「カンサイサービス流GRスープラ改造論」タイヤグリップを基準にしたチューニングの極意

新たに登場した19インチのアドバンA052がGRスープラを変える!

GRスープラのスポーツタイヤ選択会議

どんな車種でもノーマル状態で走り込みを重ねてキャラクターを把握し、足りない部分を補う形でチューニングを進めていく“カンサイサービス”。GRスープラに関しても従来同様のアプローチで取り組んでいるが、その過程で問題となったのがタイヤグリップだった。

「ECUチューンでパワー&トルクが大きく高まるRZですが、パワーを高めてもタイヤのグリップ性能が追いつかなくなる。そんなこともあって、現状ではアドバンネオバAD08Rとベストバランスと言える450ps程度にパワーを抑えているんですよ」とは、カンサイサービスの向井代表。

そんなカンサイサービスの元に朗報が舞い込んできたのは9月の事。圧倒的なグリップ性能を誇るアドバンタイヤのハイグレードモデル“アドバンA052”に19インチの純正サイズ(F245/40-19 R275/35-19)が登場したのである。

これまでRZの性能に見合うハイグリップラジアルと言えば18インチが中心でたったため、速さを求めてインチダウン&前後同サイズ化という流れができていた。

しかし、向井代表は「18インチ化はタイヤのハイトによるヨレ感が気になるし、リヤに合わせたフロントのサイズアップはFRのハンドリングをスポイルする」と言う考えのもと、19インチの純正サイズに拘り続けてきた。

そこでアナウンスが流されたGRスープラRZサイズのA052の発売は、カンサイサービスにとって「待ちに待った」という感覚の情報だったのだ。向井代表は横浜ゴムに掛け合い、発売を目前に控えた新サイズを先行モニターとして入手、純正タイヤとの比較テストを行った。

ちなみに、カンサイサービスのデモカーはブーストアップ仕様の完成度を高めている段階で、エンジン系はHKSの吸排気パーツにECUチューニングを組み合わせ、実測で450ps/70kgmを発生させている。

足回りは、グランドツアラー路線のハイパーマックス・ツーリングによるセッティングを終え、現在はストリートからサーキットまで楽しめる方向性へとステップアップ。ハイパーマックスMAX-IV SPを投入して煮詰めている最中だ。
 

ブレーキは純正キャリパー&ローターのままで、一気に制動力を立ち上げた際に介入しやすいABSとの親和性を高めつつ、ストッピングパワー向上とフィールアップへ繋がるパッドを吟味中。ユーザーの選択肢を増やすべく、エンドレスとプロジェクトμの製品を色々と試しながらデータ収集を進めている。

そしてタイヤ。純正のミシュラン・パイロットスーパースポーツはZR規格で速度記号(スピードレンジ)はY。アドバンネオバAD08Rの同サイズの場合、ZR規格外で速度記号はWと規格的には格下となる。しかし、アドバンA052であればZR規格で速度記号は(Y)、純正以上の規格性能が盛り込まれているのだ。

ノギスによる簡易測定だが、同一サイズでもフロントの接地幅は純正が約243mm、アドバンA052が約255mm。リヤは純正が約256mm、アドバンA052が約277mm。グリップ性能の高さと接地面積拡大の相乗効果で、RZのポテンシャルを引き出すタイヤになっているのだ。

A052仕様のGRスープラをサーキットでテストしたレーシングドライバーの松本武士選手は「チューニングされたRZで電子制御を解除してスポーツ走行すると、純正タイヤのグリップレベルでは簡単にパワーオーバーが出てしまいます。とは言っても、乗り慣れればコントロールできる範囲ですが。一方のA052は、性能に見合ったグリップ性能が発揮され、終始安定した挙動で攻め込める。多少舵角を残した状態から踏み込んでいっても軽くホイールスピンする程度ですね」とコメント。

カンサイサービスでは今後も継続的にA052のテストを重ね、セットアップの変更なども試していくとのことだから期待したい。

●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126