わずか数日で完売したボルボの高性能モデル「T8 Polestar Engineered」シリーズ、V60の走りはスポーツカー並み【新車試乗】

■V60はオーリンズ製ダンパー、ブレンボ製ブレーキを採用

ボルボV60
ボルボの「V60 T8 Polestar Engineered」の走り

ボルボは、セダンのS60、ステーションワゴンのV60、SUVのXC60の3モデルに「T8 Polestar Engineered」を台数限定で設定し、2020年11月6日から専用WEBサイトで申し込み受付を開始しています。販売台数はS60が15台、V60が20台、XC60が30台で、合計65台という希少なモデル。

2019年には、「S60 T8 Polestar Engineered」が30台限定で投入され、発売初日に完売となる人気ぶりだったそう。今年は、上記のようにセダンのS60に加えてステーションワゴンのV60、SUVのXC60の3モデルに拡大され、選択肢が増えてたのが朗報。なお、「ポールスター」ブランドは、ボルボから独立した新しいブランドであるのと同時に、グループ会社という位置づけで、電動化ブランドになっています。

この「ポールスター・エンジニアリング」は、ボルボ車の幅広い車種に提供される高性能バージョン。BMWでいえば「M」モデル、メルセデス・ベンツであれば「AMG」といった高性能サブブランドともいえるかもしれません。今回、試乗したのはV60の「T8 Polestar Engineered」。

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「T8 Polestar Engineered」のインパネ

心臓部は2.0Lの直列4気筒ターボで、スーパーチャージャー、モーターのトリプル加勢体制が取られています。エンジンは333ps/6000rpm、450Nm/4500rpmというアウトプットで、前輪をエンジン(スーパーチャージャー、ターボの過給付き)が駆動し、後輪を電動モーターが駆動させる4WDになっています。組み合わされるトランスミッションは、シフトバイワイヤ化された8AT。リヤモーターは、87ps(65kW)/240Nmでリヤタイヤを駆動していて、ドライバーが選択する走行モードと速度域に応じてモーターが機械的に常時接続されます。

「Pure」モードは125km/hまで電気駆動のみ、「Hybrid」は65km/hまで、「Offload」は45km/hまでとなっています。さらに「AWD」、スポーティモードである「Polestar Engineered」もモーターが常時接続されます。走り出しは、モーターアシストを十分に感じさせるスムーズなテイストで、22段階調整が可能なオーリンズ製DFVショックアブソーバーをはじめとする「Polestar Engineered」のサスペンションは、「足は硬そう」と身構えていたものの、思いのほか快適でした。

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フロントダンパーの調整ねじ

凹凸が多く、荒れた路面では上下、左右に多少揺すぶられるようなシーンもあるものの、速度域が上がると路面にピタリと追従。さらに、調整可能な減衰力のセッティング次第で好みの足にすることもできるのがポイント。なお、フロントはボンネット内の調整ねじで可能ですが、リヤダンパーも含めて、正規販売店でその都度、調整するのを基本とするそうです(ただし、慣れている人であれば十分自分でできそう)。

動力性能は、上記のモーターアシストに加えて、スーパーチャージャー、ターボの過給の3段構えになっていますから、回転域を問わず力感にあふれています。ターボラグなどを意識することはあまりなく、欲しい時に即、パワーデリバリーされるという印象。また、ボルボらしくナチュラルなハンドリングも美点で、肩に力を入れなくてもワインディングをスムーズにハイペースでクリアできます。スポーティモードである「Polestar Engineered」にすると、ブリッピングしながらコーナーから素早い立ち上がりを披露。

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試乗車は、コンチネンタルのプレミアム・コンタクト6を履き、タイヤサイズは235/40R19

さらに、高い制動力を確保するブレンボ製ブレーキも備わり、しかもピーキーではなく扱いやすいなど、スポーティモデルでありながら大人の上質感も漂わせていて、いざとなればスポーツカー顔負けの走りを可能としながら、日常からロングドライブまで気を遣わずに頼れるキャラクターも見せてくれます。「V60 T8 Polestar Engineered」の車両本体価格は、919万円です。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

【2020年11月11日追記】今回の限定車「T8 Polestar Engineered」は、S60、V60、XC60の3モデルとも完売し、購入申し込みは終了しています。