アルファタウリ・ホンダF1コラム:ガスリーは安定感のある走り、クビアトに忍び寄るシート喪失の危機

 2020年F1第11戦アイフェルGPでは、ピエール・ガスリーが6位に入賞したもののチームメイトのダニール・クビアトはアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)に接触されフロントウイングが破損。ピットインしてフロントウィングを交換したものの最後尾へと転落し15位でフィニッシュしている。

 さて今回も、クビアトとガスリーのふたり、そしてチームのパフォーマンスを10点満点で私的に採点していこう。アイフェルGPでの評価は、以下の通りだ。

【ドライバー】
ピエール・ガスリー 予選12番手/決勝6位 → 7/10点満点
ダニール・クビアト 予選13番手/決勝15位 → 5/10点満点

【チーム】
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ 7/10点満点

 初日は悪天候のために、1周もできず。2日目のわずか1時間のフリー走行で、予選、レースに向けてのマシンバランスを見極めなければならなかった。しかもニュルブルグリンクで走るのは7年ぶりだった上に、気温10度に達しない超低温のコンディションだった。

 その条件は全チームに等しいものだったとはいえ、当然ながらチーム力の差は出てくる。そしてアルファタウリはそういうぶっつけ本番の状況が、決して得意ではない。それでも予選Q1はガスリーが7番手、クビアトもチームメイトから0.2秒落ちの13番手でQ2へと進んだ。

 ここまでは通常のレース週末と、ほぼ同じ展開だった。しかしそこから、アルファタウリの2台は伸び悩んだ。ソフトタイヤの新品が2セットしか残っていなかったため、最初のアタックはユーズドタイヤで行い、クビアト14番手、ガスリー15番手。同じユーズドで走ったアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)やケビン・マグヌッセン(ハース)にも及ばなかった。

 ニュータイヤでのアタックでは、ともに自己ベストを1秒以上更新した。しかしライバルたちの伸び代はそれ以上に大きく、ガスリー12番手、クビアト13番手に終わった。11番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とは100分の数秒単位の僅差だったものの、10番手のエステバン・オコン(ルノー)には0.4秒以上離される厳しい展開だった。

 しかしレースでのロングランペースは、今回も相対的に悪くなかった。特に新品のミディアムタイヤでスタートしたガスリーは1周目に順位を落としたものの、その後は7番手まで順位を上げる。折り返し点の30周目まで引っ張り、そこでハードタイヤに交換、さらに終盤にセーフティカーが導入された際に、ソフトのニュータイヤが1セット残っていたのも幸いした。

 そのおかげでガスリーは中古ミディアムのシャルル・ルクレール(フェラーリ)を難なく抜き去り、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)を最後まで追い回した。あと1周か2周あれば、サインツも仕留めて5位入賞を果たしていたかもしれない。もちろんボッタスやアルボン、ノリスといった上位勢のリタイアに助けられた面はある。とはいえガスリーの安定した走りと、チーム戦略がきれいに噛み合って、勝ち取った6位だった。

 一方のクビアトは、16周目のアルボンとの攻防でターン13のブレーキングを遅らせすぎてコースオフ。直後の接触でノーズ、フロアに大きなダメージを負った時点で、入賞の望みは潰えた。シート喪失の可能性は、クビアト自身がひしひしと感じていることだろう。その危機感が、本来の実力発揮になかなか繋がってくれない。それを本人が一番もどかしく思っているはずだが、負のスパイラルからなかなか抜け出せそうにない。

F1第11戦アイフェルGP決勝レース ピエール・ガスリー、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
F1第11戦アイフェルGP決勝レース ピエール・ガスリー、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)