ホンダ山本MDインタビュー(1):F1活動終了に悲痛な思い「目の前でレースを戦っているので、非常に残念な報告」

 10月2日にホンダが行った2021年限りでのF1活動終了の発表。その記者会見を、ホンダF1のマネージングディレクターを務めている山本雅史は、遠くイギリスで聞いていた。コロナ禍の状況が続くなか、6月に渡英し、その後レースチームのスタッフとともにグランプリを転戦している山本雅史マネージングディレクターに、今回のホンダの決定をうかがった。

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──2021年限りで、F1活動を終了することが決定しました。

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):はい、先週の金曜日に弊社の八郷(隆弘)社長よりコメントがあったように、会社として決定したことについては真摯に受け止めています。私たち現場は田辺(豊治/F1テクニカルディレクター)と二人三脚で、今シーズンの残り7戦をしっかりと戦うとともに、来シーズンの1年間に向けてはチャンピオンシップを獲得すべく、一戦一戦大切に戦っていきたいと思います。

 企業として、大きく舵を切ったという認識はもちろんあります。現場サイドを代表すると、私たちは目の前で身近にレースを戦っているメンバーなので、非常に残念な報告でした。特に日本の多くのファンの皆様に非常に残念な思いをさせたということは十分承知しています。そんななかで、しっかりファンの皆様ひとりひとりの期待にこたえることができるように、一戦一戦大切に戦っていきたいと思います。

──八郷社長は、8月にチームに伝えていたと語っていました。経緯を教えてください。

山本MD:コロナ禍でF1は7月から開幕することになり、私は6月からヨーロッパに拠点を置いて活動していました。そういった背景もあって、(F1活動についての話し合いは)弊社、渡辺(康治/ブランドコミュニケーション本部長兼広報部長)が基本、中心となって行われ、私もリモートで、現場サイドとして唯一、早くから方向性の会議に参加していました。

 レッドブルに正式に(活動終了を)お伝えしたのも渡辺でした。ですから、田辺に伝えたのは本当に(記者会見の)直前。これは(研究所ではなく)青山(本田技研工業)のほうで判断して、今回の方向性については非常に厳しい判断をせざるを得ないということで、できるだけレースに支障を来さないよう、なるべく現場スタッフを入れずにやろうという形で進んでいました。

──レッドブル側は?

山本MD:私が聞いている限りでは、(ヘルムート・)マルコさん(モータースポーツアドバイザー)とオーナーの(ディートリッヒ・)マテシッツさんだけだと思います。

──マルコの反応は?

山本MD:それはマルコさんに直接聞いたほうが正確だと思いますが、私はマルコさんにはとても感謝しています。トロロッソとの契約もレッドブルとの契約もマルコさんが中心になって行ってきました。そのマルコさんが最初に私に言った言葉は、「会社が決める方向は尊重するが、いまレッドブルとホンダはいい形で戦っているので惜しいし、悔しい」でした。

──8月にチームに話をして、9月末に最終決定したわけですが、この1カ月間は何があったのでしょうか。依然として、継続か、終了で意見が別れていたのでしょうか。

山本MD:この1カ月間は社内で、将来に向けてきっちりと整理をしていたのだと思います。

──この時期に発表した理由は? ホンダの広報によれば、少しでも2チームに迷惑をかけたくなかったという説明ですが。

山本MD:その通りだと思います。特にレッドブルに関してはチャンピオンシップを争えるチームなので、彼らが2022年以降もしっかりとレースを戦える状況を作っていただきたいと思いで今回の発表のタイミングとなりました。それは間違いないです。

──FOMやFIAへ対しても、すでに連絡は行っているのですか。

山本MD:はい、発表を行う前日に、フォーミュラ・ワンはチェイス・キャリーさん、FIAはジャン・トッドさんに向けて、弊社・渡辺からメールとレターを送っています。また、フォーミュラ・ワンは(私が拠点にしている)イギリスにあるので、私がチェイス・キャリーさんのもとを訪れ、直接面会にうかがって本社のサポートを行いました。

ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
2020年F1第11戦アイフェルGP ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第10戦ロシアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
山本雅史(ホンダF1 マネージングディレクター)&ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第8戦イタリアGP 山本雅史(ホンダF1 マネージングディレクター)&ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)