「あまりにも普段の富士と違いすぎる」とリアライズ藤波。タイトル候補3車の決戦前夜【第8戦GT300プレビュー】

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により当初の予定から3ヵ月遅れの7月18〜19日に開幕した2020年シーズンのスーパーGTも11月28〜29日の第8戦富士で最終戦を迎える。

 GT300クラスのランキングトップのリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rを筆頭に、2位のLEON PYRAMID AMG、3位のGAINER TANAX GT-Rといったランキング上位3台のドライバーに、最終戦の走行開始を翌日に控えた心境を尋ねた。

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■藤波「不安が出ないくらい準備してきたつもりです」

 今シーズン2勝を上げて56ポイントを獲得し、ポイントランキングトップで最終戦を迎えた56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの藤波清斗は、初のGT300クラスチャンピオン獲得に向けた意気込みを語る。

「富士とGT-Rは相性も非常にいいのですが、今回はあまりにも普段と気温が違いすぎますね、でもやるしかないです。ここまでやれることをすべてやってきたので、レースが始まったらいつも通りにやるだけです。シンプルに勝つことだけを考えて、周りを気にせずに集中して、僕らは僕らのペースでやったら必ず結果はついてくると思います」

 そう語る藤波はスーパーGTフル参戦2年目の若手ドライバーだ。初めて迎えたスーパーGTのタイトル争いにプレッシャーを感じているのだろうか。

「多少なりともプレッシャーはありますけど、このようなチャンスはなかなかないので、しっかりとこのチャンスを物にしたいという気持ちの方が強いですね」

「富士との相性も悪くはないですし、僕自身も富士は得意ですので、何も不安はありません。不安が出ないくらいに準備をしてきたつもりなので、結果につなげたいです」と藤波は語る。

 第5戦富士、第7戦もてぎとシーズン後半に強さをみせている56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-R。チームメイトのベテラン、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラとともに、若手の藤波はどのような走りをみせてくれるのだろうか。

■蒲生「少しでもいい順位でゴールできるように取り組む」

「チャンピオンがかかった最終戦ですけど、僕自身はいつもと同じように今回のレースをうまくまとめて、最後いい形で終われたらいいなと思っています」と語るのは56号車と5ポイント差のランキング2位につける65号車のLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥だ。

「ライバルのことを考えてもしかたがないですし、少しでもいい順位でゴールできるように取り組むだけですね」と、チャンピオンがかかったレースといえど、あくまで普段通りLEON PYRAMID AMGが持つ“強さ”をみせるだけだと語る。

 スーパーGTの公式戦としては異例となる11月末、気温の低い富士開催となった2020年シーズンの第8戦。これまでスーパーGTでは経験したことがないコンディションでのレースが予想される。

「皆さん同じだと思いますが、この時期にスーパーGTで富士を走る想定はしていなかったと思うので、やってみなければ分からない状況だと思います。そのなかでも最善の準備はしてきたつもりですけど、本当にどうなるのかは……明日走ってみないとまったく分からないですね」と語った。

 今シーズン6戦連続でポイントを獲得し、第4戦もてぎで1勝を上げている65号車LEON PYRAMID AMG。第7戦もてぎでノーポイントに終わり、ポイントランキングトップを56号車に明け渡す形で最終戦を迎えたが、56号車にとって最も強力なライバルであることには変わりはないだろう。

■13ポイント差を跳ね除けたい11号車GAINER TANAX GT-R

 11号車GAINER TANAX GT-Rは今シーズン、幾多のレースで好走を見せているが、セーフティカーの導入タイミングによって第6戦鈴鹿、第7戦もてぎと2度勝機を失っている。しかし、不運に見舞われながらもマシン、そしてドライバー陣のパフォーマンスの高く、56号車から13ポイント差のランキング3位につけている。

「僕らはここ数戦、全然ポイントが取れていませんが間違いなく速さはあったので、その辺は問題ないと思っています。今回もしっかりと上位を走れるパフォーマンスは持っていると思います」と平中克幸は語る。

「ただ、ポイント差が結構離れているので、優勝しなければチャンスがないという状況です。だから、目指すところは間違いなく優勝です。あとはライバルがどういう結果になるかという問題もありますが、そこは考えず、まずはしっかりと自分たちのできることをやります」

「そして、僕らにとって悪いタイミングでセーフティカーが出ないことを祈るしかないですが……そこは置いておいて。自分たちの仕事をしっかりすれば、絶対に勝てると思っているし、絶対に上位を走れると思っているので、それをまず実現させるというところですね」と語った。

 一方、平中のチームメイトの安田裕信は「もう、ポールポジションを獲って勝つだけですよね。セーフティカーで2戦もレースを壊しているので……勝って終わりたい」と、勝利を渇望している。

「こんなシーズンってなかなかないと思うほど調子が良いなか、2戦も辛い思いをしたので本当に悲しいし、悔しい。だから最後は勝ってみんなで笑いたいなと思います」

「タイトルにこだわらず、きっちりと自分たちの仕事をし、ぶっちぎって勝って一年を終わりたいなと思います」と、あくまで1勝を狙うだけだと語った。
 
 2020年シーズンの最終戦となるスーパーGT第8戦「たかのこのホテル FUJI GT300km RACE」は11月28日(土)の9時から公式練習、13時15分から公式予選が行われ、11月29日(日)の13時から66周の決勝レースが行われる。

 どのマシンが、どのチームが2020年シーズンを制するかはこの一戦で決定される。今シーズンも最終戦は公式練習から目が離せない週末となるだろう。

2020年スーパーGT第8戦富士 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)
2020年スーパーGT第8戦富士 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)