エレガントなボディにシャープな要素を。新型ルーテシアの精緻なデザインとは?

■新型ルーテシアのコンセプトテーマは先進的でエレガントな「LOVE」

ルーテシア・メイン
一見先代と変わらないように見える優雅なボディ

10月15日、ルノー・ジャポンは新型ルーテシアを発売しました。欧州市場でBセグメントの販売トップを記録した先代を引き継ぐ新型デザインのポイントはどこにあるのか。ディテールも含め、じっくり検証してみたいと思います。

●先代のコンセプトを継承する

新型は、人間中心のコンセプトから生まれた「LOVE」をテーマとした先代のイメージを大きく引き継ぎました。大型化が通例の昨今のモデルチェンジでは珍しく、全長を20mm、ホイールベースを15mmも短縮。ボリューム感に大きな変化を与えず、写真で見ると一見ほとんど変化がないようにも感じられます。

実際、新型も「LOVE」のテーマはそのまま継承しましたが、しかし、先代の優雅なイメージを残しつつ、より精緻さとダイナミズム、スポーティさを打ち出すため、ボディ全体に直線的な要素を取り入れることをデザインのテーマとしたようです。

ルーテシア・フロント
ボンネットのシャープンラインが新型の性格を表現

フロントから細部を見ていくと、広いボンネットの彫刻刀で削ったようなシャープなラインに気付きます。柔らかな抑揚で魅せた先代に対し、内側に凹面を作った左右の明快なラインは新型デザインの特徴をよく物語っています。

そのラインの流れを受けるようにフロントグリルは大型化され、細かいドットによる3本の桟と小さなルノーのロゴが精緻さを表現します。C字型のランプ自体は近年の流行ですが、グリルからシルバーのモールをランプ内まで延ばすことで一体感を演出しています。

ルーテシア・ランプ
C型ランプ先端は鋭い斬り込み形状に

バンパー部ではそのC字型ランプの先端部や、左右ランプを結ぶラインはかなりシャープな表現に。加えて、先代よりも左右両端への張り出しを強めたエアディフレクターは、フロントのワイド感を一層強調しています。

横に回ると、クロームフィニッシャーで囲まれたサイドウインドウの前後先端部が鋭く尖っているのが特徴的。そして、フロントのボンネットフードの切り込みラインが、そのままウインドウの先端までつながっているのが強烈な印象で、ここもまた精緻さの表現といえます。

サイドボディではフロントフェンダーの「切り欠き」から始まる直線的なプレスラインが新しい特徴ですが、優雅なボディを崩さない程度の「折り」に抑えているのが巧妙です。ここは写真と実車でかなりイメージが異なるところでしょう。

ルーテシア・サイド
前後が鋭角になったサイドウインドウと直線的なキャラクターライン

●リアにもシャープな印象を

後ろに回ると、内側に細く延ばしたシャープなランプが印象的で、フロント同様に内部のシルバーのモールがキリリとしたイメージを作っています。さらに先代に比べて左右への張り出しを強め、ワイド感とともにリアフェンダーの「肩」の豊かさが増しています。

ルーテシア・リア
シャープになったリアランプと上下で表情を変えたリアパネル

また、リアパネルはランプを挟んで凸形のラインが描かれており、ガラスのある上面とランプより下面で表情を変化させています。これは非常に繊細なラインですが、光の当たり方によってはリアパネルに新しい表情を作るはずです。

さて、最後にルノーが「革新」を謳うインテリアにも少し触れておきます。フロントからサイドまで奢られたソフトパッドが自慢とのことですが、それよりも、大きなブロックで構成されたインパネが近年のBセグメント車としては珍しく、空調口が一体となった表現は上級車のようなクオリティを感じさせます。

ルーテシア・インテリア
大きなブロックで構成されたクオリティの高い内装

デザインを統括するローレンス・ヴァン・デン・アッカーは、「先進的でエレガント」なスタイルを実現するために、各パーツのアジャストメントの精度に多くの時間を費やしたといいます。

ヒット作を踏襲した新型の成功は難しいといわれますが、その点、新しいルーテシアは先代の優雅さと精緻な表現の融合が高度にバランスされているのではないでしょうか。

(すぎもと たかよし)