安全のためにボルボが注力するテクノロジーとは? 音声認識やライダーの積極活用をスタート

100%電気で走るXC40が生産を開始

ボルボ カーズは、同社初のBEV「XC40 Recharge(リチャージ)」の生産を2020年10月2日に開始している。Geely(ジーリー)グループで共同開発した先進プラットフォーム「CMA(コンパクト モジュラー アーキテクチャー)をベースにした電気自動車は、1度の充電で400km超の航続距離を実現しているという。

そのXC40には、Androidシステムを活用したインフォテインメントを搭載。GoogleマップをはじめとしたGoogleのテクノロジーを介して、エンタテインメントのみならず、ボルボらしい「安全」へのアプローチを図っていく。

ボルボ XC40リチャージの生産工程イメージ

ドライバーの集中力を削ぐガジェットたち

現代車のキャビンには、タッチスクリーンやスマートフォンといった、ドライバーの注意を散漫にしかねない様々なガジェットが存在する。しかし、ボルボ カーズは最新のテクノロジーを正しく使用すればドライバーの集中力が阻害されることはなくなる、と語る。

同社セーフティセンターの責任者、マリン・エクホルムは次のように説明する。

「現代のドライバーの災いの元は、スマートフォンやタッチスクリーンだと考えるのは簡単ですが、実際は生活全体が複雑になっているのです」

ボルボ XC40のコクピットイメージ

Googleアシスタントがドライバーをサポート

人々は友人や家族、仕事、エンタテインメントとの繋がりを求めている。「そのため、私たちはお客様にどこにいてほしいかではなく、お客様がいる場所で対応したいと考えています。だからこそ私たちは、お客様が安全に運転できるように、テクノロジーを適切な方法で使用することに重点を置いています」

新しいBEVのXC40 リチャージでは、ドライバーの集中力を保つために、Android搭載インフォテインメントシステムに備わる先進的なボイスコントロールを活用する。話しかけるだけでエアコンを調整したり、BGMを変えたりしてくれるGoogleアシスタントの使い勝手の良さは、すでにスマートスピーカーやスマートフォンの利用で実感している方も少なくないはずだ。

「ボルボの主要機能を音声で操作することで、ドライバーはハンドルから手を離すことも、道路から目をそらすこともなくなります」

次世代SPA2車両に搭載するルミナー製LiDARイメージ

次世代モデルは高速道路での完全自動運転を標榜

また、ドライバーの“目”だけでなく、車両側の“目”もさらなる安全を乗員へもたらす。同社は次世代プラットフォーム「SPA2(スケーラブル プロダクト アーキテクチャー2)」に、米シリコンバレーのテクノロジー企業Luminar(ルミナー)製レーザーレーダー「LiDAR(ライダー)」を導入すると発表している。

ルーフに継ぎ目なく一体化させたLiDARは、ボルボ初の高速道路上での完全自動運転技術を実現するための装置だ。センサーから数百万パルスのレーザー光を発し、実際の環境を3Dスキャン。物体の位置を正確に検出し、一時的にリアルタイムマップを作成する。カメラやレーダーだけでは得られない信頼性の高い視覚と知覚を、様々なバックアップシステムと組み合わせて使用していくという。

ボルボ XC40 リチャージのフロントイメージ

LiDAR搭載のSPA2モデルは2022年に生産開始

人間は完璧ではない。どうしても注意力が散漫になったり、たとえばストレスなどでいつも通りの心理状態でないこともあるだろう。だからボルボは万一の際に備えて、車両側は車線逸脱防止機能や衝突回避・被害軽減ブレーキ、LiDARや車載カメラを活用した先進運転支援システムで常に乗員を見守っていく。

車両が危険を察知した場合に介入するシステムには、ステアリングやブレーキのアシストだけでなく、車速を制限したり、ボルボのアシスタンス サービスへ警告を伝えたり、積極的にクルマを減速させて安全に駐車させる機能まで含まれるという。

XC40のBEVモデルは欧州ですでに注文を受け付けており、2020年10月下旬にはデリバリーを開始予定。年内生産分の注文はすでに締め切っているそうだ。日本での受注は2021年中にスタートする模様。

また、LiDARを搭載するSPA2ベースの次世代車は2022年の生産開始を予定している。