グロージャン「1986年と87年生まれ世代は、時期の巡り合わせが悪かった」とF1キャリア形成を振り返る

 ハースF1チームのロマン・グロージャンは、自分はF1のトップチームで活躍する真のチャンスに恵まれなかった世代のドライバーだと考えている。

 モータースポーツの頂点で9シーズンをフルに戦い抜いたグロージャンだが、今年いっぱいでグリッドを去る。ロータスに所属したキャリア初期の2012年には、輝かしい才能を持つ若手ドライバーとして評価されたグロージャンだったが、その後中団チームから脱け出すことはできず、ついにトップチームのシートを獲得するには至らなかった。

 グロージャンは、F1にいた時期の巡り合わせからキャリア形成が左右された同世代のドライバーは、彼以外にもいると言う。

「考えてみれば、1986年と87年生まれ世代は、時期の巡り合わせが悪かったのだと思う」と、グロージャンはポッドキャストの『In The Pink』に出演して語った。

「ポール・ディ・レスタ、ニコ・ヒュルケンベルグ、僕、それにセバスチャン・ブエミも含まれるかもしれない。僕たちがこの世界に入ったとき、トップチームのシートは古参ドライバーたちで占められていた。彼らはまだF1を去っていなかったし、その次には僕たちより若いドライバーたちが入ってきたから、僕たちの世代にはほとんどチャンスがなかった。仕方のないことではあるけれどね」

「自分でどうにかできることではないし、10年をF1で過ごせたのが僕にとっては素晴らしいことだと思っている」

「自分が望んでいたことは達成できたと思う。もちろん、いつだって世界王者にはなりたかったよ。でも、適切な手段が伴わなければ、それは叶わないということも分かった」

「できれば、1チームだけが優位に立ったままでいるような状況が、今後は変わってほしい。もちろん、それは見事な仕事をする圧倒的に素晴らしいチームなわけだけれど、ひとつだけが他よりも極端に強すぎる状態は、競い合うという観点から言えば、やはりちょっと残念なことだと思うんだ」

ロマン・グロージャン(ハース)
2020年F1第12戦ポルトガルGP ロマン・グロージャン(ハース)

 グロージャンは、ロータスから初めてF1にフル参戦した2012年と2013年の2シーズンで計9度の表彰台を獲得した。しかし、その後チームの財政難が表面化したことが、彼にとっての転機となった。

「ひとつだけ後悔があるとすれば、ロータスが2014年に資金難に陥ってしまったことだ。2013年は素晴らしいシーズンだったし、チームとしても正しい方向に進んでいただけにね」

「その当時、僕はトップチームからオファーを受けなかった。キミ(・ライコネン)はフェラーリF1へ行き、僕はロータスに残留したけれど、成績は落ち込んでいった。隊列の後方に近いチームにいると、そこから復活するのはとても難しい」

「その後、僕はハースの誘いを受けて移籍した。そこでも素晴らしい経験ができたと思う。でも残念なことに、最後の2年ほどは十分な加速が得られず、最高のスタートができても秒数を稼ぐことは難しかった。それだけが心残りだ」

 グロージャンはまた、自身がF1で犯した過ちについても率直に語った。

「うん、僕は過ちも犯してきた。しゃべり過ぎたときもあったけれど、僕はいつでも自分が感じたことを話してきた。間違いに気づけば、後でそれを認めるしね。とにかく、勝てたはずのレースがいくつかあったということだ」

「優勝が1度もなかったことへの後悔はない。チャンスがあったときには、毎回できる限り努力したし、持てる力をすべて出したつもりだからね」

「ひとつだけ悔やまれるのは、2013年よりも後のシーズンで、本当に競争力のある、勢いを持続させられるようなマシンに出会えなかったことだ」

2013年F1第15戦日本GP 表彰式
2013年F1第15戦日本GP表彰式 セバスチャン・ベッテル(レッドブル)、マーク・ウエーバー(レッドブル)・ロマン・グロージャン(ロータス)