新型メルセデス・ベンツ EクラスのAR(拡張現実)ナビの完成度は?

■AMGラインエクステリアを標準装備し、スポーティなエクステリアに一新

2020年9月にマイナーチェンジを受け、エクステリアデザインを一新させたメルセデス・ベンツEクラス。エクステリアは「AMG」モデルのほか、「E 450 4MATIC エクスクルーシブ」「E 220 d 4MATIC オールテレイン」を除き、AMGラインエクステアが標準化され、上質さを併せ持ったスポーティな佇まいになっています。

メルセデス・ベンツEクラス
マイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツEクラスのエクステリア

中でも目を惹くのはクローム仕上げのダイヤモンドグリルで、下側がワイドに広がる台形になり、押し出し感が増しています。一方のセダンのリヤは、ワイドな2分割式のテールコンビランプになり、安定感のある印象を強調しています。インテリアは、現在のメルセデスのラインナップにおいて、現行Eクラスが先行してきた先進性に磨きが掛けられています。

メルセデス・ベンツEクラス
ワイドなテールランプが目を惹くリヤビュー

12.3インチの大型ワイドスクリーン2画面が標準化され、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」が採用されています。

以前は、「メルセデス」と呼びかけると対話式の音声操作が可能でした。今回のEクラスでは、「ハイ、メルセデス」と「ハイ」を付けて発話する必要があります。これは、欧州などでは会話の中で「メルセデス」というキーワードが良く出てくるためで、「MBUX」を起動したつもりではないのに、立ち上がってしまうのを防ぐためだそう。

実際に「メルセデス」と呼びかけても対話式音声コントロールは起動せず、「ハイ、メルセデス」と呼びかけることで「MBUX」が使えるようになっていました。

メルセデス・ベンツEクラス
ジェスチャーコントールであらかじめ入力した機能を呼び出せる

さらに、ジェスチャーコントロールも用意されていて、あらかじめ入力したジェスチャーに反応。今回の試乗会では、Vサイン(2本指)をナビ画面前(センサーは上部に配置)に出すことで、あらかじめ登録した目的地設定を容易に出すことができます。たとえば、「自宅」にしておけば、2本指を差し出すだけで設定画面を呼び出せます。ほかにも、各種ライトを点灯させたり、アンビエントライトの設定画面なども表示可能で、プリセットされたインフォテインメントシステムをお気に入りメニューに表示可能になります。

また、新世代のステアリングホイールが採用されています。ナビやインパネの各種設定機能、安全運転支援システムの設定をすべて手元で完結できるのが特徴。操作には慣れが必要という印象を受けましたが、オーナーになれば音声コントロールも含めてかなり重宝しそう。

メルセデス・ベンツEクラス
新世代のステアリングホイールを採用する

さらに、従来は、タッチコントロールボタンに触れたり、ステアリングホイールにかかるトルクで判定したりしていた、アダプティブクルーズコントロール(ACC)である「ディスタンスアシスト・ディストロニック」使用時のハンズオフ検知機能でしたが、今回から新たにリムに静電容量式センサーが備えられたパッドになったことで、ステアリングにかかるトルクがなくとも、ドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、「ディスタンスアシスト・ディストロニック」の使い勝手が高まっているのも確認できました。ステアリングを軽く握っているのにエラーが出るようなシーンはなかった気がします。

メルセデス・ベンツEクラス
Eクラスに搭載されたARナビ。フロント映像に矢印が表示される

新型Eクラスの機能面で最大の注目点は、AR(拡張現実)を使ったナビゲーション。これは、車両前方の現実の景色がナビ画面に映し出され、進むべき方向を指す矢印がナビ画面に表示される機能。直感的に曲がるポイントが分かるのが特徴です。

個人的には、せっかくの新機能なのでもう少し矢印が大きく表示されるとより分かりやすいように感じられました。それでも、初めて通る道でも現実の風景に矢印が重ねて表示されるので、曲がるポイントを見過ごすシーンは少なくなるはず。ほかにも、信号の色などもナビ画面で確認できるのも便利。

メルセデス・ベンツEクラス
クローム仕上げダイヤモンドグリルを新たに採用

また、トンネル内や先頭で信号待ちをしている際などでもフロントカメラの映像に切り替わることもありました。「MBUX」や新世代のステアリングホイール(スイッチ)により使うほどに利便性が高まるのは間違いないはずで、愛車、相棒といえる存在になってくれそうです。

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)