7戦中6人のウイナーが誕生する大混戦。マルケス復帰のタイミングもチャンピオン争いに影響/MotoGP第8戦レビュー

 MotoGP第8戦エミリア・ロマーニャGPでマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が今シーズン初優勝を達成し、シーズン再開後の7戦でMotoGPクラスは7戦中6人のウイナーが誕生する混戦となっている。

 その中で唯一2勝を記録しているのがファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)。クアルタラロは再開1戦目の第2戦スペインGP、続く第3戦アンダルシアGPと2連勝を飾っている。続く第4戦チェコGPではルーキーのブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がMotoGPクラス3戦目で初優勝を達成。同時にKTMにとってMotoGPクラス初優勝となった。

 そして、第5戦オーストリアGPではアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)が優勝し、ドゥカティがMotoGPクラス通算50勝目に到達。第6戦スティリアGPではミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMテック3)が、第7戦サンマリノGPではフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が初優勝するなど、7戦で3人がMotoGPクラス初優勝を達成。3戦目以降は毎戦ウイナーが異なっている。

 エミリア・ロマーニャGPでも、ビニャーレスはここまで最多となる3回目のポールポジションを獲得するなど速さを見せたが、決勝では序盤にトップに立ちながら、フランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)に交わされてしまった。結果的にバニャイアがトップ走行中に転倒を喫したため、ビニャーレスが勝利を手にしたが、バニャイアが初優勝を達成するチャンスは十分にあった。

 この結果、MotoGPクラスでは7戦目となるエミリア・ロマーニャGPを終えた段階で、全戦でポイントを獲得しているドヴィツィオーゾが、84ポイントでランキングトップに立っている。しかし、ランキング2位のクアルタラロと同ポイントでランキング3位に続くビニャーレスとのポイント差はわずか1ポイント。ランキング4位に続くジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)も優勝こそないものの、トップのドヴィツィオーゾから4ポイント差と、チャンピオンシップ争いは接戦となっている。ランキング9位のバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)までトップから26ポイント差と、まだまだチャンピオン争いはイーブンの状況だ。

 今シーズンは新型コロナウイルスの影響で変則的なシーズンで、MotoGPクラスは開幕戦のカタールGPがキャンセルとなったため、全14戦での戦いとなり、7戦目のエミリア・ロマーニャGPでシーズン前半が終了した。また、今シーズンは同一サーキットでの連戦がヘレス、レッドブル・リンク、ミサノとすでに3回行なわれているが、連勝したのはヘレスのクアルタラロのみとなっている。

 シーズン初戦のスペインGPで王者マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が右上腕を骨折、マルケスは手術を受けて翌週のアンダルシアGPで復帰したものの、骨折部を固定していたプレートが折れて再手術を余儀なくされ、以後のレースの欠場している。マルケスの欠場が今シーズンの混戦を描き出した要因の一つであることは間違いない。ちなみに昨年、7戦終了時点でランキングトップに立っていたマルケスは、140ポイントを獲得していた。マルケスの復帰のタイミングも、チャンピオン争いを左右することになるだろう。

 後半7戦中、アラゴンとバレンシアで2連戦が組まれており、最終戦はMotoGPでは初開催となるポルトガルのポルティマオが舞台となる。連戦が続くスケジュールの中で、マシンも含めて安定して走り切った者が、今シーズンを制することになるだろう。