鈴鹿でGT500初表彰台の平峰一貴。第7戦もてぎでカルソニックGT-R完全復活なるか

「まだ実感がないというのが正直なところですね。よくわらかないですね。とりあえずチェッカーを受けたということしか、今はあんまり実感がないです」と話すのはスーパーGT第6戦鈴鹿を終えたばかりの平峰一貴。

 今季のGT500ニッサン陣営で唯一のルーキードライバーでもある平峰が前回の鈴鹿で2位に入り、GT500初表彰台を獲得した。チームメイトの佐々木大樹とカルソニック IMPUL GT-Rにとっても、シーズン初表彰台となる活躍だった。

 第6戦前まで、ウエイトハンデの軽さとニッサンGT-R陣営で唯一のブリヂストンユーザーとして、優勝候補に何度も挙がっていたカルソニック IMPUL GT-R。しかし、トラブルやアクシデントなどの不運が重なり、ランキング争いではまさかの最下位を争う低迷ぶりとなってしまっていたが、この鈴鹿の活躍でついに結果を残し、今週末に行われる第7戦もてぎ戦でも存在感を示す可能性は高い。

 鈴鹿ではGT500で初めてトップ争いを経験した平峯。その相手は同門でライバルでもある23号車MOTUL AUTECH GT-R、ドライバーはベテランの松田次生だった。結果的に平峰は次生に押さえ込まれ、最後は突き放される形になってしまった。

「(トップの)23号車に追いつきましたが、そこからはシンプルに次生選手が隙を与えなかったし、単純に僕も抜けなかった。相手の方が後半のペースが良くて、相手のミシュランと比べて僕らのブリヂストンタイヤはたぶん柔らかいタイヤを使っていて、前半しか勝負どころはないというのはわかっていた。そこで単純に勝負して負けたという感じですね」と、潔く負けを認める平峰。

2020年スーパーGT第6戦鈴鹿カルソニック IMPUL GT-R
スーパーGT第6戦鈴鹿で2位表彰台を獲得したカルソニック。佐々木大樹(左)と平峰一貴(右)

 ベテランでニッサン陣営のエースでもある、松田次生との対決の感想を聞く。

「『次生さん、そのポジションは俺のだ!!』って自分で言いながら走ったんですけど、やっぱり次生選手はすごい。GT300の処理も本当に上手いですし、楽しかったです。負けちゃったけど、良い勉強させてもらいましたね」

 ライバルを讃えながらも、平峰もGT500初めてのトップ争いで目立ったミスもなく、GT300をうまくかわしてトップとの距離を縮めた。レース終盤はタイヤも摩耗してグリップも厳しく、接近してきた3番手の8号車ARTA NSX-GTから防戦するような形となった。

「優勝争いは楽しかったですけど、後ろからも来ていたのでプレッシャーもありました。結局最後、8号車も来ていて、その後ろに3号車(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)も来ていることがわかっていたので。僕としては勝ちたかったのですけど、23号車の方が後半はペースがいいとわかっていたので、途中からは難しいかもなとは思ってました」

 鈴鹿で第2スティントを担当した平峰。第1スティントの間はチームメイトの佐々木の走りをピットで見守った。佐々木がオーバーテイクで順位を上げた時には、ピットガレージ内で隣に座っていた星野一義監督から大きく肩を叩かれ、驚く平峰の姿がモニターに映し出された。

「重いんですよ、一発が(苦笑)。『73歳とは思えないどつき方やな』と思いました。僕もかなり体を鍛えていたけど、本物の男にどつかれるとこんなに重いんだなと思って、嬉しかったですね」

 その星野監督からは、レース後、感謝の言葉を受けたという平峰。

「『本当に楽しかった!』『アウトラップでよく抑えていたから俺はそれで楽しかったし、カルソニックや12号車に関わってもらってるすべてのスポンサーのみんなに、やっときちんと報告ができるから良かった』と言っていただけました」と平峰。

「僕もやっと今年、GT500のレースで鈴鹿デビューできた。前回(第3戦)の鈴鹿はフィニッシュできなかったので(リザルト上は12位完走扱い)、レースをしっかり走りきれたというのは良かったかなと思います」

 残り2戦、2位表彰台の先に目指すのはもちろん表彰台の中央。そして今季中に平峰に星野監督のような『本物の男』となる瞬間は訪れるのか──。

2020年スーパーGT第6戦鈴鹿カルソニック IMPUL GT-R
優勝を飾ったMOTUL AUTECH GT-Rの松田次生を祝福するカルソニック IMPUL GT-R平峰一貴