豪州SC第10戦:2勝を飾った王者マクラフランが『バサースト1000』を前に堂々の3連覇達成

 シーズン大詰めで2週連続開催となったVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第10戦“ザ・ベンド”でのスーパースプリントは、3連続ポールポジションから2勝を飾った王者スコット・マクラフラン(フォード・マスタング/DJR Team Penske)が早々にタイトルを獲得。10月の最終戦『バサースト1000』を前に、シリーズ3連覇を達成した。

 引き続きベンド・モータースポーツパークで開催されたシリーズ戦は、先週とは異なり“ウエスト・サーキット”と呼ばれるショートレイアウトでの1戦となったが、ここでもDJR Team Penskeのフォード・マスタング・スーパーカーの速さは陰ることなく、マクラフランがシュートアウトを制して土曜レース1の最前列を確保した。

 異例の寒さに見舞われたオーストラリア南部のトラックでは、どのドライバーもダンロップタイヤの熱入れに苦心するなか、マクラフランは盤石のホールショットを決め1度もトップを譲ることなく快走。ライバルの“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアZB/Triple Eight Race Engineering)や、おなじフォード陣営のキャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング/Tickford Racing)らを抑えて今季12勝目を飾り、直接のタイトル争いを展開するシリーズ7冠王者のジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/Triple Eight Race Engineering)にプレッシャーを掛ける展開となった。

 明けた日曜も午前のシュートアウトで2戦連続のポールを決めたマクラフランは、オープニングレースでは僚友ファビアン・クルサード(フォード・マスタング/DJR Team Penske)の背後2番手でレースを進め、後ろに続く宿敵ウインカップを抑えていく。

 するとマージンを築いた中盤には前戦勝者クルサードが道を譲り、マクラフランが前へ。さらにウインカップはピットで手痛い作業ミスを喫しチャンスを逸すると、クルサードも駆動系トラブルでマシンを止める波乱が。これで孤立無援となったディフェンディングチャンピオンだが、その後も危なげなく32周を走破し、アントン・デ・パスカーレ(ホールデン・コモドアZB/Erebus Motorsport)、ウォーターズを従え勝利を飾る。

土曜のレース1では、スコット・マクラフランがポールポジションからライト・トゥ・フラッグで今季12勝目を飾る
土曜のレース1では、スコット・マクラフランがポールポジションからライト・トゥ・フラッグで今季12勝目を飾る
日曜の予選シュートアウトでも2戦連続ポールを獲得し、マクラフランが週末クリーンスイープを達成
日曜の予選シュートアウトでも2戦連続ポールを獲得し、マクラフランが週末クリーンスイープを達成
タイトル候補だったジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/Triple Eight Race Engineering)だが、日曜レース2でホイールガンのホースを跳ね、時間を失うとともにペナルティの対象に
タイトル候補だったジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/Triple Eight Race Engineering)だが、日曜レース2でホイールガンのホースを跳ね、時間を失うとともにペナルティの対象に

■タイトル獲得のマクラフラン「このタイトルはキャリア最高のものだと言える」

 これで299ポイントのバッファーを得て最終ヒートに臨んだマクラフランは、ウインカップの前でフィニッシュするだけでタイトル獲得が可能となる有利な条件に持ち込むと、おなじマスタングに乗るウォーターズを先行させ、直接3番手のウインカップを抑え込むレースを見せる。

 ピット戦略の挽回でアンダーカットを狙ったレッドブル・レーシング・オーストラリアだったが、ウインカップを前に送り出すことは叶わず。ウォーターズが今季初優勝を決め、2位マクラフラン、3位ウインカップの順でチェッカー。マクラフランは50年以上に及ぶスーパーカーの歴史上初のハットトリックを決めたフォード・ドライバーとなり、3年連続のドライバーズタイトル獲得となった。

「ピットレーンに並ぶすべてのチームにとって、このシーズンがとても厳しいものだったことはあらゆる場面で説明されてきた。僕にとっても、このタイトルはキャリア最高のものだと言える」と、喜びを語ったマクラフラン。

「今季も浮き沈みがあるなかで、クルーはその原因をすぐさま究明し、次の週にはまたこうしておなじトラックで勝負に挑む必要があった。その厳しい条件で得たタイトルには格別のものがあるよ」

「(フォード・ファルコンFG-Xで獲得した)2018年の最初のタイトルもクールだったけど、2019年はちょっとクレイジーなものだった。なぜなら、明らかに速いマシン(マスタング)を持っていたという点で、多くの議論が巻き起こったからね。だからこそ、今季の連覇は僕らチームが最高の能力を持ち、タイトルに値するんだという証明になった気がするんだ」

 続くVASC最終戦は2000年シーズン以来のフィナーレを飾る『バサースト1000』が控える。すでにタイトル決定後の1戦とはなるも、コドライバー登録のセカンドドライバーも含め、10月15~18日の週末にシリーズ最大の祭典での栄冠を目指し、白熱の真剣勝負が繰り広げられる。

ライバルの脱落や僚友のトラブルを尻目に、スコット・マクラフランが週末2勝目でタイトルに王手
ライバルの脱落や僚友のトラブルを尻目に、スコット・マクラフランが週末2勝目でタイトルに王手
レース3で今季初優勝を挙げたキャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング/Tickford Racing)。「来季はタイトル争いに加われる」
レース3で今季初優勝を挙げたキャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング/Tickford Racing)。「来季はタイトル争いに加われる」
シリーズ3連覇を決めた王者スコット・マクラフラン。宿敵ウインカップも「彼こそ、その栄冠に相応しい」と偉業を称えた
シリーズ3連覇を決めた王者スコット・マクラフラン。宿敵ウインカップも「彼こそ、その栄冠に相応しい」と偉業を称えた