これぞベントレー コンチネンタルGTの到達点! 3モデルを比較試乗してわかった魅惑のキャラクター

Bentley Continental GT × Continental GT V8 × Continental GT Convertible

ベントレー コンチネンタルGT × コンチネンタルGT V8 × コンチネンタルGT コンバーチブル

幸せな煩悶を生む、それぞれの個性

現在のベントレーの成功をもたらした存在であるコンチネンタルGT。2019年に上陸した3代目も、二種類のボディと二種類のエンジンが出揃った。クーペとコンバーチブル、そしてW型12気筒とV型8気筒。似て非なる3台を集め、それぞれの個性と魅力を検証してみよう。

ベントレー コンチネンタルGT、3台の走行シーン

「果たしてそれぞれのモデルは、どのようなキャラクターの違いを持つのか」

1998年にドイツのVWグループがその買収に成功したベントレー(この時はロールス・ロイスも同時にVWに売却された)。2003年にはベントレーはVWに、ロールス・ロイスはBMWにということで権利は決定したのだが、その後のベントレーがまさに飛躍的な成長を遂げる原動力となったのが、2003年に誕生したコンチネンタルGT、そして2005年に登場したコンチネンタル・フライング・スパーでの成功にほかならなかった。

そのコンチネンタルGT、後にコンチネンタルの名前がなくなり、フライング・スパーとして独立する両車は、現在は第3世代にまで進化を遂げるが、同時にそのモデルラインナップも拡大されている。当初VWグループの象徴ともいえるW型12気筒のみだった搭載エンジンにV型8気筒が加わり、さらにクーペをベースとしたコンバーチブルもラインナップには加わっている。果たしてそれぞれのモデルは、どのようなキャラクターの違いを持つのか。それを知るには、やはり同時に各車を乗り比べるほかはないだろう。

というわけで、今回用意してもらったのが、クーペのW12仕様とV型8の両モデル、そしてコンバーチブルのW型12気筒モデルの3台だ。これでW12とV8、クーペとコンバーチブルの比較ができることになる。最初にエンジンスペックを紹介しておくと、6.0リッターのW12は最高出力が635ps、最大トルクは900Nm。一方4.0リッターのV8は各々550psと770Nmをスペックシートに掲げる。トランスミッションはいずれも8速のDCT。駆動方式はフルタイム4WDだが、走行モードによってコンフォートモードでは38%、スポーツモードでは17%と前輪への分配率が変化する。

ベントレー コンチネンタルGT W12のエンジン

「全身を貫くかのようなパワーフィールとともに、圧巻のトルクを発揮し続けるW12」

それにしても、クーペもコンバーチブルも美しいということでは、言葉をいくら重ねても、それを表現し尽くすことはできないモデルだ。それはエクステリアだけではなく、いやむしろインテリアの方が印象的で、高級な素材で作られた空間というのは、ここまで気持ちを優しくしてくれるのかと改めて感じた次第だ。

まずはクーペモデルでW12とV8を互いに乗り比べる。低速域でのトルク感は、正直なところさほど大きな変化はない。両者の変化が見え始めるのはエンジンスピードが中速域に達した頃からで、最大トルクで130Nmものアドバンテージを持ちながら、車重は30kgほど重いだけのW12は、ここから何者かに強く押し出されるかのような加速Gを感じさせながら、スピードメーターの針を驚きの速さで高めていく。

圧巻なのは、レブリミットに迫ってもなお、全身を貫くかのようなパワーフィールとともに、圧巻のトルクが発揮され続けていること。もちろん一般道でここまでの加速が体験できるのは、例の4WDシステムと48Vのアクティブアンチロールバーや3チャンバー式のエアサスペンションを備える足まわりが、常に正確な動きに終始しているからだ。参考までにそのパフォーマンスは0-100km/h加速が3.7秒、最高速は333km/hと発表されているが、もちろん後者は日本のオンロードで試す場などどこにもない。

ベントレー コンチネンタルGT V8のエンジン

「スポーツカー並みのコーナリングはW12モデル以上に魅力」

それでは一方のV8モデルはどうか。スペックは前で紹介したとおりだが、実用域では意識しなければW12モデルとほとんど変わらないフィーリングを見せる。言葉を変えるのならば、コンチネンタルGTのV8モデルは、W12の下に位置するベーシックモデルではなく、走りの方向性が異なるモデル、というのが今回の試乗で得た結論だった。

まず好印象を得たのは、そのV8エンジンの吹け上がりの素晴らしさ。それにトルクバンドの幅広さが加わるから、スポーツ走行を楽しむのは実に容易なのだ。8速DCTのつながりも、このV8モデルの方がわずかに魅力的なような気がする。スポーツモードを選択してフットワークをスポーティなセッティングとすれば、この魅力的なエンジンとの組み合わせでスポーツカー並みのコーナリング、そうステアリングを切った量に忠実に、ノーズはコーナーに向かって切れ込んでくれる。これはW12モデル以上の魅力ともいえた。ちなみにこのV8モデルの0-100km/h加速は4秒フラット、最高速は318km/hと発表されている。

ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルのインテリア

「ラグジュアリークーペからオープンのグランドツアラーへのスタイル変化は見事」

そして最後に走りを楽しんだのが、W12エンジンとの組み合わせになるコンバーチブルだ。まずこのコンバーチブルで印象的だったのは、ソフトトップを用いつつも、クローズ時にクーペモデルのスタイリングを見事に再現していること。トップは車速が50km/h以下なら約19秒で開閉することができ、ラグジュアリーなクーペからオープントップのグランドツアラーへと見事にそのスタイルを変化させる。

走行中の室内はクーペと同様に実に静寂な空間だ。今回のように真夏の試乗では使用する機会はなかったが、フロントシートにはネックウォーマーが装備され、こちらは3段階のパワーレベルで調節が可能。冬季でもオープントップでの走行が躊躇なく楽しめるのは嬉しい。

ベントレー コンチネンタルGT、3台の集合写真

「この3台に上下関係は存在しない。走りの方向性が異なるだけだ」

トップをオープンすると、現行型コンチネンタルGTの最大の特徴ともいえる豪華で革新的なインテリアの姿が一目瞭然になる。その瞬間を味わうだけでもコンバーチブルを購入する大きな理由になると思うのだが、はたして実際のカスタマーはどう思われるだろうか。ラインナップを次々に拡大し、今後も魅力的なモデルが追加設定されることが確実なコンチネンタルGT。その攻めの戦略からは目を離すことができない。

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)
PHOTO/田村 弥(Wataru TAMURA)

【SPECIFICATIONS】

ベントレー コンチネンタルGT

ボディサイズ:全長4880 全幅1965 全高1405mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2260kg
エンジンタイプ:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5950cc
最高出力:467kW(635ps)/6000rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1350-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前265/40ZR21 後305/35ZR21
最高速度:333km/h
0-100km/h加速:3.7秒
車両本体価格:2680万7000円

ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブル

ボディサイズ:全長4880 全幅1965 全高1400mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2450kg
エンジンタイプ:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5950cc
最高出力:467kW(635ps)/6000rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1350-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前265/40ZR21 後305/35ZR21
最高速度:333km/h
0-100km/h加速:3.8秒
車両本体価格:2941万4000円

ベントレー コンチネンタルGT V8

ボディサイズ:全長4850 全幅1965 全高1405mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2165kg
エンジンタイプ:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:404kW(550ps)/5750rpm
最大トルク:770Nm(78.5kgm)/1960-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前265/45ZR20 後295/40ZR20
最高速度:318km/h
0-100km/h加速:4.0秒
車両本体価格:2498万1000円

【問い合わせ】
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