F1、次世代エンジン計画の進捗状況を発表。持続可能燃料を使用するハイブリッド・パワーユニット採用に向け作業部会を設立

 2019年11月12日にF1は、2030年までにカーボンフットプリントをゼロにする計画について発表した。1年後の今年11月12日、F1は進捗状況を発表、F1コミュニティはより持続可能なスポーツになるため新たな取り組みを積極的に続けていると述べた。そのなかで、持続可能な燃料を使用したハイブリッド・パワーユニットを次世代エンジンとする方向性も示された。

 コロナ禍にありながら、F1は現在もカーボンニュートラルのためのプランを推し進めている。そのひとつとして、持続可能な燃料を使用する将来のエンジンフォーマットについての調査を行うため、F1およびFIAのメンバーから成るワーキンググループを設立したという。今後、外部のスペシャリストやサプライヤーもメンバーに加えられる見通しだ。

 昨年F1は、持続可能な燃料を使用したカーボンニュートラルのハイブリッド・パワーユニットを開発するという計画を発表した。新しいワーキンググループは、それを達成する方法を探っていく。

2020年F1プレシーズンテストが開催されたスペイン・バルセロナ
2020年F1プレシーズンテストが開催されたスペイン・バルセロナで飾られた70周年のロゴ

 F1のカーボンフットプリントのうち車による排出量は0.7パーセントに過ぎないが、F1の最も目立つ部分を持続可能にし、社会的利益につなげることが重要であると、F1は述べている。

「F1は長年にわたり、自動車業界において次世代の進歩を導入するためのプラットフォームとしての役割を果たしてきた」とF1の声明には記されている。

「ハイブリッドテクノロジーと持続可能な燃料を組み合わせた次世代エンジンにより、その役割を担う機会が得られると確信している」

「持続可能性と我々のスポーツの両方に関して、我々が最優先事項としているのは、自動車業界のパートナーおよび社会の環境的目標に対処する形の内燃エンジンのロードマップを構築することだ」

 自動車業界は現在パラダイムシフトの真っ只中にあり、電気自動車の導入が進められているが、当面は大部分の市販車が内燃機関を搭載するものと考えられる。そのため、持続可能な燃料を利用する技術の開発が、自動車業界全体のカーボンフットプリントの削減につながると、F1は考えている。

「世界の11億台の自動車のうち10億台以上が、内燃機関を搭載している。世界的に自動車による二酸化炭素排出量を減らす技術という面で、我々がリードしていく可能性があると確信している」とF1は述べている。

「また、将来に向けてエンジンテクノロジーのソリューションはひとつだけではないものの、持続可能な燃料を使用するハイブリッドエンジンは、我々スポーツおよび自動車産業において重要な機会になるだろう」

 F1は新たなエンジンコンセプトを2026年に導入することを予定している。

 今回、エンジン以外についての発表も行われ、COVID-19のパンデミックに対応し、リモートでの放送体制を急速に進めた結果、移動スタッフを36パーセント、貨物を34パーセント削減、ロジスティクスによる二酸化炭素排出量を大幅に減らしたという報告がなされた。

 また、2021年からF1、FIA、チームは、ピットやパドックにおける使い捨てペットボトル、カトラリー、食品廃棄物の量を大幅に削減することを目指すということだ。

2020年F1第1戦オーストリアGP木曜 コース下見をするルノー
2020年F1第1戦オーストリアGP木曜 コース下見をするルノー