WorldRX:ベルギー戦がキャンセル。グロンホルムのプロジェクトEデビューもスライドへ

 2020年WorldRX世界ラリークロス選手権の第9戦として予定されていた、ベルギーはスパ・フランコルシャンでの『World RX of Benelux』が、世界的な“第3波”到来に見舞われている新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のためキャンセルされ、2021年に延期されることが決定。このイベントと併催予定だった電動ラリークロス最高峰『Projekt E(プロジェクトE)』最終戦に出場予定だったマーカス・グロンホルムのデビューは、12月12~13日のドイツ・ニュルブルクリンク戦に持ち越されることとなった。

 現在、GRXタネコ・ワールドラリークロス・チームの代表として、シリーズで2台のヒュンダイi20 RXスーパーカーを走らせるグロンホルムは、11月21~22日開催のWorldRX第9戦スパ・フランコルシャンのイベントで、地元フィンランドのフェラータム・チームが走らせるSTARD製『フォード・フィエスタERX』をドライブする計画だった。

 すでにプロジェクトEは初年度の2戦を終え、スウェーデン・ホーリエスでの開幕戦はケン・ブロック(フォード・フィエスタERX)が、続くラトビア・リガでの第2戦はフランス出身のシリル・レイモンド(シトロエンC3 ERX)が勝利。

 このベルギーでの併催イベントがシーズン最終戦として催される予定だったが、3度の開催延期を経た末にラウンド自体がキャンセルとなり、プロジェクトE最終戦も12月12~13日のWorldRXドイツ・ニュルブルクリンク戦にそのままスライドされることが決まった。

 そのフェラータム・チームのマネージャーを務める元WRC世界ラリー選手権ドライバーのヤニ・パーソネンは、未来を見据えた電動カテゴリーでの“レジェンド”起用に際し「マーカスがヘルメットをかぶると、彼は間違いなく勝利を目指して走るはずだ」と、改めての期待を語った。

「彼は間違いなく、その仕事(勝利を獲得すること)を引き受けてくれると思っている。2度の世界ラリー選手権チャンピオンと欧州ラリークロス選手権の優勝経験者が、フェラータム・チームのマシンをドライブすることは、我々にとっても本当に大きな財産になることだ」と続けたパーソネン。

「それに、我々が世界選手権シリーズの電気自動車クラスに参加した最初のWRXチームになれたことも光栄だ」

地元フィンランドのFerratum Teamが走らせるSTARD製『フォード・フィエスタERX』をドライブする計画のマーカス・グロンホルム
「テストは3周”も”こなしたから完璧だ(笑)」とグロンホルム。電動車両の可能性を体験するのが狙いだ

■RX直下カテゴリー王者が電動シリーズ参戦に意欲

 一方、既存のステップアップ・カテゴリーであるRX2インターナショナル・シリーズの2020年王者となったヘンリック・クログステッドは、同カテゴリーの代替として新たな電動クラス登竜門として創設されるFIA RX2e向け、電動ワンメイク車両をテスト。現行のスーパーカー・ライトの車両に対し「潜在的なパフォーマンスは並外れている」とし、2021年は王者獲得プライズのスポット参戦に留まらず、シリーズフル参戦に向けた予算確保の意欲を示した。

「ドライバーとして、僕らは何よりもまず速いクルマを望んでいる。その点で、こうした電動化技術には将来の目標を真にシフトするだけの可能性がある。ラリークロスが新たな電気の時代を真に受け入れていることは素晴らしいことで、この短くてシャープな競技は(電動化と)完璧な相性を見せるはずだ」と、22歳のクログステッド。

 今季はわずか1戦となったRX2で、イエロー・スクアッド・チームとともにタイトルを得た若きノルウェー人は、2021年に欧州で6つのイベントを予定するFIA RX2e初年度シーズンに参戦する意向を示す。

「この『RXe2』は、トルクからラウンチコントロール、シャシー、サスペンション、ブレーキ、回生動作まで、ドライバーが調整したり楽しんだりするためのパラメータがたくさんある。ドライブするのがとても楽しく、それだけで僕にとっては魅力的だ」と続けるクログステッド。

「当然のことながら、タイトル獲得プライズの1戦だけでなく、フルシーズンに出場するのに充分な資金を調達することが目標であり、僕らは参加するパートナーを見つけるために懸命に取り組んでいる」

「うまくいけば、電力への切り替えが進む世界的な潮流がその仕事を少し簡単にするだろう。とくにノルウェーでは、それは国としてすでに環境責任に関してかなり前向きに考えている話題だからね」

 スペインの電動機構サプライヤーであるQEVテクノロジーズと、ラリークロスの名門ビルダーオルスバーグMSEによって開発された電動ワンメイク車両は、スペースフレームを中心に構築され、32kWhバッテリーとふたつの独立したモーターは250kWを発生。335bhp(約340PS)のパワーと460Nmの最大トルクを誇るパワートレインは、既存のスーパーカー・ライトに比べてそれぞれ24%と14%の出力増加を実現している。

ステップアップ・カテゴリーであるRX2 International Seriesの2020年王者となったヘンリック・クログステッド
2021年のFIA RX2eシリーズフル参戦に向け、予算確保に向けた意欲を示した