FIA-F2第10戦ロシア レース1:シューマッハーが2勝目。角田裕毅は2位表彰台でランキング4番手も僅差の戦い続く

 9月26日(土)、2020年FIA-F2第10戦ロシアのフィーチャーレース(決勝レース1)がソチ・オートドロームで開催され、ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)が優勝し今季2勝目。日本の角田裕毅(カーリン)は2位表彰台、佐藤万璃音(トライデント)は13位だった。

 気温26.5度、路面温度33度でドライコンディション。規定周回数は28周、タイヤ交換を伴う1回のピットインが義務付けられ、スーパーソフトとミディアムが選択された。

 ポールポジションには角田、2番手はチームメイトのユアン・ダルバラで、レッドブルジュニアのふたりがフロントロウに並ぶ。3番手には選手権トップを走るミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)、4番手に同2位につけるカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)。佐藤は18番手からのスタートとなり、松下信治は前戦のムジェロを最後にFIA-F2から離脱している。

 今シーズン初めて午前中の開催となったフィーチャーレースは現地時間10時15分、日本時間の16時15分にフォーメーションラップを開始した。

 シグナルがオールブラックとなりレースはスタート。好スタートを決めたのはシューマッハーで2番手に浮上。勢いそのまま角田のサイドに並んで2コーナーに飛び込むが、ここは角田がポジションを守った。

 後方では2コーナーの進入で多重クラッシュが発生しSC(セーフティカー)が早々に導入される。

 このアクシデントで選手権3位のクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)とユーリ・ビプス(ダムス)がリタイア。接触したロイ・ニッサニー(トライデント)、ペドロ・ピケ(チャロウズ・レーシング・システム)、ルイ・デレトラズ(チャロウズ・レーシング・システム)、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)の4台がピットインしマシンの修復を行い、ニッサニーとドルゴヴィッチは再始動できずリタイアとなった。

 SCは2周目まで先導し3周目から、角田を先頭にシューマッハー、ダルバラ、アイロットの順、また佐藤が11番手からレースを再開。クリーンなリスタートで角田は0.475秒後方にシューマッハーを従えて3周目を完了する。

 5周目、ファステストラップを刻みながら走行する角田に、カーリンのピットから「あと3周でピットイン」と予告。後方では2番手シューマッハーが角田を僅差のペースで追いかけ、両者はつねに1秒を切る間隔で周回を重ねていく。

 先陣を切ってルーティンのピットインを行なったのは3番手を走行していたダルバラで、6周目にタイヤをミディアムに交換。

 スーパーソフト勢はタイムが落ち始めなか角田はペースを上げ、シューマッハーとは1.749秒のマージンを築き8周を終えた時点でピットインする。上位3台の角田、シューマッハー、アイロットが同時にピットインするが各チーム迅速にピット作業を終え、ここでは順位が変わらず暫定10番手でコースに復帰した。

 なお、プレマレーシングはピット作業時にシューマッハーとロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)のタイヤを置き間違えていたようで、クルーが戸惑うシーンがあった。

 この時点で見た目上の首位はミディアムスタートのジャック・エイトケン(カンポス・レーシング)、以下ニキータ・マゼピン(ハイテックGP)、周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)となった。

 ミディアムタイヤ交換後の角田は1分52秒711と、スーパーソフトタイヤで記録したタイムよりも速いペースで周回し、実質2番手で暫定9番手のシューマッハーとの差を2.3秒とする。

 14周目、これまで激しいトップ争いを繰り広げていた周が2コーナーでエイトケンの前に出る。しかしブレーキングでアンダーを出した周の隙を見逃さなかったエイトケンが順位を取り返した。

 手に汗握る攻防が毎周続いたため、周はタイヤを使い切ってしまったかコーナー立ち上がりで遅れてしまい、15周目には後方から忍び寄っていたマゼピンに抜かれてしまう。

 ミディアムスタート勢は17周目にエイトケンと佐藤を皮切りに続々とピットインしスーパーソフトに交換。

 首位争いにも動きが出る。2番手シューマッハーに2秒以上のマージンを持って周回していた角田だが、暫定首位のアーテム・マルケロフ(BWT HWAレースラボ)に引っかかってしまいシューマッハーと0.250秒差に。

 18周目を終えてマルケロフがピットインし、首位争いが見た目上のトップに返り咲く。そして19周目、DRSを使ったシューマッハーが角田を捉えてトップに浮上、ペースに伸び悩む角田はアイロットにもパスされ3番手まで後退。

 シューマッハーは2番手アイロットから1.1秒以上のマージンをキープし、その2秒後方に角田、4番手ルカ・ギオット(ハイテックGP)はその2.6秒差後方に迫りながら22周目を終えた。

 残り3周となった26周目、余力が残っていたか角田は前を行く2番手アイロットに0.750秒とDRS圏内に突入する。隙あらば追い抜く姿勢を見え続ける角田はそのままファイナルラップへ。角田は2コーナー先の左コーナーでアイロットをアウトからパスし2番手に浮上。抜かれたアイロットはコースを外れてしまいタイムロス、ギオットがDRSを使いサイドバイサイドに持ち込むもポジションを守り切った。

全力を尽くし2位表彰台を死守した角田裕毅(カーリン)
全力を尽くし2位表彰台を死守した角田裕毅(カーリン)

 抜群の安定感を見せたシューマッハーが今季2勝目を挙げ、9度目の表彰台に。2位には角田、3位にはギオットとサイドバイサイドのままホームストレートを駆け抜けたアイロットが入った。

 佐藤は13位でフィニッシュしている。

 今季5度目の表彰台となった角田はレース後のインタビューで「ミックは完璧な走りでした。チームは最高の仕事をしてくれて感謝していますし、最後まで全力を尽くしました。2位を獲れてよかったです」とコメント。

 ポイントランキング1〜5位はそれぞれ、186点でシューマッハーが首位、以下168点のアイロット、145点のルンガー、同点だが2位表彰台の回数差で角田が4位と続き、140点のシュワルツマンという順になった。

 スプリントレース(決勝レース2)は、9月27日(日)の16時55分にスタートする。

■FIA-F2第10戦ロシア フィーチャーレース(レース1) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 20 M.シューマッハー プレマ・レーシング 28Laps
2 7 角田裕毅 カーリン 6.358
3 4 C.アイロット ユニ・ヴィルトゥオーシ 9.482
4 25 L.ギオット ハイテックGP 9.507
5 8 J.ダルバラ カーリン 15.225
6 9 J.エイトケン カンポス・レーシング 22.183
7 24 N.マゼピン ハイテックGP 23.129
8 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 25.392
9 5 M.アームストロング ARTグランプリ 26.940
10 2 D.ティクトゥム ダムス 29.525
11 21 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 35.582
12 17 J.ヒューズ BWT HWAレースラボ 37.535
13 23 佐藤万璃音 トライデント 46.326
14 14 G.アレジ MPモータースポーツ 48.045
15 16 A.マルケロフ BWT HWAレースラボ 52.107
16 10 G.サマイア カンポス・レーシング 1’07.006
17 12 P.ピケ チャロウズ・レーシング・システム 1’08.704
18 11 L.デレトラズ チャロウズ・レーシング・システム 1’19.307
22 R.ニッサニー トライデント DNF
15 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ DNF
6 C.ルンガー ARTグランプリ DNF
1 J.ビップス ダムス DNF