MotoGP:レースディレクターがトラックリミット違反の解釈について説明

 9月12日、IRTA(国際ロードレーシングチーム連盟)のレースディレクター、マイク・ウェブがミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでトラックリミットの規則と解釈を説明した。

 ウェブはMotoGP世界選手権のルールをまとめ、いくつかの重要ポイントを明確にしている。

■トラックリミット違反とはどういうものですか?
 トラックリミット違反とは、ライダーがトラックのリミット(コース外)を超えてしまい、有利な状況になり得る可能性がある場合のことです。縁石(二重縁石を除く)はコースの一部です。二重縁石と縁石の外側にある緑色に塗られたエリアがコース外となります。

 前後のタイヤが同時にコース外に出た場合はトラックリミット違反の対象となります。テニスと同様にラインに触れていれば「イン(コース内)」と見なされます。前後のタイヤが完全にコース外に出た場合にのみ違反と見なされます。

■ライダーが違反したかどうかは誰が判断しますか?
 トラックリミットや他ペナルティの決定は、FIM MotoGPスチュワード単独の責任となります。トラックリミットの決定は最終的なものであり、抗議や不服申し立てはできません。トラックリミット違反はビデオで確認されますが、スチュワードがペナルティを科すためには鮮明な画像が必要になります。

 トラックリミットは画像認識ソフトを搭載した専用のカメラと複数のオペレーターによってモニタリングされています。これらの映像は国際映像やテレビ中継で使用されているものと同じとは限りません。

■コース外走行をした場合はどのような結果になるのでしょうか?
・フリー走行および予選走行中
 レース以外のフリー走行や予選においてライダーがトラックリミットを超えて走行した場合、その区間のタイムがキャンセルされます。これに伴い、その周回のラップタイムも自動的にキャンセルとなります。

・レース中
ライダーがコース外を走行し、タイムやポジションを落とした場合、その出来事は記録されずペナルティは科せられません。

 ロスがあったかどうか判断できない場合は、コース外走行が記録されます。ミスについてはいくつか規定されていますが、そのライダーが他のライダーと同じコースを走っていないため、ミスが多すぎる場合は有利になっていると見なされます。

 このような違反を3回繰り返すと「トラックリミット警告」がライダーのダッシュボードに送られます。5回以上違反をした場合はロングラップペナルティが科せられます。このペナルティはダッシュボードとコース脇に接地されたシグナルボードの両方で伝えられます。

 明らかに有利になったとFIM MotoGPスチュワードが判断した場合は、1回の違反に対してペナルティが科せられます。これらの違反は未決定の違反やミスのカウントには含まれません。

 明らかに有利になったと判断された1回の違反に対しては、ポジション変更、タイムペナルティ、ロングラップペナルティが科されます。

 また、コース外走行の直後にライダーが自主的にアドバンテージを取り戻した場合には、ペナルティが科せられない可能性があります。

■他のライダーに幅寄せされた場合はどうなりますか?
 他のライダーにコースアウトさせられた場合は、それが考慮されます。

 このため多数のライダーが接近している1周目は、未決定の違反が記録されない理由でもあります。1周目の1コーナーはトラックリミット違反は記録されません。これはスタート直後の1コーナーでライダーが幅寄せされることが多いためで、必要に応じてランオフエリアを走ることで不必要なクラッシュを避けるためです。

 ただし、ライダーがこうした状況を利用しないように、明らかに不利な状況を示さなければなりません。明らかなアドバンテージを得た場合は1周目も含めペナルティが科されます。

■最終ラップの場合はどうなるのでしょうか?
 ライダーがポジション争いをしている場合、最終ラップのトラックリミット違反でFIM MotoGPスチュワードがレース結果に影響を与えたと判断した場合は、違反を行ったライダーが明らかに不利益になったことを示されなければなりません。これには順位変動があったかどうかに関係なく同じことが言えます。

 最終ラップでゴール順位に影響を与えると判断されたトラックリミットの場合、明らかにライダーに不利益がないと判断されれば、順位の変更かタイムペナルティが科されます。

 最終ラップでトラックリミットを超えたライダーは、ポジション争いをしているライダーよりも不利にならなければならないというのが原則です。

 最終ラップはレース結果に影響がある可能性があるので、特別なケースとみなしています。