インディカー第13戦詳報:パワーが完勝。王者を争うディクソンとニューガーデンは32点差で最終戦へ

 インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースを舞台にダブルヘッダーで開催されたインディカー・シリーズ・ハーベストGP。3日に行われた第13戦決勝レースは、ポールポジションからスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が今季2勝目を挙げた。

 17番手からスタートした佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、14位でレースを終えた。

 気温が16~17度と、前日同様に寒いコンディションでのレースとなったハーベストGPのレース2では、ウィル・パワーがポールポジションスタートからの75周全ラップをリードしての完勝を飾った。

 今シーズン2勝目、通算39勝目、そして、インディアナポリスモータースピードウェイのロードコースでの4勝目となった。

 午前中の予選で1分9秒の壁をただひとり破ってポールポジションを獲得したパワー。それは彼にとって通算61回目のPPだった。伝説のドライバー、マリオ・アンドレッティの持つ記録=67回がいよいよ近づいてきている。

 レースでは終盤にコルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート)の接近を許したが、アタックのチャンスを与えるところまで近づけさせずにゴールへと飛び込んだ。

第13戦ハーベストGPスタート
第13戦ハーベストGPスタート

 ピット作業でのミスや、レース展開が不運に作用することもなく勝利を飾ることができたパワーは、表彰台で安堵の表情を見せた。

「マシンが昨日より断然良くなっていたから、すべてのラップを全力プッシュで走ったよ。燃費をセーブする必要もあったけれど、アクセルを早めに戻しながらもコーナリングは限界まで攻め続けた」

「ファンタスティックな1日になった。またビクトリーレーンに上がることができ、とても幸せだ。最後はもうタイヤがなくなっていて、厳しいバトルになった。コルトン・ハータを後方に封じ込め続けるのは大変だったよ」

「今日はイエローなどで影響を受けるレースとならなくてよかった。ピットクルーの仕事も完璧だった」とパワーは語った。

 レース1はジョセフ・ニューガーデン、レース2はパワー。ロジャー・ペンスキーがオーナーとなったコースでのイベントは、7月のGMRグランプリ、8月のインディ500に続く3イベント目。ようやくチーム・ペンスキーはボスのコースで勝利を飾り、それはダブルヘッダーの両レース制覇となった。

チェッカーフラッグを受けるウィル・パワー
チェッカーフラッグを受けるウィル・パワー

 ハータは昨日の失敗に学び、今日はタイヤマネジメントとプッシュ・トゥ・パスの管理に注意を払っていた。先行を許したチームメイトのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)をレース終盤にパスし、パワーの背後へと迫ったが、0.8秒届かなかった。

 3位はロッシ。ハーベストGPで両レースとも表彰台に上ったのは彼だけだ。そして、ロッシはミド・オハイオでのレース1から4戦連続のトップ3フィニッシュともなった。

次のページへ ■チャンピオン争いは最終戦へ


 シリーズランキング2位につけているジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は、フロントロウ外側グリッドからスタートした昨日のレース1で優勝したが、今日のレース2予選は9番手と厳しい結果になった。

 しかし、そのポジションからでも彼は4位までポジションを上げてゴールする見事な戦いぶりを披露。5戦続けてポイントリーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)より上位でフィニッシュすることとなり、ふたりのポイント差は32点となった。

しっかりとポイントを積み上げたスコット・ディクソン
しっかりとポイントを積み上げたスコット・ディクソン

 タイトル争いは今年も最終戦にも連れ込むことになった。そして、今年の最終戦はダブルポイントではない。10月25日、フロリダ州セントピーターズバーグでのファイアストンGPオブ・セント・ピーターズバーグで2020年のチャンピオン争いは決着がつく。

 タンパ湾沿いのストリートコースでのレース、意外なことにディクソンは優勝経験がない。対するニューガーデンは、最も直近の2019年のレースで優勝している。

 ゲートウェイ、ミド・オハイオでジリジリと差を詰め、ハーベストGPのレース1で優勝し、ニューガーデンは大きな勢いを掴んだかに見えた。しかし、レース2で更に畳み掛けることはできなかった。

 その一方でディクソンは、苦しい戦いとなっても常に粘り強さを発揮し続け、レース1は12番手スタートで9位、より後方の15番グリッドからのスタートだったレース2では8位でフィニッシュしてみせた。最終戦でシングル順位でのフィニッシュができれば、ディクソンの6回目のタイトルを手に入れる。

 佐藤琢磨は17番手スタートから14位でゴール。ポイントスタンディングは7番手を保っている。

「マシンは昨日より良くなっていて、レースを通してのバトルを戦うことができていました。予選でもう少し上のグリッドを獲得し、レースももっと上位で戦いたかったですね」

「思うように順位を上げられなかったのは、レース中ずっとバトルをし続けていたから、というのもあったかもしれません。最終戦セント・ピーターズバーグは今年初のストリートコースになるのでどんな勢力図になるのかわかりませんが、得意なコースですし、全力で頑張ります」と琢磨は語った。

 いよいよ残すは1戦となった2020年のインディカー。最終戦は、10月25日に決勝レースが行われる。

マーカス・エリクソンと競り合う佐藤琢磨
マーカス・エリクソンと競り合う佐藤琢磨