ETCR:2車種目の電動ツーリングカー『アルファロメオ・ジュリアETCR』が公式アンベイル

 TCR規定を採用した電動ツーリングカー選手権『PURE ETCR』に参戦予定の3車種のうち、イタリアのロメオ・フェラーリ製となる『アルファロメオ・ジュリアETCR』が公式お披露目された。このニューマシンは11月14~15日の週末に、スペインはモーターランド・アラゴンで開催されたWTCR世界ツーリングカー・カップ最終戦の土曜に現地で公開され、チーム・ミュルザンヌ代表のミケーラ・セルッティとジャン-カール・ベルネイの手でアンベイルとなった。

「この新たなプロジェクトをこうしてラウンチできたことをとてもうれしく思っている。電動ツーリングカーの世界にデビューするべく、この新たな旅に出発する決意を固めた1年前から、私たちは本当にハードワークを続けてきた。その結実がこのクルマよ」と、喜びの言葉を述べたセルッティ代表。

 カバーの外された『アルファロメオ・ジュリアETCR』は、彼らの名称を冠した“ロメオ・フェラーリ・レッド”に彩られ、すべての車両開発と参戦計画は、アルファロメオ本社からの承認を受けたプライベーター・プロジェクトとなる。

 このマシンをドライブするテスター兼レースドライバーとしてすでにアナウンスされているベルネイは、このお披露目の場がマシンを見る最初の機会になったと語り、「彼らはこれをサプライズにしようと考えていたからね。でも本当に美しいマシンだ。彼らのリソースに対して、そのパフォーマンスは絶体的に優れていると断言できる」と、前向きな印象を明かした。

 この新生『PURE ETCR』向けに、最初のベンチマークモデルとして公開されたスペイン・セアトの『クプラ e-Racer』や、すでに10月中旬に1番乗りで公式テスト参加を済ませた『ヒュンダイ・ヴェロスターN ETCR』とともに、今後はテスト走行に向けた電動パワートレインのインストールを急ぐ計画の『アルファロメオ・ジュリアETCR』だが、今後もそのプロセスをシリーズの電動パワートレインを供給するWilliams Advanced Engineering(ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング/WAE)が拠点を置くイギリスで進めることとなる。

 TCR規定を統括するWSC代表であり、このシリーズの仕掛け人でもあるマルチェロ・ロッティも、このロメオ・フェラーリのプロジェクトが「大いなる成功に向けた輝かしい1歩になる」と期待を込めた。

電動ワンメイクのパワートレイン搭載により、全車後輪駆動となる『PURE ETCR』用モデル
現在、世界的情勢で人員の国家間移動が大幅に制限されているため、1週間以上を要するシステムインストールは予定より大きく遅れている状況だ
「2021年の初め、遅くとも1月末までにはこのクルマを走らせたい」と代表のミケーラ・セルッティ

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「新しいレースカーがカバーをめくるのはいつだってスリリングな瞬間だが、このモーターランド・アラゴンでのロメオ・フェラーリによるジュリアETCRのお披露目は、非常に特別な時間になった。なぜなら、この革新的なETCRのプロジェクトと、ツーリングカーでの成功と輝かしい歴史を誇る世界的なブランド、アルファロメオの名前が融合する世紀の瞬間になったからね」とご満悦のロッティ。

「これまでは図面とレンダリングでしか見ていなかったが、このパドックに置かれて“フレッシュ”な状況を肉眼で見たモデルは、本当に震えるほどゴージャスで美しいね」

「走る姿を見るのが待ちきれない気分だし、ロメオ・フェラーリのスタッフが有する専門知識により、このジュリアETCRには最初から競争力があると確信しているよ」

 同時にアラゴンでは『PURE ETCR』で使用される“競馬スタイル”のスターティングゲートも初公開され、ヒュンダイ系のマシンやドライバーたちにより、レーススタートを模したデモンストレーションも実施された。

 今回がワールドプレミアとなるこの巨大な構造体は、シリーズラウンチの際にもアナウンスされていたレーストラックの幅全体に広がるゲートで、従来のスターティングシグナルの代わりに使用される。

 ドライバーは各イベントの開始時にランダムに“バトルグループ”に振り分けられ、ノックアウト形式で互いに対峙し、このゲートが開く瞬間の反応速度やマシンの加速性能も勝敗を左右する要素となる。

 シミュレーションでは、2019年WTCR王者ノルベルト・ミケリスが『ヒュンダイ・ヴェロスターN ETCR』のステアリングを握り、その両脇をガブリエル・タルキーニとルカ・エングストラーのヒュンダイi30 N TCRが固め、内燃機関を搭載する現行TCR規定ツーリングカーに対し、電動モデルを象徴する圧倒的加速力が披露された。

 そのドライブを終えたミケリスも「ファンが見て、大いに楽しんでくれるものだと思う」と、新たな施策に手応えを感じていた。

「こんな小さな隙間だけのゲートにマシンを並べ、3ワイドでスタートするなんて本当にクールだったよ。シリーズが開幕して本物のバトルが始まれば、それは信じられないほどのアクションになりそうだ。このスタートの光景を見てワクワクしたし、マシンのトラクションと瞬発力にも驚かされたね」

 シリーズは11月27~28日にイタリア・バレルンガで引き続き公式テストを実施する計画で、12月にも『クプラ e-Racer』や『アルファロメオ・ジュリアETCR』をトラックデビューさせる機会を設ける予定だ。

『PURE ETCR』で使用される”競馬スタイル”のスターティングゲートが初公開された
シミュレーションでは、2019年WTCR王者ノルベルト・ミケリスが『ヒュンダイ・ヴェロスターN ETCR』のステアリングを握った
シリーズは11月27~28日にイタリア・バレルンガで引き続き公式テストを実施する計画だ