F1リバースグリッド導入案にメルセデス代表が猛反発「人為的に生み出された勝者を見たい者はいない」

 メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、レースを盛り上げるためにリバースグリッドを採用するという案を否定、F1はリアリティショーではなく、完全に実力によってリザルトを決めるべきであると発言した。

 2020年F1はCOVIT-19のパンデミックの影響で、予定を変更し、通常とは異なるカレンダーでシーズンを行うこととなった。同開催地での2戦連続開催が決まった際に、2戦目には予選の代わりにリバースグリッドによるスプリントレースを行うという案もあったが、チャンピオンチームであるメルセデスらの反対により実現しなかった。

 しかし第8戦イタリアGPが波乱の展開になり、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが優勝、2位がマクラーレンのカルロス・サインツJr、3位がレーシングポイントのランス・ストロールという意外な顔ぶれになったことを受け、F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターのロス・ブラウンは、再びリバースグリッドのプランを検討する価値があると主張した。

2020年F1第8戦イタリアGP 表彰式後に談笑するピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、ランス・ストロール(レーシングポイント)
2020年F1第8戦イタリアGP 表彰式後に談笑するピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、ランス・ストロール(レーシングポイント)

 しかしウォルフは、リバースグリッド反対という意見を変えていない。

「今のフォーマットをいじるべきだとは思わない」とウォルフは語った。

「長年ファンに理解されてきたフォーマットを変更しようとした例として頭に浮かぶのは、NASCARの『チェイス』だ。だが我々は変にいじり回すべきではないと思う」

「これはメルセデスの人間としての偏った意見ではない。逆に、私は物事が変動し、予測不可能な状態を好んでいる。今後もモンツァのような、いつもとは全く異なるレースになることもあるだろう」

「だがリバースグリッドからスタートして決まったウイナーを見たいという者は誰もいない」

「序列を変えたいからといって、オーバーテイクがほぼ不可能な場所で奇想天外な結果を出すべく、策定するようなことをすべきではない」

「このスポーツは実力主義のもとで行われており、最も優れた人間と最も優れたマシンが勝つスポーツである。さまざまな結果が出るWWE(アメリカのプロレス)とは違うのだ」

「ランダムな結果を望むなら、ショーを開催しよう。だがF1のDNAはあくまでスポーツである。その上で、エンターテインメントのプラットフォームをも持つ」

「だがショーではないし、リアリティショーでもない。『ビッグ・ブラザー』(リアリティ番組)とは違う。そこに向かうべきだとは思わない」

 しかしリバースグリッド案を強く支持するロス・ブラウンは、導入の可能性を改めて探っていくという意向を示した。

「我々とFIAは、このコンセプトについて、来年に向け今後数カ月のなかでチームと共に検討し協議していくことを望んでいる」とブラウンはイタリアGPの週末に語った。

「モンツァのレースは、いつもと異なる顔ぶれになることがどれほどの興奮をもたらせるかを証明した」

「ショーを向上させ、同時にF1のDNAを維持することを目指し、今後も新たなフォーマットの評価を行っていく」