レッドブル・ホンダ分析:ハイダウンフォース仕様の空力パッケージをさらに改善。新パーツ導入でアンダーステアを防止

 2020年F1第11戦アイフェルGPが開幕する前までで、今シーズンの予選でレッドブル・ホンダのマシンがポールポジションのマシンに最も接近したのが、第9戦トスカーナGPだった。そのときのポールポジションとのタイム差は、それまで最も小さかった第7戦ベルギーGPの0.526秒をさらに縮めて、0.365秒だった。

 今回のアイフェルGPの予選で、マックス・フェルスタッペンはそのギャップをさらに縮めて、0.293秒とした。その理由を「最近のアップデートによって、マシンがいいステップを踏んでいるから」と語った。

 アイフェルGPでレッドブル・ホンダがかなりコンペティティブな走りをすることは、第6戦スペインGPの予選後のこの『レッドブル・ホンダ分析』でも指摘していた。理由はサーキットの特徴だ。

 ニュルブルクリンクには『一般的なハイダウンフォース仕様』の空力パッケージが使用される。この仕様はこれまで第3戦ハンガリーGP、スペインGP、トスカーナGPで使用された。ただし、シーズン序盤のレッドブルの空力はこの『一般的なハイダウンフォース仕様』に問題があり、ハンガリーGPの予選でフェルスタッペンが7番手に沈んだ。そのため、その後レッドブルは大きく方向転換し、スペインGP以降は競争力をつけ、トスカーナGPでもメルセデスに迫る走りを披露した。

 その空力をレッドブルはこのアイフェルGPでさらに進化させた。今回、レッドブルがニュルブルクリンクに持ち込んだ新しいパーツは、フロントウイングだった。翼端板のフットプレート(翼端板の地面側から外側へ伸びた水平面)の裏側の形状を改良して、フロントタイヤに当たる空気の流れを調整しているようだ。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第11戦アイフェルGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

 ニュルブルクリンクは全部で15のコーナーがあるが、ほとんどは中速コーナー。時速100kmから200kmで通過するコーナーは2コーナー、4コーナー、6コーナー、7コーナー、10コーナー、11コーナー、14コーナー、15コーナーと半分以上の8個ある。

 最新の空力パーツを投入したことで、ここでアンダーステアを出さなかったことが、アイフェルGPでレッドブル・ホンダがメルセデスに接近した最大の要因だった。

 それでも、フェルスタッペンは「レッドブルの空力にはまだ改善する余地が残されている」という。というのも、Q3の最後のアタックでは第3セクターでアンダーステアが出てしまったからだ。

 リヤが滑るオーバーステアはドライバーのアクセルワークで調整ができるが、ステアリングを切ってもフロントが入らないアンダーステアは、ドライバーには速度を落として曲がる以外にどうすることもできない。

 とはいえ、レッドブルの車体が着実に進化していることは、チームメートのアレクサンダー・アルボンが今シーズンの最高位、トスカーナGPの4番手に次ぐ5番手を確保したことでもわかる。

 苦手と思われたロシアGPでトップのメルセデスから7.7秒差でチェッカーフラッグを受けたレッドブル・ホンダ。このニュルブルクリンクでどこまでその差を縮めることができるのか。

 フェルスタッペンは日曜日に向けて、こう言って笑った。

「いつもレースでは予選よりもメルセデスとの差は縮まる。日曜日は更に気温が下がると予想されているので、タイヤがどのように機能させられるかがポイントだ。面白い一戦になりそうだ」

2020年F1第11戦アイフェルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が予選3番手を獲得
2020年F1第11戦アイフェルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が予選3番手を獲得
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第11戦アイフェルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第11戦アイフェルGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)