STC2000第2戦:ルノー・フルーエンスGTが制圧。合計3連覇中のダブルエースが今季初優勝

 開幕から連戦となる9月26~27日に、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのオスカー・ファン・ガルベスを舞台に開催されたスーパーTC2000(STC2000)の第2戦は、ルノー・スポール・アルゼンティーナのルノー・フルーエンスGTが躍進。土曜クオリファイレースでは2019年チャンピオンのリオネル・ペーニャが、波乱多発の日曜フィーチャーレースでは2017、2018年王者のファクンド・アルドゥソが勝利を挙げ、直近3シーズンを制しているタイトル経験者たちが週末を制した。

 元F1トラックに留まってのバック・トゥ・バックとなった第2戦は、あらゆるレイアウトへの可変が可能な特徴を活かし、わずかに全長を伸ばしたテクニカルレイアウトでの勝負となった。

 このレース直前の検査でTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのジュリアン・サンテロが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性反応が出たことにより出場を辞退。開幕戦で3位表彰台を獲得した26歳のスピードスターを失ったTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)や、エースのマティアス・ロッシ、そして2戦目を迎えたルーベンス・バリチェロにとっても貴重な僚友を欠く痛手となった。

 そんななかウエットの計時予選で最速をマークしたのはルノーのアルドゥソで、フルーエンスGTのテクニカルセクションへの対応が万全であることをアピールするも、シリーズが導入する“チャンピオンシップ順位のグリッドペナルティ”により、土曜クオリファイレースは7番グリッドからのスタートとなった。

 これにより、ポールポジションからレースを戦う権利を得たのがディフェンディングチャンピオンのペーニャで、僚友のマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT/ルノー・スポール・アルゼンティーナ)を従え万全の態勢を整える。

 しかしスタートで抜群の蹴り出しを見せたのは、その背後に控えたフランコ・ジロラミ(フィアット・クロノスSTC2000/フィアットDTAレーシング)で、現在はWTCR世界ツーリングカー・カップを戦う元STC2000王者ネストールを兄に持つ男は、護衛役だったミラともどもチャンピオンをオーバーテイクし、首位奪取に成功する。

 そのままルノー艦隊を引き離しにかかったフランコだが、4周目のターン3で止まり切れずにまさかのオーバーシュートを喫すると、その脇を2台のフルーエンスGTが悠々と駆け抜けていく。しばらくしてポジションを失い始めたフィアットは、そのまま緊急ピットへ向かいステアリングを交換。パドルシフトの不調により大きな代償を払う結果となった。

計時予選で最速を記録したファクンド・アルドゥソだったが、独自のスポーティング規則で7番手に。これが日曜の浮上につながっていく
計時予選で最速を記録したファクンド・アルドゥソだったが、独自のスポーティング規則で7番手に。これが日曜の浮上につながっていく
土曜クオリファイレースでは、ルノー艦隊が幸先の良いワン・ツーフィニッシュを達成
土曜クオリファイレースでは、ルノー艦隊が幸先の良いワン・ツーフィニッシュを達成
スタートで抜群のダッシュを決めたフランコ・ジロラミ(フィアット・クロノスSTC2000/フィアットDTAレーシング)は、パドルシフトの不具合に沈む
スタートで抜群のダッシュを決めたフランコ・ジロラミ(フィアット・クロノスSTC2000/フィアットDTAレーシング)は、パドルシフトの不具合に沈む

■日曜レースはアクシデントが多発し4度のセーフティカーが導入される

 そのまま17周を走破したルノー艦隊が幸先の良いワン・ツーフィニッシュを達成。王者が今季初勝利を掴むとともに、明日の本戦に向け最前列を確保。その背後には、3位に入ったファン-アンヘル・ロッソを先頭に、ファン-マヌエル・シルヴァ、ニコラス・モスカルディーニのホンダ・シビックSTC2000の3台が続き、ホンダ・レーシング・アルゼンティーナ by RAMレーシングも上位進出への期待感が高まった。

 明けた日曜にそんなホンダ勢の望みを打ち砕いたのが、6番グリッドから発進したTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)で、フィーチャーレースのオープニングラップ早々からシルヴァ、モスカルディーニのシビックを立て続けにパスして4位にジャンプアップしてくる。

 するとモスカルディーニはフィアットの1台と絡みタイヤバリアにクラッシュ。このアクシデントでこの日最初のセーフティカー(SC)出動が要請される。さらにリスタート後には、今季からTGRAに加入したエルナン・パラッツォのカローラSTC2000がオーバーランを喫し、その際にグラスエリアで拾った草葉にラジエーターを塞がれオーバーヒート。コース上に停止し、これで再びのSC導入となる。

 そんな2度のSCで意識的に集中力を高めたトヨタのロッシは、再びのリスタートでホンダ最後の1台となるロッソを仕留めて3番手へ。その勢いのままルノー艦隊の牙城に挑むと、ターン1でミラのインをこじ開け2番手にまで浮上する。

 するとその直後、かわされたロッソのシビックがトラブルでストップし、わずか10周の間に3度目のSCがコールされる。ここで再び流れの変わったレースは、リスタート直後の好機を伺っていた7番手スタートのルノー、アルドゥソがチャージを掛ける。

 ターン3で前をいく2番手ロッシのインサイドに飛び込みトヨタをパスすると、首位をいくチームメイトに並びかけイージーに前へ。負けじと追いすがったロッシもペーニャ攻略に成功し、アルドゥソ、ロッシ、ペーニャのトップ3オーダーに入れ替わる。

 直後17周目にはプライベーター・シボレーのスピンで4度目のSCが入ると、このスロー走行が祟ったか、再開後の21周目にマシンの不調を感知した3番手ペーニャがピットへ。ボックスインと同時にエキゾーストから出火し、すぐさま消防隊が消火に成功するも、ここでレースを失うこととなってしまう。

 波乱だらけ5度目の再開後は、33周ファイナルラップまでのスプリントで大きなポジション変動なく進み、ルノーのダブルエースを務めるアルドゥソが今季初優勝。2位ロッシが選手権首位に浮上し、3位にもルノーのミラが入る表彰台となった。

 第3戦以降も同一サーキット連戦を予定するSTC2000シリーズだが、その開催地はまだ未定のままアナウンスされておらず、10月24~25日、10月31日~11月1日の週末に連続開催が予定されている。

ホンダ・レーシング・アルゼンティーナ by RAMレーシングのホンダ・シビックSTC2000は、土曜クオリファイレースで3台をTOP5に送り込むも、日曜の結果にはつなげられず
ホンダ・レーシング・アルゼンティーナ by RAMレーシングのホンダ・シビックSTC2000は、土曜クオリファイレースで3台をTOP5に送り込むも、日曜の結果にはつなげられず
荒れた展開の日曜となったが、ルーベンス・バリチェロもアクシデントをかい潜り9位完走
荒れた展開の日曜となったが、ルーベンス・バリチェロもアクシデントをかい潜り9位完走
TGRA陣営で孤軍奮闘したマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)は2位をもぎ取る
TGRA陣営で孤軍奮闘したマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)は2位をもぎ取る