【気になる一言】苦戦が続くフェラーリ。チーム代表はマシン模倣問題を「私がメルセデスF1代表だったら抗議していた」と反撃

 2020年F1第7戦ベルギーGPでは近年稀に見る大ブレーキとなったフェラーリ。その走りは母国グランプリとなった今週の第8戦イタリアGPでもいまだ戻らず、初日を終えた段階での順位はシャルル・ルクレールが9番手、セバスチャン・ベッテルは12番手だった。

 金曜日の記者会見では、ドイツ人記者からこんな質問がチーム代表のマッティア・ビノットに飛んだ。

「フェラーリは依然として苦しんでいますが、どちらかといえば、ここ数戦はベッテルのほうがより問題を抱えているように思います。第6戦スペインGPではシャシーを新しくしましたが、それも功を奏していません。なぜ、ベッテルのほうが問題が大きいのでしょうか。それとも、ふたりの差はドライバーによるものなのでしょうか?」

 するとビノットは、その理由はマシンにあるのではなく、ドライバーにあるかのような問題発言を行った。

「私が思うに、シャルル(ルクレール)のほうが現時点でとても速いと言わなければならない。そして、たとえ4度のワールドチャンピオンといえども、シャルルのような速いドライバーのチームメイトでいることは簡単ではないということだ。セブ(ベッテル)は、いまブレーキング時の安定性に問題を抱えている。もちろん、彼を助けることができるかどうかは我々次第だ」

「私たちは彼が非常に速く、シャルルと同じポテンシャルがあることはわかっているが、現時点ではうまく行かないグランプリが何度かあったことは確かだ。でも特定の理由は何もないんだ。彼が週末を通してクルマに対して自信を取り戻すことができれば、素晴らしい予選パフォーマンスを発揮し、もっと前からレースをスタートさせることができると信じている」

2020年F1第8戦イタリアGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
2020年F1第8戦イタリアGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 この日のビノットは、メルセデスとレーシングポイントにも歯に衣着せぬ発言を行った。

「我々はレーシングポイントが行ったこと(マシン模倣問題)は正しくないと確信しているので、スチュワード(レース審議委員会)の決定に上訴した。ただ、それが将来起こり得ないと信じることができ、それがFIAによって規制として導入される場合には、最終的に上訴を取り下げる用意もできている」

「ライバルのマシンを見て開発することはF1の歴史の一部であり、そこには何も悪いことはない。だが、マシン全体を完全なパッケージでコピーするとなると話は別だ。そこにIP(Intellectual Property=知的財産)が存在するからだ。したがって、もし私がメルセデスF1の代表だったら、自分のチームのマシンが誰かに模倣されたのなら、抗議していただろうね」

 これは明らかにベルギーGPで「フェラーリの低迷が特定のメンバーが下した決定によるものだと思う」と語ったメルセデスF1のチーム代表、トト・ウォルフへの仕返しだろう。

 これまで、あまり強いメッセージを発することがなく弱腰に映っていたビノット。この態度の変化はリーダーとしての自覚が出てきたと受け取っていいのか。それとも追い込まれたネズミなのか。その答えは、もうしばらく様子を見てからでないと判断できないようだ。

2020年F1第8戦イタリアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2020年F1第8戦イタリアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)