ル・マン3連覇の中嶋一貴「7号車を参考にさせてもらった部分もある。チーム全体に感謝」

 2018年の初優勝に続いて2019年、そして2020年もル・マン24時間レースで総合優勝を果たし、見事な3連覇を飾ったトヨタGAZOO Racing、8号車TS050ハイブリッドの中嶋一貴。3年連続となる表彰台の頂点を味わったあと、長かった24時間レースを振り返った。

 2018、2019年はセバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソとともに伝統の一戦を制した中嶋一貴。その8号車陣営は2019/20シーズンより、アロンソに代わってブレンドン・ハートレーを迎え入れ、新たな布陣でこの1年を戦ってきた。

 ル・マンに入ってからの8号車は走り出しこそ好調だったものの、予選、ハイパーポールと進むにつれ7号車が形勢を逆転。決勝ではノンハイブリッドのプライベーター、レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13の背後となる3番グリッドから、24時間先のゴールを目指した。

 序盤のうちにパンクに見舞われたた8号車はまた、ブレーキ温度が上昇するトラブルを抱えてガレージインするなど、波乱万丈の戦いとなった。

「疲れすぎて頭が回っていませんが(笑)」という一貴は、レースを次のように振り返る。

「まずパンクがあり、そのあともスローゾーンとかセーフティカーとか、いろいろなタイミングがなかなか噛み合わなくて、厳しいスタートでした」

「スタートからずっと、ブレーキキャリパーの温度が高すぎるという問題があって、ブレンドンのスティントまでは(ハイブリッドの)システムでごまかしながら走ってたんですけど、どうしてもクルマのバランスにまで影響することがあったので、僕に代わってちょうどSCが長時間入ったタイミングで、ブレーキのクーリングを直すという決断をしました」

「そこで1ラップダウンになってしまったので、そこからは優勝どうのこうのというよりは、最後まで走りきって最低限ワン・ツーをとるという気持ちでいました」

 そんななか、7号車TS050ハイブリッドにトラブルが発生したことで、夜中には首位に立つこととなった。

「そこからのレースは正直、長かったですね。トヨタとして3連覇するというのは、絶対に成し遂げなければいけないターゲットだったので」

 幸い、ブレーキダクトを修復してからはマシンバランスは良好で、最後までパフォーマンスを保つことができたという。

「3連覇というのは結果としてついてきたものだと思います。そこに至るまでは本当に運とか巡り合わせみたいなものがいろいろあって……。ただ今回は自分たちとしてもすごくいいレースができたと思うので、そこに関してはすごくハッピー。その結果の優勝なので、素直に喜びたいと思います」

 喜びを感じると同時に、2019年と同じく途中までトップに立っていた7号車を気に掛ける気持ちも、一貴の中では大きいようだ。

「今回のレースは途中からすごくクルマがいい状態で戦うことができましたけど、その点は7号車の予選までのセットアップだとか、いろいろと参考にさせてもらった部分もあるので、チーム全体に感謝したいと思いますし、チームとして一緒に勝ち取ったものだと思っています」

 トヨタ2台の世界タイトルをめぐる戦いは、2019/20シーズン最終戦のバーレーンへと持ち込まれる。