坂東代表がホンダF1、日本のモータースポーツの未来に言及。スーパーGTに新たなテスト規制も検討

 スーパーGTシリーズをプロモートするGTアソシエイション(GTA)が第5戦富士の決勝日に開いた定例記者会見で、坂東正明GTA代表がホンダの2021年限りでのF1参戦終了、ならびにその影響が日本国内に及ぶかという質問に対し、答える場面があった。

 記者からの質問は「先日のホンダのF1撤退発表を受け、日本のモータースポーツ、とくにスーパーGTにこれが影響を及ぼすかどうか」というもの。

「八郷さん(本田技研工業・八郷隆弘社長)の会見は見ました」と坂東代表。

「会社としてホンダがF1をやり、その社長がF1を終わらせるというのは、八郷さんとしては本当に断腸の思いで決められ、ああいうことをおっしゃったのだと思いますし、悔しいだろうなとも思いました」

「我々も『モータースポーツを営業戦略のひとつのコンテンツとして使ってください』と企業さんに提案して(プロモートして)いる以上、当然ながら八郷さんのおっしゃったことには大きな意味があると思います」

 また、坂東代表は「直接的ではないですが」と前置きした上で、現在のコロナ禍も考慮に入れ、自動車メーカーの今後の戦略や、スーパーGTシリーズとしての今後のビジョン、そして2021年に向けた具体的な取り組みについても言及した。

「今後、このコロナの状況を含めて、モータースポーツは変わる時が来ると思います。それは化石燃料からEV(エレクトリック・ビークル)や水素へという環境の問題もありますし、自動車メーカーの営業戦略・販売戦略も随分変わってくるかと思います」

「そのなかで、我々としてはスーパーGT(GT500)を2023年まではいまのレギュレーションで続けたい。それについては昨日(10月3日)の夜も、マニュファクチャラー3メーカーとミーティングしました」

 坂東代表は前戦もてぎの記者会見でも、現在GT500クラスで採用している『クラス1+α』規定について「(少なくとも)2023年まで継続」したい旨を述べていたが、DTMがクラス1からの実質的な脱却を表明した現在も、この『2023年』はひとつの大きな目標点のようだ。

 さらに坂東代表は「厳しい状況下で2021年を迎えることは間違いない」として、2021年に向けた車両開発の凍結、そして2020年最終戦後のオフからテストに関する規制強化を検討していることも明らかにした。

「来季に向けては、車両開発の凍結という話もあがっています。それからタイヤメーカーテスト、公式テスト含め、シリーズ中のテスト規定については今年も(定められた)時間をきちっと守っていきますが、第8戦富士の最終戦が終わってから、来年3月に岡山で予定されている合同(公式)テストまでの間のタイヤメーカーテストも、GTAでコントロールする、つまり規制を入れるということを昨日、話しています」

 これまで、タイヤメーカーが主催する『タイヤメーカーテスト』については、『シーズン中=最初の公式テストから最終戦まで』のテストのみを対象に、走行時間上限やメーカーごとの参加車両台数などが規制されてきたが、これをオフの期間にまで拡大する流れになるようだ。

年末と年明け、2回に行なわれることが通例となっている、オフシーズンのマレーシア・セパンでのテスト
年末と年明け、2回に行なわれることが通例となっている、オフシーズンのマレーシア・セパンでのテスト

 オフのタイヤテストは日本国内だけでなく、温暖な気候をもつマレーシア・セパンでも行なわれてきたが、次のオフに関して坂東代表は、12月に予定されていたテストは「やりません」と明言した。

「現在日程を確保している(2021年)2月のテストについては、いま話し合いをしています。たとえばシーズン中の6〜7月に車両開発テストを国内で設定したとしても、(2月の)セパンで走ったチームはそこに参加できないとか、そういったルールを考えています」

 モータースポーツ、そして自動車メーカーを取り巻く環境が大きく変わりゆくなか、「きちんと中長期のビジョンに結びつくように」(坂東代表)、戦略を立てていかなければならない状況がやってきている。