ホンダF1田辺TD予選後会見:予選モード禁止も勢力図に大きな変化なし。明暗を分けたのは「総合力の差」

 パワーユニット(PU)の予選モードが禁止されて、初めてとなった第8戦イタリアGPの予選。メルセデスの強さは盤石で、今回もフロントローを独占しただけでなく、3番手以下に0.7秒以上の大差をつけた。

 一方でレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはマクラーレン、レーシングポイントにも先行されて5番手。アレックス・アルボンも9番手と、苦戦を強いられた。そんな厳しい予選結果についてホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは、「総合力の差が出た」と総括した。

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──今回から初めてパワーユニット(PU)を、予選、レースにおいて同一モードで走らせるという措置が始まりました。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):ホンダとしてはフリー走行で得たデータを見直し、最適化を図って、予選に臨みました。ここからは何もいじれないのですが、何かあった場合にはその限りではない。ですのでレースに向けてのシミュレーションは、今も考えています。

──予選結果に関してはいかがでしょうか。

田辺TD:厳しい結果でしたね。レッドブルの2台は超高速サーキット、低ダウンフォースのコース特性のなかで、軽い車重でソフトタイヤを履いた時のクルマのバランスが今ひとつだった。

 アルファタウリは、かなりいい感じできていました。特にピエール・ガスリーは非常に力強い走りをしてくれましたが、最後のQ3は1セット目のタイヤでタイムが出せず、その後の中古タイヤでコンマ5秒ぐらい上げたのですが、周りのニュータイヤには及ばなかった。クビアトは、うまくスリップなどが使えなかったですね。

 ただレースではまた違う展開になると思いますし、その結果を見て、改めて次のレース以降のパワーユニットの位置付けを考えていこうと思います。

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第8戦イタリアGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)

──フェルスタッペンがセルジオ・ペレス(レーシングポイント)とルイス・ハミルトン(メルセデス)の後ろについていた時を比較して、ハミルトンの時は「近づいたら遅くなった」と言っていました。あれは、何だったんでしょう?

田辺TD:私も正直わからないですね。あの時、パワーユニットの出力に異常があったとか、そういうことはなかったですね。前にいたクルマの乱流の作り方が違うのか。メルセデスの方が、後ろのクルマへの影響が大きいのか。あるいはそれぞれのスリップの付き方が違っていたのか。詳細は、ちょっと不明です。

──いわゆる予選モード禁止で、勢力図が変わるのかと思っていたのですが、終わってみたら大きな変化はなかった。田辺さん自身はこの結果をどう受け取っていますか。

田辺TD:私としてはいつも言っているように、マシンパッケージとしての結果だったと思っています。超高速コースでのパッケージの順位が出た。それともうひとつは、チーム力ですね。スリップを使いたいのはみんな同じで、似たようなタイミングで出ていった。それでも付けるクルマとそうでないクルマが出てしまう。そのあたりの総合力の差ですね。

 パワーユニットの使い方の変化で勢力図が変わるのを期待されたと思いますが、それ以上に総合力の差だったと思っています。特にQ3の10台は、上の2台と下の2台を除けばすごい僅差ですよね。

──メルセデスは結果的にスリップを使いませんでした。レッドブル・ホンダではスリップを使った是非について、ミーティングで話し合われましたか。

田辺TD:いや、出てないです。ただどれくらいまで近づくとダメだとか、そういう話はしていました。予選後に、スリップが成功だった、失敗だったという話は出ていません。基本的には、まずまずだったということでしょう。ところでメルセデスは、なぜスリップを使わなかったか、言っていましたか?

──空力的に、使わない方がよかったと。

田辺TD:さすがですね。

2020年F1第8戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第8戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第8戦イタリアGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

2020年F1第8戦イタリアGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第8戦イタリアGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)