ライバルにバンパーを投げつけたイタリア人ドライバー「今後一生モータースポーツに参戦しない」と謝罪

 日曜日に行われたFIA世界KZカート選手権で、ライバル選手に暴行を加えた若手カートレーサーのルカ・コルベリが、今後一生モータースポーツに参戦しないと自ら誓約した。

 イタリアのロナートで開催されたKZクラスの決勝レース中、コルベリは走行中のライバル、パオロ・イッポリートにバンパーを投げつけた。コルベリとイッポリートはその前に接触しており、コルベリは自分がリタイアを余儀なくされたことへの報復を試みたとみられる。

 さらに、怒りの収まらないコルベリはパルクフェルメでもイッポリートに暴行し、さらにロナートのカート施設を所有するコルベリの父親を含むチームの数名までがふたりの間で起きた乱闘に加わった。

 ふたりのレーサーは決勝からの失格を宣告されたが、月曜日になってFIA国際自動車連盟がこの事案に関する声明を発表した。

「FIA(国際自動車連盟)とACI(イタリア自動車クラブ)は、昨日イタリアのロナートで行われたFIA世界KZカート選手権において発生した、ドライバー、チームメンバー、コースオフィシャルを巻き込んだ不穏当な出来事について深く憂慮している。FIAは速やかに本事案に関する調査委員会を立ち上げた」

 さらに、FIA国際カート委員会の委員長を務め、この週末にはイタリアに滞在していたフェリペ・マッサも、この衝撃的な出来事に関わったすべての人物に制裁を科すと約束した。

「こうしたふるまいは、我々のスポーツにおいては受け入れられない。関係した者は自らの行動に対して責任を取ることになるだろう」と、マッサはインスタグラムに投稿した。

 今回の衝撃的な出来事については、著名なモータースポーツ関係者たちもSNS上でそろって非難の声をあげた。元F1チャンピオンのジェンソン・バトンと、マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、コルベリに対する永久追放処分を求めた。

 しかし、月曜日の午後になって、コルベリ自身が日曜日の出来事に関する声明を出した。そのなかで、彼は今後一生カートやモータースポーツに参戦しないと誓った。

「僕がやってしまったことについて、モータースポーツコミュニティの人たちに謝罪したい」とコルベリは記した。

「この恥ずべき行為について、言い訳は一切ない。こうしたことは自分の15年間のキャリアのなかでもやったことがないし、将来他の誰にもやって欲しくない」

「レースが終わった後、僕は競技審判から呼び出され、そのとき僕から彼らにライセンスをはく奪して欲しいと頼んだ。自分が行った取り返しのつかない過ちを十分に認識していたからだ。でも、彼らが僕に言ってくれたように、彼らにはそれを行う権限がない。それは国際規則にも書かれていることだ。だからどうか彼らに対してクレームをつけないで欲しい。彼らは自分たちの仕事に最善を尽くしただけだ」

「こうした経緯から、僕は今後一生モータースポーツ競技に参戦しないと自分で決断した。自らを断罪するといったことではなく、単にそうすることが正しいと思ったからだ。僕の家族は1985年からカートの世界にいる。カート競技が育つのを見てきたし、その良いときも悪いときも見てきた」

「今回のことは、このスポーツで最悪の出来事として記憶されるだろうし、僕も生涯忘れることはない」

「僕は一切の免責を求めない。僕はそれに値しないからだ。今後制裁が科されれば全面的に従うつもりだ。これだけでは不十分かもしれないが、今日この場で謝罪させて欲しい。過去にカートではいろいろと悪い出来事もあったが、そのなかで最悪の出来事を起こしてしまったのが僕だからだ。僕はこのスポーツを愛しているし、僕の人生にとって最悪の日を経て、これからも素晴らしいレースの記憶を思い出し続けるだろう」