ル・マン・ウイナーのアンディ・ウォレス、ナルドで「ブガッティ シロン ピュール スポール」を初ドライブ

Bugatti Chiron Pur Sport

ブガッティ シロン ピュール スポール

今回初めてハンドリングマシンをドライブしたウォレス

ブガッティはコーナーリング性能に特化したハイパースポーツ「シロン ピュール スポール」のテストを、イタリアのナルド・テクニカルセンターで行った。

テストドライブを担当したのは、レーシングドライバーとしてル・マン24時間を制し、現在ブガッティのテスト&デモンストレーションドライバーを務めるアンディ・ウォレス。彼は今回初めて、シロン ピュール スポールのステアリングを握っている。

ナルドでテストを行った「ブガッティ シロン ピュール スポール」

期待や予想を遥かに超えるパフォーマンス

ベンチレーショングリルからは、エンジンから発せられた熱が陽炎をつくり、待機中の空気を揺らしている。ブレーキディスクがパチパチと音を立て、エキゾーストパイプはリズミカルに鳴り響く。最後のラップを走り終えたウォレスは、コクピットから出ると、ニヤリとした笑顔を浮かべた。

「このクルマに乗る前から、自分が何を期待しているのか、漠然としたイメージを膨らませていました。それでもシロン ピュール スポールがこのハンドリングトラックで披露したコーナリング性能は信じられないレベルでした」と、ウォレスは興奮を隠さず捲し立てた。

「各ギヤ比の正確なバランス、非常に高いグリップレベル、正確なステアリングレスポンス、そしてコーナーからの立ち上がり加速に心から感銘を受けました。このクルマは私の期待を遥かに超えています」

ナルドでテストを行った「ブガッティ シロン ピュール スポール」

生産直前に行われた各部の最終チェック

新型ハイパースポーツの生産開始を目前に控え、エンジニアたちはイタリア・アプリア地方にあるテストトラック、ナルド・テクニカルセンターにシロン ピュール スポールを持ち込んだ。彼らはこの機会にエンジン制御システム、サスペンションを含む足まわり、ブレーキ、ギヤボックスの微調整を行っている。

ナルドでのテスト走行は、開発完了前の最終チェックとなる。そして、この最終チェックを担当するのが、ル・マン 24時間レースやデイトナ24時間において、複数の優勝経験を持つ英国人レーシングドライバーのアンディ・ウォレスだった。

彼は様々なレーシングカーやハイパースポーツを熟知しているため、あらゆる速度域におけるエンジンや駆動系の繊細な動きを瞬時に判断することができる稀有な存在だ。2019年、彼はシロン スーパースポーツ 300 プラスで、時速304.773マイル(490.484km/h)の速度記録アタックも担当した。

「テストドライバーの仕事を始めて数年になりますが、実はナルドに来たのは初めてです。このテストコースをとても気に入りました。変化に富んだコーナーの多いハンドリングトラックは最高ですね。6.2kmのロングコースにおける左右の高速コーナーのコンビネーションは、シロン ピュール スポールの醍醐味と言えるでしょう」

「ショートレシオに設定されたギヤボックスは、コーナーの立ち上がりにおいて残忍なほどの加速を実現しています。横方向への加速のポテンシャルは驚くべきものです。ドライバーにダイレクトなフィードバックを与えてくれることもあって、ドライビングが楽なのも特徴ですね」

ナルドでテストを行った「ブガッティ シロン ピュール スポール」

究極の性能と快適性の両立を実現

シロン ピュール スポールは、稀代のハンドリングマシンではあるものの、サーキット走行に特化したレーシングカーではない。公道走行が可能なラグジュアリーを極めたハイパースポーツなのだ。

「サーキットだけでなく、公道においても俊敏な走行性能を披露してくれるでしょう。しかも、十分な快適性を確保した上です。エンジニアたちは足まわりを完璧にセットアップしてくれました。しっかりとしていてダイレクトなのに、硬すぎないのです」

ブガッティは2020年秋からフランス・アルザスのモルスハイムにおいて、60台限定でシロン ピュール スポールを生産。価格は300万ユーロで、最初のカスタマーには年内にも納車される予定だ。