前半戦の悔しさを晴らす圧巻の走りを見せたARTA。福住仁嶺が初ポール獲得【第5戦富士GT500予選】

 2020年のスーパーGTもシーズン折り返しとなる第5戦、今季3度目の開催となった富士スピードウェイラウンドが10月3日に予選日を迎えた。いつもどおりノックアウト方式で行われたGT500クラス公式予選では、8号車ARTA NSX-GTの福住仁嶺が前半戦の悔しさを晴らす圧巻の走りで後続を突き放し、第2戦に続く2度目のポールポジションを獲得した。

  新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響により、大幅に圧縮された変則カレンダーを採用する2020年シーズン。2度の富士、鈴鹿、そしてもてぎの3会場で争われた前半戦のループを終え、シリーズは後半戦に突入するこの第5戦で今季初の観客動員が実現した。

 選手権首位を行くKEIHIN NSX-GTや、開幕トップ5独占以降、手堅くポイントを積み重ねるトヨタ陣営のGRスープラ勢が苦戦するのに対し、ここまでノーポイントのカルソニック IMPUL GT-Rが好調さを見せ、午前の公式練習で最速をマーク。

 同じくウエイトハンデの軽いARTA NSX-GTやリアライズコーポレーション ADVAN GT-R、そして64kgを搭載しながらここでの浮上を狙うWAKO’S 4CR GRスープラが3番手に入るなど速さを見せた。

 ランキング上位勢がシーズン中盤で重さを増すなか、追い上げたいチームにとっては正念場のラウンド。1発の速さに秀でるホンダか、最高速に勝るトヨタか、はたまた起死回生を期すニッサン勢が2020年シーズン初のポールポジションを得られるかが見どころとなった。

■Q1

 今回も組み分け予選を採用した午後14時からのGT300クラスQ1Aセッション開始時には気温22℃、路面温度32℃、湿度が63%という曇天下でスタート。午前に比べ日差しがなく、14時33分に幕を開けたGT500のQ1も、ドライ路面ながら路面温度が抑えられた状況での勝負となった。

 セッション開始から各車ピットでアタックタイミングを待つ状態が続くと、残り8分を前にMOTUL AUTECH GT-Rの松田次生からGT-R勢がコースイン。WAKO’S 4CR GRスープラだけがさらにウエイティングの判断を下し、隊列最後尾でトラックへと向かっていく。

 各車1分35秒〜36秒台でウォームアップを進めると、残りあと1分の段階でWedsSport ADVAN GRスープラの宮田莉朋が1分28秒111のターゲットを記録する。

 3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rを筆頭にGT-R勢は100Rでスプリッターから大量の火花を巻き上げながらアタックを敢行し、続く周回で各車続々と28秒台に突入。すると、GT500ルーキーイヤーながら”星野イズムの継承者”と称されるカルソニック IMPUL GT-Rの平峰一貴が1分28秒032でタイムボード最上位へと躍り出る。

 その背後でもMOTUL AUTECH GT-R、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rが1分28秒台前半で3番手を奪い合うと、チェッカー後のファイナルアタックで会心の一撃を見せたのが軽量組のホンダNSX-GT。今季ここまではアクシデントや接触など、かみ合わない決勝レース展開が続いてきたARTA NSX-GT野尻智紀が大きくジャンプアップし、1分28秒063の2番手に飛び込んで来る。

 これで今回からシーズン2基目のエンジンを搭載した6番手Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTとともにホンダ勢は2台がQ2に進出。そしてニッサン陣営は首位のカルソニック以下、全4台がQ1突破を果たし、カットラインの9番手ZENT GRスープラ以下は全車がウエイトハンデによる燃料リストリクターのランクダウン措置を受けるマシンが並ぶ形となった。

■Q2

 同じくGT300クラスのQ2を挟んで15時11分から開始されたQ2も、2分を過ぎるところでGT-R勢からコースイン。NSX-GT、GRスープラを挟み、ポール獲得を狙うカルソニック佐々木大樹が定石となる8台の最後尾でアタックへと向かう。

 残り1分のところで計測4周目の本格アタックが始まると、24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのヤン・マーデンボローが1分27秒809の基準をマーク。続いて28秒台中盤に留まった3号車CRAFTSPORTS、23号車MOTUL AUTECHのミシュランタイヤ装着GT-R勢に対し、WedsSport ADVAN GRスープラ国本雄資、カルソニック佐々木と、ヨコハマタイヤvsブリヂストンの対決構図で立て続けにタイム更新を果たしていく。

 残り30秒で泣いても笑ってもラストチャンスの1周は各車明暗がくっきりと分かれ、ここでQ1同様にARTA NSX-GTが1分27秒130と、後続をコンマ5秒も突き放す圧巻のトップタイムを記録。シーズン前半戦の不運を払拭するアタックで、福住仁嶺が自らの仕事を全うする。

 そのARTAに追いすがったカルソニック佐々木は、1分27秒620とNSX-GTには届かず2番手に。同じくGT-Rのリアライズコーポレーション ADVAN GT-Rも自己ベスト更新ならずの4番手。さらにセクタータイム更新で来ていたWedsSport国本はBコーナーのブレーキングでオーバーシュートする痛恨のロスでアタックをやめ3番手と、富士の最速合戦ではNSX-GTに軍配が上がる予選結果となった。

 決勝に向け、天候状況とオーバーテイクに重要な最高速の部分がどうレースに作用するか。2020年スーパーGT第5戦富士スピードウェイの決勝レースは、4日(日)現地時間午後13時30分にスタートを迎える。

2020年スーパーGT第5戦富士 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
2020年スーパーGT第5戦富士 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
2020年スーパーGT第5戦富士 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
2020年スーパーGT第5戦富士 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
2020年スーパーGT第5戦富士 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R (高星明誠/ヤン・マーデンボロー)+B17
2020年スーパーGT第5戦富士 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R (高星明誠/ヤン・マーデンボロー)+B17
2020年スーパーGT第5戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
2020年スーパーGT第5戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)