島のクルマが全部エコカーに! フォルクスワーゲンがギリシャで進める「一島まるごとEV化計画」とは?

エーゲ海で最も美しい島をエコアイランド化

地中海に浮かぶ小島、アスティパレア島。「エーゲ海で一番美しい島」ともいわれるこの場所で、eモビリティ化計画を実施することにフォルクスワーゲンとギリシャが合意した。

フォルクスワーゲンとギリシャが推進するのは、アスティパレア島をまるごと次世代モビリティのモデル地区とするプロジェクト。まずは6ヵ年計画として「Lighthouse project」を遂行していく。ちなみにLighthouseとは灯台の意味。両者は同プロジェクトを次世代モビリティのこれから進むべき航路を照らし出すもの、と位置づけている。

フォルクスワーゲンとギリシャが推進するアスティパレア計画イメージ

アスティパレアは「暗闇を照らす一条の光」

元アメリカ合衆国環境保護庁の交通・大気汚染管理局ディレクターで、現在フォルクスワーゲンの独立組織「持続可能性評議会」のメンバーを務めているマーゴ T. オーゲは次のように語っている。

「気候変動は人類の生存を脅かす問題です。アリストテレスはこんな言葉を残しています。『最も暗い闇の中にあるときこそ、光を見出すために集中しなければならない』と。アスティパレアで実施するプロジェクトは、暗闇を照らす一条の光なのです」

パトカーや救急車もすべて電動化

エーゲ海の南に位置するアスティパレアは、面積およそ100平方km、人口1300人程度の小さな島だ。年間7万2000人ほどの観光客が訪れるが、公共の交通機関は非常に限られており、ほんの一部の地域でバスが2系統稼働しているのみ。使用エネルギーのほとんどは化石燃料に頼っているのが現状という。

今後同島のすべての交通システムは、電気自動車と再生可能エネルギーに切り替えられていく。同時に、カーシェアやライドシェアといった新サービスを拡充させ、交通量の最適化も実現。再生可能エネルギーには太陽光や風力を利用して、島全体にスマートグリッドを構築していく。

フォルクスワーゲンは地元のパートナーと協力し、既存のレンタカー事業はセアト製のeスクーターやeバイク、EVを使ったカーシェア/ライドシェアへと切り替えていく。これにより、内燃機関を搭載したおよそ1500台の車両は、約1000台の電動モビリティへ集約することが可能になるという。もちろん警察車両や緊急車両、公共用の車両のすべても電動化。さらに、約230ヵ所に充電施設も配備する。

ギリシャとVWが見つめる低炭素社会

フォルクスワーゲンのヘルベルト・ディースCEOは説明する。

「気候変動を食い止めるために、政治、ビジネス、社会のすべては等しく責任を負っています。我々の長期的な目標は、すべてのモビリティでカーボンニュートラルを実現すること。そのビジョンをいかにして実現するか、アスティパレアの計画を通じて探っていきます。eモビリティとスマートモビリティは、カーボンニュートラルな未来への一助であり、生活の質を向上する存在となるはずです」

ギリシャ共和国のキリアコス・ミツォタキス首相も次のように語っている。

「私はこのパートナーシップを心から支持しています。政府単体で実現できることには限りがあり、また、一部のセクター単位ではすべての問いかけに応えることはできません。ギリシャとフォルクスワーゲングループが緊密な協力関係のもと、野心的な試みに挑むのはそういった理由からです。自動車産業の世界的リーダーは、すべての車両と会社全体で、2025年までにカーボンニュートラルを実現することを目指しています」