FP4番手ながら「しっかりと走りきれるかすごく不安」と新人の宮田。シーズン初参戦となる代役5人の思い

 9月26日、2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2戦が岡山国際サーキットで幕を開けた。今回の岡山戦は第88回ル・マン24時間の翌週にあたり、新型コロナウイルスの影響による水際対策で来日できない外国人ドライバーに加え、ル・マン24時間に参戦したドライバーたちが14日間の隔離自粛期間をこなせないことから、多くのチームが代役ドライバーを起用している。

 代役を務めるドライバーのなかには、中山雄一、塚越広大、高星明誠、阪口晴南、宮田莉朋という2020年のスーパーフォーミュラ初参戦となるドライバー5人が顔をそろえる。専有走行、そしてフリー走行を終えた彼らに予選、決勝が行われる日曜日の目標を聞いた。

■阪口「開幕戦に近いリザルトをチームに返したい」

 KONDO RACINGから山下健太の代役として起用された阪口晴南。2018年の第2戦オートポリスにスポット参戦するも、悪天候により決勝レースがキャンセルとなったため、いまだスーパーフォーミュラのレースは未経験となる。当時は前シャシーのSF14を駆っていたため、現在のSF19でのドライブは初体験。加えて、併催されているスーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)とのダブルエントリーということで多忙を極めている。

 専有走行で16番手、フリー走行で15番手と結果だけを見るとやや苦戦している様相のだが、「SFLから乗り換えて違和感とかあるかなと思っていましたが、思ったよりはすんなり乗れました。チームメイトと比較しても遜色ない速さで走れてひとまず良かったです」と、数字以上に自身のなかでの手応えは感じているようだ。

 気になるダブルエントリーによる体力的な負担に関しては「今のところは大丈夫です。しんどくなるのは決勝中のはず、そこまでのスケジュールはこなせると思うあまり心配してないです。それより、スーパーフォーミュラとSFLのドライビングの切り替えの方が、大事になってくるかな。同じタイヤメーカー、同じシャシーメーカーでも違うので、その辺りの切り替えをしっかりやりたいと思います」と、体力よりもドライビングの切り替えが翌日のレースを左右するポイントになると明かした。

「ドライバーは全員がトップレベルのドライバーだし、楽なレースにはならないと思います。そのなかで自分が上位でゴールできれば速さの証明ができると思う。できるかぎり上を目指して開幕戦に近いリザルトをチームに返せるように頑張りたいです」

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 阪口晴南(KONDO RACING)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 阪口晴南(KONDO RACING)

■中山「まずは予選Q3に進出すること」

 ル・マン24時間に参戦した小林可夢偉の代役としてcarrozzeria Team KCMGから参戦するのは、2014年シーズンから3シーズンKCMGのレギュラードライバーとして戦い、昨年も岡山と鈴鹿でSF19のステアリングを握った中山雄一だ。

 午前に行われた専有走行で10番手、午後のフリー走行では12番手と、両セッションでチームメイトの国本雄資を上回るタイムを記録している。

「まずは予選Q3に進出、気持ちいいアタックができれば」と目標を話す中山。「決勝も開幕戦のもてぎよりはいろいろなことが起きる展開になりそうなので、そのなかでしっかりといい走りをして、またレギュラードライバーとして起用してもらえるような走りをしたいです」と、週末への意気込みを語った。

 今回の代役参戦の可能性は第1戦の前にすでに聞いており、1カ月前から準備はできていたという。マシンは違ど、スーパーフォーミュラのレース経験がある中山はほかの初乗りのドライバーたちとは異なり、若干のアドバンテージを持っていると言える。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 中山雄一(carrozzeria Team KCMG)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 中山雄一(carrozzeria Team KCMG)

■塚越「なんとかして予選Q3に」

 2015年シーズンからREAL RACINGのレギュラードライバーとして4シーズン戦い、昨年も開幕戦を除く6レースに参戦した塚越広大は今回、タチアナ・カルデロンの代役としてThreeBond Drago CORSEから参戦する。

