うモノは何もないんだから、攻めて行こうよ

 そのフェルスタッペンにレッドブル・ホンダから走行ラインについてのアドバイス。

レッドブル・ホンダ:ルイス(・ハミルトン)のほうがターン4の出口を目一杯使っているよ

 6番手エステバン・オコン、9番手ダニエル・リカルドで再スタートしていたルノーの2台は、1回目のピットストップを終えると、オコンの直後にリカルドがつける。このとき前を走るオコンがミディアムタイヤで、後ろのリカルドがハードタイヤだった。異なるタイヤにしたのに、チームメイト同士でテール・トゥ・ノーズの戦いを演じる展開に、リカルドが不満を訴える。

リカルド:なんでチームメイト同士で激しくレースしなきゃいけないんだよ

 34周目にトップのハミルトンがタイヤに違和感を訴える。

ハミルトン:またバイブレーションがひどくなってきた

 34周目に2番手のフェルスタッペンがピットインしたため、メルセデスは35周目にハミルトンをピットに呼び、先頭のままコースに復帰させる。そして、44周目にはこうアドバイスを送る。

メルセデス:フェルスタッペンに対して、ターン8と9のイニシャルブレーキングでタイムを失っている

 上位陣が2回目のピットストップを行う中、ステイアウトしたのがピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)だった。そのガスリーを攻め立てたのが、マクラーレン勢だ。44周目にランド・ノリスがオーバーテイクして5番手に上がると、次はカルロス・サインツJr.がガスリーとの差を詰めていく。

マクラーレン:ガスリーと2.5秒差、やっつけろ

 そのころ、3番手を走行していたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)はほとんどバトルらしいバトルもせずに、単調なレースとなっていた。

ペレス:何も無線が来ないけど、みんな寝ちゃった?
レーシングポイント:ちゃんと見ているよ

 51周目にサインツにオーバーテイクされたガスリーの背後に、リカルドが迫る。

ガスリー:トラクションがなくなってきた
アルファタウリ:あと5周だ。行けるか??
ガスリー:わからないけど、やってみる。だから、もっとパワーを与えてほしい

 こうして、レースは最終盤に突入していく。そして、ここでも再び波乱が起きる。
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無線レビュー(4)へ続く