4度目の正直!? ARTA NSX-GTが悲願の今季初優勝!【SUPER GT 2020】

●またもセーフティカーに翻弄された決勝

11月とは思えない陽気となった8日、栃木県・ツインリンクもてぎにてスーパーGT第7戦「FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」が開催されました。

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スタンドでスーパーGTを観戦するファンたちの前を走り抜けるスーパーGTマシン

新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から、政府のイベント開催制限ガイドラインに沿って入場者数を制限しながら開催された今回のもてぎラウンドですが、予選日となる7日には9,300人、そして決勝の開催された8日には15,600人ものモータースポーツファンがサーキットに訪れ、今シーズンも残り少なくなったスーパーGT観戦を楽しんだ様子でした。

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ウォームアップ走行トップタイムの100号車RAYBRIG NSX-GT

決勝に先立ち行われた20分のウォームアップ走行では、前日行われた予選で3番手につけた#100 RAYBRIG NSX-GTがトップタイム、2番手にも予選2番手からスタートの#8 ARTA NSX-GT、そしてポールポジションスタートの#64 Modulo NSX-GTが4番手タイムと、予選で速さを魅せたNSX-GT勢がここでも揃って好調さをキープしていました。

そしてこのウォームアップ走行では残り4分を切ったところでGT300のマシンがマシントラブルのためコース脇にマシンを停めてしまい、そのままセッションは赤旗終了となりました。この赤旗の原因が決勝レースの結果を大きく左右するという事を、この時誰が予想できたでしょうか?

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ポールポジションのダミーグリッドにつく64号車

定刻通りグリッドセレモニーが行われ、13時ちょうどにフォーメーションラップから300km、63周の決勝レースがスタート!GT500クラスでは大きな混乱なくクリーンスタートが切られます。

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63周の決勝レースがスタート!

序盤ではポールポジションスタートの64号車NSX-GT大津弘樹選手が2番手以下を引き離しにかかりますが、8号車NSX-GT野尻智紀選手もタイヤにしっかり熱が入った5周目以降には4秒以上あったギャップを詰め、10周目の1コーナーで64号車をオーバーテイク!トップに立ちます。64号車は12周目にも100号車NSX-GT牧野任祐選手にオーバーテイクを許してしまいます。

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着実にポジションを上げてきた17号車KEIHIN NSX-GT

その後方では10番手スタートで前回のもてぎラウンドで優勝した#17 KEIHIN NSX-GT ベルトラン・バゲット選手が7番手までポジションアップ。同じく前回のもてぎラウンドでポールポジションを獲得した#38 ZENT GR Supra 立川祐路選手と激しい6位争いを演じながら両車は徐々にポジションを上げていきます。

前を走る#19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本雄資選手、そして#23 MOTUL AUTECH GT-R ロニー・クインタレッリ選手を立て続けにオーバーテイクした38号車立川選手はその勢いのまま64号車NSX-GT大津選手をも射程圏に捉え、22周めのバックストレートエンドで64号車をパス!NSX-GTの牙城を崩します。

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3つポジションを落とし早めのピットインで巻き返しを図る64号車Modulo NSX-GT
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トップでピットに入ってきた8号車ARTA NSX-GT

この時点でレースの1/3が経過しピットストップウィンドウが開いた直後の23周目、ウォームアップ走行でマシンを停めたGT300マシンがここで再びマシントラブルによってコース脇にマシンを停めてしまいます。

するとトップを快走していた8号車野尻選手と4番手までポジションを落としていた64号車大津選手がピットインしルーティンピットを済ませます。そしてこの2台がピット作業を終えたタイミングでセーフティカー(SC)が導入されます。

●ピット作業が明暗を分け、ルーキーが涙の初優勝!

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SCランとなりSC前にピットを済ませた8号車

SCラン中にはピットレーンがクローズされ、ルーティンピット作業ができないスーパーGT。レースも中盤となる29周目にSCランが解除されると、暫定トップの100号車NSX-GTは一気に加速していきますが、その後方では同じく暫定2位の38号車GR Supraをはじめ23号車GT-R、17号車NSX-GTなどGT500だけで7台が同時にピットインしGT300マシンも含めてピット作業エリアでは大渋滞が起きます。

ここでいち早くピット作業を終えたのが17号車NSX-GT。その後方に23号車と#3 CRAFTSPORTS MOTUL の2台のGT-Rがつけ、この2台のミシュランを装着するGT-Rはタイヤがまだ冷えた状態で17号車をパスしていきポジションを上げます。

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素早いピットワークで3番手をキープした100号車

その翌周には100号車牧野選手もピットインしルーティンピットを済ませます。この渋滞を避けたピットワークが奏功したのか、100号車山本尚貴選手は前の周にピットに入った23号車がホームストレートに戻ってくる前でコースに復帰し、SC前にルーティンピットを消化していた2台のNSX-GTに次ぐ実質上の3番手をキープすることができました。

また、同じ周回でピットに入った#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTも4番手でコースイン。この時点でGT500全車がルーティンピットを消化し、NSX-GTが1位から4位を独占する形となります。

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福住仁嶺選手は涙の初優勝
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HONDA NSX-GTが表彰台を独占するのは2007年以来

その上位4台はその後それぞれ単独走行となり、2番手に40秒以上の差をつけた8号車ARTA NSX-GT福住仁嶺選手が、GT500にステップアップして7戦目にしてチームとしても今シーズン初優勝!

2位にはポールポジションからスタートした64号車伊沢拓也選手、そして3位に100号車山本選手が入り、NSX-GTが2007年第5戦SUGO大会以来となる表彰台を独占。そして17号車も5位までポジションを上げたことで、史上初となるNSXが1〜5位を独占するというHONDAにとってはホームコースでこれ以上ない形での決勝結果となりました。

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最終戦を前にポイントリーダーに返り咲いた17号車

この結果を受け17号車は再びドライバーズポイント1位に返り咲き、第2戦で優勝した富士スピードウェイでの最終戦を迎えます。その最終戦は3週間後の11/28〜29に開催される予定となっています。

(写真:吉見幸夫、松永和浩 文:H@ty)