ウィリアムズ、フォーミュラEで培ったバッテリー技術を高級船舶の電動システムに導入

ウィリアムズ、フォーミュラEで培ったバッテリー技術を高級船舶の電動システムに導入

ヨット・ドゥ リュクス製高級船舶に搭載

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(Williams Advanced Engineering:以下、WAE)は、英国オックスフォードシャーを拠点とするバッテリー企業「オキシス・エナジー(OXIS Energy)」と共同で、全長40フィートの新型電動高級船舶用に開発された世界初のバッテリーシステムの生産を行う。

この新型バッテリーシステムが搭載されるのは、シンガポールのヨット・ドゥ リュクス(Yachts de Luxe)社の船舶で、デザインは著名なボートデザイナーのジャン・ジャック・コステが担当。リチウム・硫黄バッテリー(Li-S)システムを搭載した、世界初の高級船舶となる。目標性能として、70~100ノットのクルージングスピードを掲げている。

WAEは、超軽量、高出力、高エネルギー密度を実現する、オキシス製Li-Sバッテリーで構成された最先端の400kWhバッテリーシステム、そしてバッテリー管理システム(BMS)の開発を担当。バッテリーモジュールの設計と製造、BMSの船舶への設置は、英国グローブにある同社の専用バッテリー施設で行われる。

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが船舶用電動システムを開発

フォーミュラEで培われたバッテリーテクノロジー

高性能バッテリーとバッテリー管理システムは、今やWAEのビジネスの中核をなしている。

WAEは2014年にフォーミュラEに参戦する全チームにバッテリーシステムを供給。2022-23年シーズンからは再びフォーミュラEへのバッテリー供給に向けて、「Gen3バッテリーシステム」の独占供給契約を締結した。また、電動ツーリングカー・シリーズの「ETCR」と「エクストリームE」にもバッテリーシステムを供給している。

高いエネルギー効率とコストの低さもあり、Li-Sバッテリーセルは船舶用電気機器の重要な選択肢となりつつある。オキシス・エナジーが持つLi-Sバッテリーの技術は、セル内に有毒物質や希土類物質(レアアース)を含まないため、公海上輸送の安全な選択肢となる可能性が高い。また、Li-Sバッテリーセルに使用されている素材は、寿命終了後も環境にダメージを与えることなく廃棄することができるという。

WAEのマネージングディレクターを務めるクレイグ・ウィルソンは、船舶事業について次のようにコメントした。

「私たちは、このエキサイティングな事業に参加できたことを誇りに感じています。我々が持つバッテリー技術は新たなマーケットにおいて、英国が競争の最前線に立つための方法を指し示しています。さらにこの技術は船舶だけでなく、航空宇宙、都市部のエアモビリティ、輸送、防衛を含む多くの分野にも関連しているのです」

オキシス・エナジーのヒュー・ハンプトン-ジョーンズCEOは、WAEとの協力関係について次のように説明している。

「WAEには、自動車の幅広い用途に対応したバッテリー技術の専門知識とスキルがあります。この専門知識は、オキシスが持つリチウム・硫黄バッテリー技術と組み合わされ、すでに自動車メーカーへと納品されています。そして、陸海空を問わず、次世代バッテリー技術を活用することで、現在の技術レベルをはるかに超えた要求にも高い安全性を持って応えることができるでしょう」