「心は全損」から蘇り予選3番手のウェッズ。決勝ではGRスープラの“武器”で一撃を狙う/第5戦GT500予選

 スーパーGT第5戦富士予選は、ウエイト“軽量組”が軒並みGT500クラスの上位を占めた。

 この時点でウエイトを積んでいない(積めていない)ということは、今季ここまで思うように結果を残せていないということでもある。彼らにしてみれば、ランキング上位勢とのウエイト差が広がるここ富士と次戦鈴鹿は、“リベンジ”を果たす絶好の舞台だ。

 なかでもWedsSport ADVAN GR Supraは、“狙えるラウンド”だった前戦ツインリンクもてぎで、順調に事を運びながらも突然のもらい事故によってレースを失ったこともあり、この第5戦に向けては雪辱を期して臨んできた。

 富士では朝の公式練習で、トップからコンマ8秒落ちの6番手につけたウェッズ。国本雄資によれば、朝の時点では「(予選での)タイヤのウォームアップが心配だった」というが、Q1をトップからコンマ1秒落ちの3番手で突破した宮田莉朋からも「いいフィードバック」があり、タイヤを充分に温めた状態でQ2の計測ラップに入れたという。結果、ここでも3番手につけることとなった。

「セクター1、2ですごく速いタイムを出せて、うまく1周に合わせこむことができました。一応次の周(計測4周目)も行ったのですが、やっぱりもうグリップが少し落ちてしまいました」

「Q1がすごい僅差だったのでポールを狙っていたし、実際(Q2でも)2番手にすごく近かったのでそこについては悔しさが残りますし、トップ(ARTA NSX-GT)がすごく速かったのもちょっと複雑ですが……自分としては100%の力を出せたアタックでした」

 肝心の決勝に向けたロングランのペースは「朝やってみたところでは安定して走れていたので、『すごくダメ』って感じではないですが、あともう少し、自分たちの中で速さを見つけられれば、上位に食らいついて行けると思う」と国本は言う。

 その口ぶりからは、好調だった前戦もてぎと、今回の富士とで、ウェッズの履くヨコハマタイヤとコースとの相性が異なることが窺える。

「もてぎはタイヤのタレがすごく少ないサーキットなので、自分たちにとって良かった。ただ富士は高荷重なコーナーがあったりして、昨年もレースでは少し苦労していますし、簡単ではないかな、と」

「ただ、もう今年3回目の富士なので、(ロングランで)どういう状況になるかというのはだいたいデータも取れてるし、把握している。しっかりと合わせ込んで行ければ、前の2台についていけると思います」

 国本の「ついていく」という表現からは、グリッド前方を固めるNSX-GTとGT-R、2台のブリヂストン勢に対し、決して優位には立っていないという現状認識も見え隠れする。ただ、GRスープラ+ヨコハマのパッケージに武器がないわけではない。それは直線の速さだ。

「僕らGRスープラ勢は直線スピードが速い。そこのアドバンテージを活かしてタイヤをセーブしなから前についていき、“ここぞ”というところでタイヤを使って抜いていく、というレースをできればいいなと思ってます」

 この「ここぞという場面までは忍んで走る」作戦は、じつは前戦もてぎでも国本がスタートから実践していたものだった。

 もてぎ戦を8番手からスタートした国本は、1周目で2台をパス。その後も1台をパスし、さらに目の前のARTAを抜いて4番手に立った直後、接触によってコントロールを失ったマシンがV字コーナー進入で斜め後方から飛んできたことで、クラッシュしレースを終えていた。

「全然、見えていませんでした」と国本はもてぎの事故を振り返る。

「頭は2〜3日痛かったんですけど、身体は全然大丈夫でした。それよりはもう、心が“全損”でしたね」

「自分のなかではタイヤもセーブして、燃料もセーブして、GT300が絡んだ瞬間を狙って抜く! という考えだったんです。あのままいけば間違いなくModulo NSX-GTも抜けてたし、燃料をセーブしてたからピット作業も2秒くらいは速かったはず。それで(最終的に2位だった)ZENT GR Supraの前にも出られたかもしれない……と考えると悔しかったです」

 富士でももてぎと同様に、前についていってチャンスを狙いたい構えだ。「気持ちは切り替わっている」と国本は言う。

「何が足りないか、いま分析をしています。自信はあるし、今回は優勝したいですね」

前回のクラッシュからの修復は「修理というよりは、ほぼ全部新品に交換した感じです。カウル類からアンダーパネル、ラジエター、インタークーラー、サスペンションアーム……モノコックは無事でした」と坂東正敬監督。「富士とヨコハマってそんなに相性がいいサーキットではないですが、軽いこともあるし、今回はマッチしていると思います。もちろん、決勝も狙っていきますよ」。
前回のクラッシュからの修復は「修理というよりは、ほぼ全部新品に交換した感じです。カウル類からアンダーパネル、ラジエター、インタークーラー、サスペンションアーム……モノコックは無事でした」と坂東正敬監督。「富士とヨコハマってそんなに相性がいいサーキットではないですが、軽いこともあるし、今回はマッチしていると思います。もちろん、決勝も狙っていきますよ」。