「もはや存在自体が奇跡だ!」S30Zに4ローターエンジンを搭載した公道仕様!!

1トン弱のボディに500馬力オーバーの4ローターを搭載

合法チューンドとして製作された、まさかのライバル融合仕様!!

S30系フェアレディZと言えば、改めて紹介するまでもない旧車チューンの王道だ。そもそも、そのスポーティなデザインからか、S30系Zのオーナーにはチューニング志向が強い傾向にあり、搭載されているL型の派生系チューニングはもちろん、エンジン換装やボディカスタムなど、ありとあらゆる方向性のマシンが存在する。

しかし、ここまで強烈な個性を秘めた異端な存在はそうはいないだろう。

なにせ、S30の象徴とも言うべきL型エンジンを捨て去り、あろうことかライバルとも言えるロータリーエンジンを、しかも4ローターNAペリ仕様を搭載してしまったのである。

これは、正統派ZファンやL型ファンからすると相当な問題作(!?)であり、禁忌に触れる邪道チューンと認識されてしまいそうだが、チューニングの世界に壁や限界などない。なにより、圧倒的な完成度の高さを誇るこのチューンドを見たら、逆に感銘を受けるはずだ。

このS30Z(S47年式)はれっきとしたオーナー車両だ。L28のライトチューン車両を手に入れたものの、あまりの遅さにチューニングを決意。

「以前乗っていたペリ仕様のSA22Cのような楽しいチューンドに出来ないだろうか…」と、オーナーがスクートスポーツに相談したところ、提案されたのが4ローターエンジン化だったという。

パワーユニットは、スクートスポーツが長い時間を費やして開発した完全オリジナルのカスタム仕様だ。13Bのハウジング&ローターを4個組み合わせ、オリジナルのエキセンを使って組み上げる。

今作は吸排気ともにペリフェラルポート仕様とされ、最高出力は530ps/7900rpm、最大トルクは50kgm/6900rpmに到達。排ガス試験などをクリアし、合法的に市販車に搭載することが可能という点も大きなトピックだ。

搭載にあたっては、S30Zのエンジンルームは比較的スペースが広かったため、レイアウトにはそれほど困らなかった。ただし、オイルパンの位置が低くサスメンバーやステアリングラックなどを避ける形状で製作しなくてはいけなかったので、その辺りの辻褄合わせにはエンジンスワップならではの苦労もあったという。

スロットルは戸田レーシング(50φ)の4連を搭載。ホンダ車などに多く使用されるタイプだ。もちろんインマニはワンオフ品。イグニッションコイルはRX-8用を流用している。

エンジンマネージメントはフルコンのVi-PEC V88が担当。ベースプログラムが4ローターにも対応しているため、初期セッティングが非常に楽なのだという。

スペースの都合でオイルクーラーは水平マウントとして製作されたが、走行風の抜けが悪いためダクトの製作など一考の余地がありそうとのこと。

エキゾーストはスクート小関代表が最も拘った部分のひとつだ。保安基準の範囲内で美しい4ローターサウンドを奏でるために、センターから二つのタイコに分岐し、途中にレゾネーターも組み入れることで音質チューニング。これに伴い邪魔となる燃料タンクは室内へと移設(安全タンク)されている。

さらに上流部に関しても、45φの4-1等長ロング形状とし、高音質化を狙いつつトルク特性を最適化している。

エクステリアは純正のエアロチューンである240ZGスタイルに、オーバーフェンダーを組み合わせた定番仕様。ホイールは往年のロンシャンRX-4だ。

インテリアはS30Zとして極めてオーソドックスに仕上げられている。ミッションはFD3Sの5速を使用し、プロペラシャフトの加工でS30Zの駆動系に適合させている。

この魔改造Zを試乗した稲田大二郎は「強烈だ。1トン弱の軽量ボディと500psオーバーの4ローターという組み合わせは、凄まじいものがある。アクセルをハーフにしただけでも、マシンは甲高い雄叫びをあげながらグングンと加速していく。大げさに言うとアイドリング回転でもスイスイ走るという印象だし、5速40〜50キロからでもブーンとどこまでも突き抜けていく。ファイナルギヤが3.7というから7000〜8000rpm辺りまで回せれば、300キロオーバーも楽勝だろう」と絶賛。

オーナーの熱き想いとチューナーの技術力が絡み合って誕生した唯一無二のスーパーロータリーチューンド。もはや存在自体が奇跡としか言いようがない。

●取材協力:スクートスポーツ TEL:046-246-3356