WRC:2021年から単独供給開始のピレリ、イタリアで新型タイヤを初披露

 2021年シーズンからWRC世界ラリー選手権の単独タイヤサプライヤーを務めるピレリは10月8日、イタリア・サルディニア島を舞台に行われているWRC第6戦イタリアで新型WRCタイヤを初披露した。

 現在のミシュランに代わって、2021年からシリーズの単独サプライヤーとして競技用タイヤを全チームに供給するピレリ。シリーズと3年契約を結ぶ同社はWRC第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』が開幕した8日朝、カンファレンスを実施し2021年型WRCピレリタイヤを初公開した。

 既報のとおり、ピレリは新型タイヤの開発に2019年までWRCの最高峰クラスに投入されていたシトロエンC3 WRCをテストカーとして用い、新型コロナウイルスの影響で混乱が生じるなかで、グラベル(未舗装路)、ターマック(舗装路)、スノー、アイスといったさまざまなコンディションに対応する新しいタイヤの製作に取り組んできた。

 それらのテストでシトロエンC3 WRCをドライブしていたのは、テストドライバーに就任したアンドレアス・ミケルセンだ。

 ミケルセンとシトロエンC3 WRCはこのローンチイベントに合わせて、WRCイタリアのシェイクダウンに登場。関係者や集まったメディアを乗せ、全長3.79kmのステージでパフォーマンスを披露した。

 また、ラリー最終日の10月11日に予定されている最終SS16では、2003年王者ペター・ソルベルグがシトロエンC3 WRCをドライブして新型ピレリタイヤの“実戦”デビューを果たす。この際にはミケルセンがコドライバーを務める予定だ。

■Pゼロ、スコーピオン、ソットゼロなどで幅広いコンディションに対応

 ピレリが復帰を果たす来シーズンの開幕戦モンテカルロは、言うまでもなく冬のコンディションだ。このイベントはステージの一部は乾いた路面である一方、他のステージでは氷や雪で覆われている場合があり、ドライバーはスタッド付き又はスタッドなしの“ソットゼロ(Sottozero)”スノータイヤ、もしくは通常のアスファルト用からタイヤ選択が可能となる。
 
 スウェーデンのような雪に覆われたラリーでは、前述のソットゼロのみが供給される。スノータイヤに組み込まれるスタッドの数はタイヤ1本あたり384個で、このスタッドが圧雪路に食い込むことで強力なグリップ力を生み出す。

 残りのシーズンのグラベルラリーでは、ハードコンパウンドとソフトコンパウンドの“スコーピオン(Scorpion)”グラベルタイヤが用いられ、サルディニアように暑く岩だらけのコースから、フィンランドのような驚異的なスピードで駆け抜けるラリーに対応。さらに、ウェールズ(イギリス)のようなマッドなウエットコンディションにおいてもグリップ力を発揮するという。

 アスファルトやコンクリート敷きのターマックイベントでは、F1をはじめとするさまざまなモータースポーツでお馴染みの“Pゼロ(P ZERO)”が供給される。
 
 このターマックタイヤは、グラベル用のスコーピオンと同様にハードとソフトという2種類のコンパウンドで高温から低温をカバーするとともに、滑らかなトラックから荒れた路面まで幅広く対応可能だ。

 なお、Pゼロはドライ/ウエット兼用となるが、雨量がきわめて多くなり過酷なコンディションとなった場合に備えて、レイン用の“チントゥラート(Cinturato)”タイヤも用意されている。

 ピレリのラリーレーシング責任者を務めるテレンツィオ・テストーニは、新型WRCタイヤのお披露目に際して次のように述べた。

「次回、世界ラリー選手権のイベントでピレリタイヤを目にするのは来年のモンテカルロラリーで、その時から我々のシリーズ唯一のタイヤサプライヤーとしての任期が始まる」

「これらのタイヤを作成する際、我々はF1で学んだ教訓と、ラリー、その他のモータースポーツおよびロード用の超高性能タイヤで培った経験を活用した」

ピレリ開発車のシトロエンC3 WRC 2020年WRC第6戦イタリア
ピレリ開発車のシトロエンC3 WRC 2020年WRC第6戦イタリア