【第2戦岡山プレビュー】初日トップで上昇気配の牧野&ナカジマ。追うインパル、トムスと気になるピット作業リスク

 9月27日(日)に予選/決勝を迎える全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2戦。前日となる26日(土)は午前中に専有走行、午後にフリー走行と一日2セッション、計2時間の走行が行われた。

 午前中は今週末、初めての走行で路面コンディションもまだできあがっていないうえに、赤旗が2回提示されるなど、あまり満足に周回を重ねられたチームは少ないようだ。一方で午後のセッションでは走り出しこそ雨が降ったものの、その後、路面が乾いてくると、各車、精力的に走行を重ね、メニューを順調にこなしている様子が見られた。

 午後のセッション終盤の予選アタックシミュレーションを行うなかで、トップに立ったのは第1戦でチームメイトでルーキーの大湯都史樹の後塵を拝した牧野任祐だ。牧野は今日一日の走行について「もてぎでうまくいかなかったところを修正してきて、いまのところ順調」だと言う。

「もてぎでは週末を通してクルマをいじりすぎてしまって、その結果ハマってしまいました。今回はその反省を活かして、ほとんど触っていません。明日の予選では周りも上がってくるとは思うけど、クルマのバランスも悪くないし、いい感じだと思います。岡山は去年があまりいい結果ではなかったから、ここに来るまであまりうまくいかないかなと思っていたけど、調子はいいですね」と、手応えを感じているようだ。

 第1戦のもてぎであまりいい結果を残せなかった原因を、マシンのセッティングをいじりすぎてしまったと牧野は話したが、担当の加藤祐樹エンジニアはそれ以外に好調の要因があると言う。

「低速サーキットで新しい方向性が見えたかもしれないと思っています。ここ数年、僕らのチームは岡山を苦手としていました。今回、ここに来るまでに過去のデータをいろいろと分析して、これまでと異なる雰囲気のマシンを持ち込んでいます」

「いろいろと研究した結果、自分たちがおいしいと思っていたエリアと少し違うところに低速に合う部分があるということが分かりました。昨年までのハイスピードの良さを失わないまま、弱かった低速の部分を伸ばすことができているのかなと思います」

 明日の予選、決勝を見てみないことにはなんとも言えないが、これが事実なら長所を保ったまま、短所を改善してきたナカジマレーシングは今回の岡山でかなり有力候補といえるだろう。チームメイトの大湯も牧野と大きな差が開いているわけではないため、2台そろって『苦手だった』岡山で好結果を残せそうな気配を見せる。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

 一方、牧野と大湯のライバルになりそうなのが、インパルの2台だ。第1戦で勝利した平川亮が岡山を得意としているのは周知の事実。2019年もポールポジションを獲得しているし、タイトルを獲得するためにもなんとしても岡山を獲りに来るはずだ。さらにチームメイトの関口雄飛も午後のフリー走行で2番手につけ、調子の良さをアピールした。しかし、担当の柏木良仁エンジニアの表情はそれほど明るくない。

「前回は20号車(平川車)にかなり負けていました。その原因は正直、まだ掴み切れていません。たぶん、これだろうと思う部分を修正して今週はマシンを持ってきました。現時点では、もてぎで悩んだ部分は良くなっていると思います。ただ、関口選手からは『前回よりはいいけど、まだベストではない』と言われていますので、予選に向けてはもう少しやっていかないといけないのかなと思います。幸か不幸か、一番のベンチマークになるドライバーがチームメイトでいるので、データを共有しつつ2台そろってポイントを獲れるようにしたいですね」

 期待は高いものの、やや不安が残るか。明日は第1戦のときにあった朝の20分間の練習走行がないため、今夜中に変えた、または考えた修正部分は予選Q1で確認をするしかない。とはいえ、現状でも十分上位を狙えるポテンシャルを持っているインパルもナカジマレーシング同様、優勝候補と言えるだろう。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

 そのほかにもトムスの2台や前回のもてぎでは苦戦していたが、走り出しから上位タイムを出していたチーム無限の2台も調子が良さそうな雰囲気は感じられる。今シーズンは有効ポイント制が採用されており、もてぎでの成績が芳しくなかったチームにとって岡山は獲っておきたいところだろう。第1戦と比べてレースの周回数が伸び、タイヤ交換義務があるとはいえ、グリッドの位置が重要になるスーパーフォーミュラ。まずは予選での争いから目が離せない。

 そして、もうひとつ気になることがある。それはピット作業だ。午後の走行でナカジマレーシングの大湯がピット前で長く止まっていた時間があった。ジャッキのトラブルかと思われたが、どうやらピットロードの「傾き」が原因のようだ。

 岡山のピットロードはコース側に向かってアンジュレーションがついているという。クルマを止める位置によってはタイヤ交換がしにくい感もあるらしく、大湯だけでなく、チームメイトの牧野も同じ雰囲気があり、加藤エンジニアは「これから検証しますが、機材的な問題と合わせて今夜中に修正が必要だと思います」と、やや不安そうな表情を見せた。

 ナカジマレーシングの隣にピットがあるインパルも同じようで、メカニックが少しだけ、1コーナーよりにマシンの止める位置を修正していた。もちろん百戦錬磨のメカニックたちがタイヤ交換で大きな失敗を犯すことは想像しがたいが、今年初めてのレースでのピット作業だけにリスクはある。

 コース上での抜きどころが多くはない岡山のコースレイアウトでは、仮にピット作業でタイムを失うと、それをドライバーがコース上で取り戻すのはかなり困難だ。大きなトラブルなく、決勝を終えることができるのか。ピット作業が明暗を分ける可能性が十分に考えられる。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)