DTM、2021年からFIA GT3規定を採用。23年から電動車導入も目指す

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権は11月6日、最終戦ホッケンハイムの会場で、これまでDTMを運営してきたITR e.Vのゲルハルト・ベルガー代表が出席し、2021年からの新レギュレーションに関するプレゼンテーションを行った。このなかで2021年からDTMはFIA GT3カーで争われることが明らかにされた。

 4月に2020年限りでの撤退をアウディが発表し、現行のクラス1規定によるDTMの危機が表面化してから7ヶ月。実質的にクラス1によるラストレースとなる最終戦ホッケンハイムの会場で、DTMを運営するITR e.Vは、2021年からのシリーズに向けてプレゼンテーションを行った。

 2021年に向けては、すでに週末2レース、ドライバー交代なし、ピットストップありなど、今季までと変わらないフォーマットが明らかにされている一方で、インディカースタイルのスタートなど新たな要素が採用されることが明かされていたが、新たにシリーズの運営について、AvDドイツ自動車協会とパートナーシップを結び“5つの柱”を軸にシリーズを展開していくことになった。

 まずメインとなる2021年のDTMは、これまで噂にあった『GT3プラス』ではなく、世界中に車両が流通しているカスタマーレーシングカーのFIA GT3カーをそのまま使って争われることになった。アウディ、BMW、メルセデスAMG、ポルシェといったドイツメーカーの車両をはじめ、アストンマーティン、フェラーリ、マクラーレン、ランボルギーニ等のヨーロッパ車、さらにキャラウェイ・コルベット、そしてニッサン、ホンダ、レクサスといった日本車など、多様な車種が存在していることから、DTMではこれらの車種の登場を期待しているという。

 現段階でヨーロッパには最大規模を誇るGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ、ドイツ国内にはADAC GTマスターズといったGT3のレースがすでに存在する。ひとりのドライバー、スプリント等の要素の違いはあるが、他のシリーズとどう差別化するかが注目で、『DTMフォーメーションスタート』と名付けられたインディカースタイルのスタート、さらに独立した性能調整、レース結果のトップ3に25kg、18kg、15kgのサクセスバラスト制が導入されるなど、DTMならではの違いがアピールされた。

 また、GT3カーによるDTMをメインとして、GT4カーで争われるDTMトロフィー、さらに過去のDTM車両やグループC、F1等のクラシックレーシングカーを楽しめるDTMクラシック、そして2023年に導入を目指す完全電動レーシングカーのDTMエレクトリック、またEスポーツとリアルの融合を目指すDTM Eスポーツが柱となる。

「モータースポーツとモビリティの世界は、現在移行期にある。そして我々はその時代に合わせ、高いニーズと革新的なトレンドを組み合わせた未来のために、シリーズの漸進的な多様化を行うことになった」とITR代表のベルガーは語った。

「老若男女を問わず楽しめる伝統的なモータースポーツを中心に、DTMトロフィーからDTMクラシックまでDTMの要素であり続けることになる。そして、近い将来追加されるDTMエレクトリックの5つの高品質な要素を備えた強力なパッケージが、DTMのプラットフォームを多面的な未来に導くことになる」

 この日、ホッケンハイムで行われたプレゼンテーションにはベルガーをはじめカスタマーレーシングを率いるアウディのクリス・ラインケ、メルセデスAMGのトーマス・イェーガーが出席したほか、DTMのロゴをつけたアウディR8 LMS、フェラーリ488 GT3、ランボルギーニ・ウラカンGT3が展示され、新生DTMの姿を印象づけた。

GT4カーで争われるDTMトロフィー
GT4カーで争われるDTMトロフィー
第8戦ゾルダー・レース2スタート
2020年DTM第8戦ゾルダー・レース2スタート