まさかの未発売車がランクイン。9月の新車登録台数に起きた珍事、その車種とは?

●ヤリスがN-BOXをも超える台数を記録。さらに気になる未発売車が大量に登録されていた!

自販連(日本自動車販売協会連合会)が公表している毎月の新車台数。月内に売れた販売台数(軽自動車は除く)を車種別に上位からランク付けしているもので、9月の新車登録台数といえば9月1日から30日の間に登録されたクルマなのですが、ちょっとした異変がいくつか。

ランキングの詳細は自販連のサイトへ

ヤリスクロス
標準ヤリスと外板に共通部分がなくても、車名が「『ヤリス』クロス」なら「ヤリス」に勘定される。

まずは、1位になったトヨタ「ヤリス」の異常な売れ行き。このところヤリスは1位の常連なのですが、なんと9月には2万2066台も販売したのです。8月が1万1856台だったことを考えるとちょっと異常な数字。

しかも、軽自動車のナンバーワンであると同時に長きに渡り乗用車販売のトップを独走していたホンダ「Nボックス」の1万8630台をも抜いたのだから事件です。一体何が起こった?

……と話を盛り上げてはみましたが、実は理由はシンプルです。

SUVの「ヤリスクロス」の納車が本格スタートしたから。

ヤリスとヤリスクロスは車体も異なる別のクルマですが、登録上は同一車種としてカウント。それにしても、2万台超えはなかなかの快挙ですね。この勢いが来月以降も続くのかが見ものです。

アルファード
ここにきて4位にまで急浮上したアルファード。

2位のトヨタ「カローラ」と3位のトヨタ「ライズ」は想定内として、興味深いのはジワジワと順位を上げてきた感のある、4位のトヨタ「アルファード」。なんと1万台超えの、1万436台も登録がありました。前年同月比160%は見事です。

ヴェルファイア
アルファードと同じクルマなのになぜか40位となるヴェルファイア。上下の39位には1411台のスズキクロスビー、41位には1219台のデリカD:5が位置している。

そのいっぽうで兄弟車の「ヴェルファイア」は1273台と信じられないくらい少ない。アルファードとの違いは何なのでしょうか。この不思議な現象の理由は不明ですが、果たして?

6位はホンダ「フィット」(8922台)ですが、1位から5位までをトヨタが独占というのは凄いとしか言いようがないですね。ちなみに5位はトヨタ「ハリアー」で8979台を登録しました。

ノート
2012年の発売から4年後のe-POWER車導入以降、一挙販売量が増えたノートもモデル末期になってさすがに息切れしている。

気になったのは、10位の日産「ノート」。6493台で前年同月比49.3%と元気がありません。もしかすると、噂されている新型の登場に向かっているのでしょうか……。

キックス
鳴り物入りで登場の割には3493台の19位にとどまるキックス。タイ生産である都合上、注文を多く受けても増産体制を採りにくいという事情がある。

さらに見ていくと、19位は日産「キックス」で3493台。21位のマツダ「MAZDA2」と139台しか差がないのはなんとも微妙な感じです(20位はダイハツロッキー)。

受注は好調でたくさんのバックオーダーを抱えているという話ですが、噂によると生産キャパシティの関係とか。増産体制ができつつあるという情報もあるので、来月以降に期待でしょうかね。

マツダMX-30
正式発売にどんどん登録されていたマツダMX-30

ところで9月の新車販売ランキングにおいて最大の謎は、50位にカウントされている648台のモデル。そこにはマツダ「MX-30」と書かれています。

あ、マツダの新しいSUVね……なのですが、なんと発売は10月8日。本来なら発売前である9月に登録されているはずがないのです。なのになぜこんなことが?

まるで幽霊に出会ったかのようなこの状況ですが、答えは簡単。ディーラーの試乗車などが発売前に登録されたのでしょう。

「発売日」というのはあくまでもユーザーへ引き渡す基準日であり、実際にはその日よりも前から登録が可能です。今回は、マツダがMX-30のディーラー試乗車を早めに準備したために起きた珍事といえるでしょう。

それにしても不思議なことが起きるものですね。

いずれにせよ、トヨタの強さを見せ付けられたような気がする9月の新車登録ランキングでした。果たして10月はどうなるでしょうか。

(工藤貴宏)