 開幕前のルーキーテストに参加していたとはいえ、今回は初めてのチームからの参戦ということもあり、専有走行では11番手タイムを記録するもフリー走行では19番手に沈んでしまった。しかし、「チームが変わればクルマの味付けも違うんだなというのを改めて感じました。セッティングの進め方なども違ったりするので、僕としてはすごく勉強になります」とポジティブな塚越。

「昨日まで予選Q3には行きたいなと意気込んでいたんですけど、ちょっと今日の具合だとそれもなかなか厳しい状況です。それでも、Q3に行けるようになんとかしたいなと思います。このままじゃ格好がつかないので、なんとかもう少しチームのレベルを上げられるように、僕も頑張って走りたいと思います」

 スーパーフォーミュラでの経験は豊富な塚越だが、明日の予選でどこまでパフォーマンスを発揮できるか。今回のスポット参戦で初めてタッグを組むThreeBond Drago CORSEにとってもチーム初となるQ3進出が期待される。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 塚越広大(Threebond Drago CORSE)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 塚越広大(Threebond Drago CORSE)

■宮田「ルーキー勢のなかでは絶対にトップでいたい」

 中嶋一貴の代役としてVANTELIN TEAM TOM’Sから参戦するのは、阪口と同じくSFLとダブルエントリーの宮田莉朋。昨年12月に鈴鹿サーキットで行われたルーキーテストでSF19を経験しているが、実戦では今回がスーパーフォーミュラのデビュー戦となる。

 専有走行で9番手、フリー走行で4番手と、今回の岡山戦で2020年スーパーフォーミュラ初レースを迎える5人のなかではベストリザルトを記録しているが、スーパーフォーミュラとSFLの乗りこなし方の違いには戸惑いがあったようだ。

「いまSFLの第4戦決勝が終わったばかりですが、身体は大丈夫です。体力的にキツイのは明日のスーパーフォーミュラの決勝51周だと思うので、しっかりと走りきれるかというところはすごく不安です。さらに、明日はSFLの第5戦決勝から始まって、次にSFの予選があるので、そこを上手く切り替えることができるか。予選は沈んだら本当に終わりだと思うぐらい大事なので、ちょっといろいろと不安はあります」とやや不安があることを語った。

「ルーキー勢のなかでは絶対にトップでいたいです。フリー走行を4番手で終えることができたので、明日の予選でさらにレベルアップしてベストなリザルトに繋げて、欲を言えば今年シーズン途中からでもスーパーフォーミュラにレギュラードライバーとして出ても問題ないと思ってもらえるように、しっかりと最大限のパフォーマンスを出したいなと思っています」

 強豪トムスのマシンとあって、体制自体は万全。あとは宮田が今日のように合わせ込めるかが鍵になるだろう。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)

■高星「Q3にいくことを第一に」

 Buzz Racing Team with B-Maxからセルジオ・セッテ・カマラに代役として参戦する高星明誠。高星は2017年のルーキーテストでダラーラ・SF14の経験があるが、今回の岡山戦がスーパーフォーミュラのデビューレースとなる。

 先週参戦が決定したという高星は「スーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)の開幕戦に出ていたので違和感なく乗れてるなという印象はあります。それがなかったら結構厳しかったかもしれません」と、SFLへの参戦がいいウォーミングアップになったと話す。

 初セッションとなった専有走行では18番手と苦戦も、フリー走行では11番手と調子を上げている。

「フォーミュラは予選が大事なので、予選Q3にいくことを第一に掲げてそれに向かって自分のベストを尽くします」と翌日への目標を語った高星。

 不安要素としては、フリー走行最後のクラッシュだろう。今夜中の修復は間に合うだろうが、明日は朝の練習走行はなく、いきなり公式予選を迎えることになる。果たして、2017年の全日本F3選手権チャンピオン獲得からGT500クラスを主戦場にしてきた高星が国内トップフォーミュラではどんな戦いを見せてくれるのか。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 高星明誠(Buzz Racing Team with B-Max)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 高星明誠(Buzz Racing Team with B-Max)

 今回のスーパーフォーミュラ岡山は優勝争いとともに、乗り替わりの代役ドライバー、そしてチャンスを得たデビュードライバーたちのパフォーマンスがどう発揮されるのか。見どころの多い週末になる。